第48章 彼は速水ミオ母娘を守る

黒崎統夜の車に乗せられてなお、速水ミオは狐につままれたような心地だった。足元がおぼつかず、まるで雲の上を歩いているかのようにふわふわとしている。

車は滑るように疾走していた。

車内は冷房が効いていて肌寒い。速水カノンは速水ミオの懐に縮こまり、小さな頭を持ち上げた。

「ママ、怒ってる?」

速水ミオは首を横に振り、娘の肩を抱き寄せると声を潜めた。

「速水家のスキャンダルを流したのは、本当にあなたなの?」

速水カノンは項垂れたまま何も答えない。大きな瞳が、バツが悪そうに瞬いている。

理由を問い質そうとした速水ミオだったが、対面の視線に気づき、速水カノンの鼻筋を軽く指でなぞるだけに留め...

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