第67章 バスタオル、落ちた

いつの間にか近づいてきたのだろう。彼はシャツを一枚羽織っただけの姿で、速水ミオの背後、一メートルもしない場所に立っていた。

ボタンは外され、濡れたシャツが肌に張り付いている。はだけた胸元から、上質な布地越しに引き締まった肉体のラインが露わになり、その輪郭を鮮明に浮かび上がらせていた。

五年前のあの過ち以来、速水ミオはこれほど男性と密着したことなどなかった。

瞬く間に顔がカッと熱くなる。彼女は羞恥に耐えきれずうつむき、目を固く閉じた。握りしめた拳に爪が食い込み、手の甲に赤い跡が残るほどだ。

「あ、あ、あなた……」

言葉が喉につかえて出てこない。

何を言ったところで、黒崎統夜が「ここ...

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