第68章 お尻、上向き

黒崎統夜は片眉を跳ね上げた。

「ユナちゃんが言っているのは、さっきのおばさんのことか?」

速水カノンはこくりと頷く。

「あの方の事情は執事から聞きました」

「一人で子供を育てていて、しかも実家からも虐げられているなんて、とても大変だと思います」

「パパが助けないのは百歩譲っていいとしても、どうしてこれ以上いじめるの?」

「ユナちゃん?」

黒崎統夜は目を細め、その瞳に探るような色が混じった。

「これはパパの仕事の話だよ」

黒崎ユナはわきまえのある子供だ。

決して黒崎統夜の仕事に口を出したりしない。

「でも、あのおばさんとおチビちゃんは我が家に住んでいます。なら、これは家の...

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