第73章 車を止め、人を捕らえる

第6章

少しは詰めればいいものを。彼女が座席の端に追いやられ、ペラペラになりそうなのが見えないのだろうか。

黒崎統夜は片眉を上げ、冷ややかな視線を速水ミオに向けた。

「狭いなら狭いと、自分で言えばいいだろう」

その言葉には棘があり、明らかに不機嫌さを滲ませている。

速水ミオは困惑した。私が彼に何をしたというの?

「大丈夫です、氷室社長」

速水ミオは氷室ジンを二人の板挟みにしたくなかった。

「狭くありませんから」

氷室ジンが口を開くより先に、黒崎統夜が鼻で笑い、皮肉たっぷりに言い放つ。

「聞いたか? こういう輩は人の親切を仇で返すのが得意なんだ。構うだけ無駄だ」

その言葉...

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