彼女のために、私の狼は砕かれた

彼女のために、私の狼は砕かれた

渡り雨 · 完結 · 18.6k 文字

1.2k
トレンド
1.2k
閲覧数
3
追加済み
本棚に追加
読み始める
共有:facebooktwitterpinterestwhatsappreddit

紹介

私の群れの『ゴールデンガール』――義理の妹であるロザリーが、失踪した。

私の狼が覚醒するはずだった、十八歳の誕生日。その日、私は両親によって魔女の前に引きずり出された。

「あの子に何をしたか、白状しろ」

いいだろう。見せてやればいい。

私が家に帰った日、私に薬を盛ったのが誰か。私が血を流している間に、その手柄を横取りしたのが誰か。そして、微笑みながら私の破滅を企んでいたのが、一体誰だったのかを。

この三年間、彼らは私ではなく、大事な大事なロザリーを選んできた。

真実が知りたい?

ならば、その真実で喉を詰まらせてやる。

チャプター 1

 十八歳の誕生日を迎えたその日、私は家族の手によって魔女の元へと引きずり出された。

 祝いのためではない。狼の覚醒を見届けるためでもない。

 記憶を抽出するためだ。

 冷たい鉄の手錠が手首と足首に食い込む。頭蓋を締め付けるのは奇妙な金属の輪。そこから伸びる脈打つような銀のワイヤーが、魔女の祭壇へと繋がっている。

 ロザリーが姿を消して五日が経つ。家族は皆、私が彼女をどこかに隠したのだと信じて疑わない。

「最後にもう一度だけ聞く」

 父の声が薄暗い部屋を切り裂いた。

「あいつはどこだ?」

 アラリック・ヴァレン。ヴァレン・パックのアルファであり、三つの領地の中で最も強大な狼。

 だが今、彼はまるで靴の裏にこびりついた汚物でも見るような目で私を見下ろしている。

 彼は革張りの日記帳を顔の前に突きつけた。ロザリーの日記だ。

「読め」

 私が動こうとしないと、彼は代読した。

『イゾルデに殺されるかもしれない。あの子はどんどんおかしくなってる。何をされるか怖くてたまらない』

 彼は日記を私の足元に放り投げた。

 その日記なら見たことがある。中に綴られた毒々しい言葉の一つ一つまで、私は知っていた。

「私はやってな……」

「五日前、ロザリーからマインドリンクが届いた」彼は顎を強張らせる。

「『助けて、お父様』と。それきりだ。気配を感じ取ることも、探すこともできない」

 彼の目が私を射抜く。

「お前が何かをしたんだ。お前があいつを隠した。吐け、どこにやった」

 笑いたかった。

 ロザリーの計画は完璧だ。日記、マインドリンク、失踪。

 彼女が仕掛けた罠に、私はまんまと嵌まったのだ。

「どこにいるかなんて知らない」私は言った。

「もう百回も言ったけど……」

「嘘つきが」

 兄のカスピアンが動いたのは、私が反応するより早かった。平手が激しく頬を打つ。床に倒れ込む間もなく、口の中に鉄の味が広がった。

「この田舎者のゴミめ」彼は私の髪を掴んで引きずり起こす。

「まだ無実を装うつもりか?」

 口の中が血で溢れる。舌を噛んでしまったらしい。

 カスピアンは一度だって私を愛したことなどない。私がここに戻ってきたあの日から、ずっと。

 三年前、両親はようやく私を見つけ出した——幼い頃に誘拐され、人間の世界で育てられた本当の娘を。狼の群れに連れ戻された私を、ロザリーは両手を広げて歓迎してくれた。

 少なくとも、周囲の目にはそう映っていただろう。

「三年だ」カスピアンは指折り数えて言った。

「三年の間、お前がロザリーの人生を惨めにするのをずっと見てきた。初日に俺の車で粗相をしやがって、助けようとしたロザリーに怒鳴り散らしただろう。母さんが怪我をした時、ロザリーは徹夜で看病したのにお前は死人のように眠り呆けていた。そして今——」

 彼は私の顎を掴み、無理やり視線を合わせさせた。

「今、あいつがいなくなった。お前のせいだ」

 弁解なら何度も試みた。何度も、何度も。

 けれど、誰も信じてはくれなかった。

「カスピアン」母の声は細く、疲れ切っていた。

「あまり痛めつけないで。抽出に障るかもしれないわ」

 母は歩み寄ると、袖で私の唇の血を拭った。その手つきは優しい。

 けれど、その目は泣き腫らして赤くなっている。ロザリーのために。

「あの子がどこにいるか、ただ教えてくれればいいの」母は囁く。

「お願い、イゾルデ。もう五日も眠れていないの。食事も喉を通らない。もしあの子に何かあったら……」

 言葉が詰まる。

 私は母を見つめた。

 これほど長く関心を向けられたのは、数ヶ月ぶりのことだ。

「知りません」私は静かに答えた。

 父は重く息を吐き出した。

「いいだろう」彼は闇に控える魔女に向き直る。

「抽出を始めろ。こいつが何を隠しているのか暴いてやる」

 魔女が前に進み出た。

「ヴァレン・アルファ」その声は枯れ葉のように乾いている。

「警告しておきます。この娘は今日で十八歳になったばかり。狼はまだ目覚めていません。精神が……非常に脆い」

「それがどうした?」

「記憶の抽出には安定した精神基盤が必要です。彼女のような——未覚醒で不安定な状態では、限界があります」魔女は言葉を切った。

「三回。せいぜい四回まででしょう。それ以上行えば、完全に記憶を失う恐れがある。最悪の場合、狼そのものを失うかもしれません」

「こいつの狼などどうでもいい」父の声は氷のように冷徹だった。

「私が求めているのは、娘を見つけ出すことだけだ」

 魔女は躊躇った。

「損傷は永続的なものになる可能性があります。彼女は——」

「聞こえなかったのか?」

 沈黙。

「いいえ、アルファ」

 魔女が私の方を向く。白濁した瞳は、私を通り越して心の中まで見透かしているようだった。

「力を抜いて、お嬢さん。抵抗すれば苦しみが増すだけだよ」

 抵抗などしない。

 何の意味がある?

 ロザリーの勝ちだ。いつだって彼女が勝つのだ。

 魔女が詠唱を始めた。金属の輪が頭蓋の上で熱を帯びていく。

「もう一つだけ」突然、父が口を開いた。歩み寄り、私を見下ろす。

「もし協力するなら——ロザリーの居場所を言うなら——金をやる。望むだけの額をな。それを持って人間の世界へ帰れ。二度と互いに関わることもない」

 人間の世界。

 全身の筋肉が強張った。視界の端が白く飛ぶ。

「嫌」勝手に言葉が漏れ出た。

「あそこは嫌。お願い。どこでもいい、あそこだけは——」

「見たか?」カスピアンが嘲笑う。

「ここで悲劇のヒロイン気取りでいる方が、俺たちを助けるよりマシだってよ。強欲な——」

「もういい」父が手を振った。

「始めろ」

 魔女の詠唱が高まる。私と祭壇を繋ぐ銀の糸が発光した。

 激痛が頭蓋を貫く。

 そして——

 世界が霧散した。

 色彩が混ざり合い、音が歪む。

 視界が定まると、私は車の中にいた。滑らかな黒塗りのセダンだ。

 カスピアンの車だ。

 隣には、私の手を握り、輝くような笑顔を浮かべる金髪の少女。瞳が煌めいている。

 ロザリーだ。

「お帰りなさい、お姉ちゃん!」彼女は明るく弾んだ声で言った。

「特別なものを作ってきたの。ウェルカム・ドリンクよ! 午前中ずっとかかって作ったんだから。飲んで、ねえ、飲んでみて!」

 私は、過去の自分がそのカップを受け取るのをただ見つめていた。

 微笑み、感謝し、信じ切っている私。

 その先に何が起こるか、痛いほど知っているというのに。

最新チャプター

おすすめ 😍

終末世界で異空間チート!無限備蓄で兵王様を攻略します

終末世界で異空間チート!無限備蓄で兵王様を攻略します

26.1k 閲覧数 · 連載中 · 夜明けのソラ
渡辺千咲は大学卒業後、人生のどん底に落ち、みじめな思いで故郷に戻った。ところが、幼い頃に覚醒した役立たずの空間が突然見知らぬ男に結び付けられた。

男の方は食料不足、渡辺千咲の方は金欠で、二人は意気投合して互いに協力することになった。

「俺のいる場所では、金やダイヤモンドが地面に落ちていても誰も拾わない」

渡辺千咲はそれを聞いて目を輝かせた。男のいる時空では終末が訪れ、動植物が変異し、土地は耕作不能、水源は汚染され、さらに人類の安全を脅かすゾンビがいるのだった。

中島暁は終末世界で一年間苦しみながらも生き抜き、弾薬も食料も尽きて重傷を負いながらも、最後まで信念を貫き、仲間を見捨てることを拒んだ。

「唐揚げ、肉まん、きれいな水、あなたが欲しい物資なら何でも調達してやる!」

渡辺千咲はもはやみじめではなくなった。クリスタルのエネルギーで肌が白くなり体質が改善され、眼鏡も外せるようになり、金や骨董品が手に入り続けた。

中島暁が終末世界から持ち込んだ書籍、詞曲、漫画……によって、渡辺千咲は一躍文学芸術の大家となった。

祖母や、偽善的で貪欲な親戚たちが泣きながら彼女に許しを求めた。

数年後、記者が渡辺千咲の願いを尋ねた――

「世界平和を願っています」

大げさだと思う人もいたが、後になって戦乱を平定したのも彼女、経済を発展させたのも彼女、薬剤を発明したのも彼女の部下のチーム、ウイルス爆発を救ったのも彼女だったことが分かった。

終末世界で彼女は最後の人類を率い、ゾンビに勝利し、赤い月の終末災害を乗り越えた。

彼女の願いは実現したのだった。
全能令嬢の帰還、家族が倒産?

全能令嬢の帰還、家族が倒産?

42.7k 閲覧数 · 連載中 · きりゅう りんか
万能の女神・夏川紅蓮が実家に戻ると、一家は何者かの手で破滅に追いやられた後だった。
父は冤罪で獄中にあり、母は病に伏せっている。
六人の兄たちも、ある者は身体に障がいを負い、ある者は無気力に沈んでいた。
そんな折、家に潜り込んでいた偽令嬢は状況を見るや否や一家を見捨てて姿を消し、さらに屋敷までも奪い取ろうとしていた。
世間は夏川家を「落ち目の負け犬」と嘲笑い、皆がこぞって踏みにじる。

紅蓮が静かに一声を発すれば、暗部より無数の異能の士たちが姿を現し、形勢は一瞬にして逆転する。
父は無実のまま出所し、母は健康を取り戻し、廃人同然だった長兄は再び己の足で歩き出し、残る五人の兄たちもまた紅蓮の導きによって各々の才覚を花開かせ、やがて各界を牽引する大物へと成り上がっていく。

しかし、そんな彼女を指さして嘲る者がいる。
「夏川紅蓮は地味で野暮ったい田舎者だ」と。

何を隠そう、彼女は無数の隠された顔を持つ存在。
神医の令嬢も彼女なら、国画の大家も彼女。
伝説のハッカーも彼女なら、正体不明の謎の女優も彼女。
そして、暗部を統べる首領さえも——彼女なのだ。

そんな折、頂点に君臨する名門の若様が、彼女をそっと腕のなかに抱き寄せた。

「誰が彼女を田舎くさい地味女だと言った? 彼女こそ、俺・諏訪淳行の婚約者だ」

紅蓮が流し目をひとつ送る。

「婚約、破棄しなくていいの?」

「しない」

彼が長いあいだ追い求めてきた決して手の届かない高嶺の花こそが、いま腕のなかにいる婚約者なのだ。
解消などありえない——この婚約は、死んでも解消しない。
追放された偽物の娘、その正体は最強でした

追放された偽物の娘、その正体は最強でした

828.9k 閲覧数 · 連載中 · ゲゲゲ
「本物の娘が見つかった。お前はもう用済みだ」
あの子が現れたその日、私は『偽物の娘』として家を追い出された。
渡されたのは、わずかな小銭と地方行きの片道切符だけ。
さらに婚約者は私をゴミのように捨て、その日のうちに『本物』であるあの子にプロポーズした。

……上等じゃない。せいぜい勝った気でいればいいわ。
だって彼らは、私の【本当の顔】を何一つ知らないのだから。

名門病院が見放した命を救う『天才外科医』。
オークションで数億円の値を叩き出す『伝説の画家』。
裏社会の闘技場で無敗を誇る『影の女王』。
そして――彼らの全財産すら小銭に思えるほどの『真の巨大財閥の後継者』であることを。

今さら元婚約者が土下座で許しを請おうと、本物の娘が嫉妬で狂いそうになろうと、もう遅い。
かつて私に婚約破棄の書類を叩きつけた冷酷で傲慢なCEOでさえ、今や何かに取り憑かれたように私を追い回し、「もう一度だけチャンスをくれ」とすがりついてくる始末。

私を捨てて、自分たちの人生を『アップグレード』したつもり?
笑わせないで。最初から、圧倒的に上の存在だったのは私のほうよ。
マフィア姫の帰還

マフィア姫の帰還

56.8k 閲覧数 · 完結 · Tonje Unosen
タリアは何年ものあいだ、母と義理の妹、そして継父と暮らしてきた。だがある日、ついにそこから逃げ出すことに成功する。

ところがその直後、自分にはまだ外に家族がいるのだと知る。そして本当に自分を愛してくれる人たちが大勢いることも――そんなものは今まで感じたことがなかった。少なくとも、彼女の記憶にあるかぎりでは。

タリアは人を信じることを学ばなければならない。新しくできた兄たちにも、ありのままの自分を受け入れてもらわなければならないのだ。
不倫夫を捨てた夜、私は新しい彼に抱かれる

不倫夫を捨てた夜、私は新しい彼に抱かれる

3.5m 閲覧数 · 連載中 · 七海
初恋から結婚まで、片時も離れなかった私たち。
しかし結婚7年目、夫は秘書との不倫に溺れた。

私の誕生日に愛人と旅行に行き、結婚記念日にはあろうことか、私たちの寝室で彼女を抱いた夫。
心が壊れた私は、彼を騙して離婚届にサインをさせた。

「どうせ俺から離れられないだろう」
そう高をくくっていた夫の顔に、受理された離婚届を叩きつける。

「今この瞬間から、私の人生から消え失せて!」

初めて焦燥に駆られ、すがりついてくる夫。
その夜、鳴り止まない私のスマホに出たのは、新しい恋人の彼だった。

「知らないのか?」
受話器の向こうで、彼は低く笑った。
「良き元カレというのは、死人のように静かなものだよ?」

「彼女を出せ!」と激昂する元夫に、彼は冷たく言い放つ。

「それは無理だね」
私の寝顔に優しくキスを落としながら、彼は勝ち誇ったように告げた。
「彼女はクタクタになって、さっき眠ってしまったから」
妻が去り、妊娠を知った俺は、ただ泣き崩れるしかなかった

妻が去り、妊娠を知った俺は、ただ泣き崩れるしかなかった

538.3k 閲覧数 · 連載中 · 蛙坂下道
鈴木七海は、中村健に好きな人がいることをずっと知っていた。それでも、彼との結婚を選んだ。
しかし、結婚して5年後、彼は離婚を切り出した。その時初めて、彼の想い人が私の父の隠し子(私の異母兄弟)だと知った。
離婚を決意した七海だったが、その時にまさかの妊娠が判明した。
令嬢は離婚を機に大富豪への道を歩む

令嬢は離婚を機に大富豪への道を歩む

816.2k 閲覧数 · 連載中 · 蜜柑
天才陰陽師だった御影星奈は、かつて恋愛脳のどん底に落ち、愛する男のために七年もの間、辱めに耐え続けてきた。しかしついに、ある日はっと我に返る。
「瀬央千弥、離婚して」
周りの連中はこぞって彼女を嘲笑った。あの瀬央様がいなくなったら、御影星奈は惨めな人生を送るに決まっていると。
ところが実際は――
財閥の名家がこぞって彼女を賓客として招き入れ、トップ俳優や女優が熱狂的なファンに。さらに四人の、並々ならぬ経歴を持つ兄弟子たちまで現れて……。
実家の御影家は後悔し、養女を追い出してまで彼女を迎え入れようとする。
そして元夫も、悔恨の表情で彼女を見つめ、「許してくれ」と懇願してきた。
御影星奈は少し眉を上げ、冷笑いを浮かべて言った。
「今の私に、あなたたちが手が届くと思う?」
――もう、私とあなたたちは釣り合わないのよ!
空気のようだった妻が消えた日、俺の空っぽな日常が剥がれ落ちる

空気のようだった妻が消えた日、俺の空っぽな日常が剥がれ落ちる

40.1k 閲覧数 · 連載中 · わたあめ
妻の存在は、いつだって当たり前で、ただそこにあるだけのものだと思っていた。
だが、帰宅した俺を迎えたのは、もぬけの殻になったクローゼットと、机の上に置かれた離婚届だけだった。
三年間、彼女は何を思い、何に耐えていたのか。
初めて向き合った彼女の不在は、何よりも鋭く俺の心臓を抉る。
失って初めて気づく、俺を誰よりも愛していたはずのその手。
タイムリミットが迫る中、俺は彼女という「唯一の場所」を取り戻すために奔走する。
——もう遅いのか、それともこれはやり直すための罰なのか。
舐めるつもり?なら、思い知らせてあげる

舐めるつもり?なら、思い知らせてあげる

52.5k 閲覧数 · 連載中 · 桜井 ゆい​
18年間、自分が実の娘でないとは知らずに生きてきた。ある日、荷物をすべて玄関の外に放り出され、街角に立ち尽くす私の前に現れたのは、噂では極貧だという「生家」から迎えに来た、見たこともない「兄」。

ところが、その兄が乗ってきたのはトラクターだった。

ガタガタと揺れるトラクターがたどり着いた先は、まるで古城のような大邸宅。そこで私は思い知る。本当の家族のもとに引き取られた私は、貧しくなるどころか、前よりずっと裕福になっていたのだ。

……だが、ちょっと待ってほしい。なぜ私には突然、婚約者というものが存在するのか。しかもその相手は、私の大学の教授だという。誰か、説明してくれないだろうか。
監禁から1年、捨てられた令嬢は元婚約者の叔父を娶る

監禁から1年、捨てられた令嬢は元婚約者の叔父を娶る

133.1k 閲覧数 · 連載中 · 鈴木楓花
監禁から1年。ようやく帰宅した今井心晴を待っていたのは、変わり果てた日常だった。
家族は心晴を探そうともせず、あろうことか姉の今井優奈のために盛大な誕生日パーティーを開いていた。
しかも、その横には心晴の元婚約者の姿が……二人は婚約していたのだ。
しかし、心晴はただの被害者ではなかった。
彼女は人知れず巨額の資産と強大なコネクションを築き上げていたのだ。
真実を知った心晴は、復讐の狼煙を上げる。
彼女が選んだ新たなパートナーは、なんと元婚約者の叔父だった。
「これからは私のことを『おばさん』と呼ぶのよ、優奈!」
間違いの刻印 息子と復讐

間違いの刻印 息子と復讐

1.7k 閲覧数 · 完結 · Abdulqudir Yusuf
カミラとキャロラインは、ムーンライト・パックの敬われる戦士団長ジャックの、瓜二つの双子の娘だ。優しく義務感の強いカミラは、アルファのマイケルと婚約し、彼のルナとなる者として選ばれていた。

一方で、大胆で向こう見ずなキャロラインは、姉妹が受ける栄誉をしばしば妬んでいた。

刻印の儀の夜、欲情に呑まれ、酒に酔いしれていたマイケルは取り違え、カミラではなくキャロラインと一夜を共にしてしまう。そして刻印は、誤ってキャロラインの身に刻まれた。

パックの誰もが、キャロラインこそが彼の真の伴侶なのだと信じた。カミラは仲間たちの前で辱めを受け――婚約は破談となり、居場所は双子の妹に奪われたのだ。

裏切られ、見捨てられたと感じたカミラは、禁じられた森へと逃げ込み、疲労と絶望に押し潰されるようにして、その場に崩れ落ちた。
追放された偽令嬢、実は超財閥の真の令嬢

追放された偽令嬢、実は超財閥の真の令嬢

154.1k 閲覧数 · 連載中 · あざ鳥
「お前みたいな偽物の令嬢、さっさと山奥に帰れ!」

孤児だと判明した途端、彼女は養父母から冷酷に家を追い出され、婚約者も本物の令嬢へと乗り換えた。
彼らは、彼女がこれからド田舎で悲惨な生活を送るのだとあざ笑っていた。

しかし、彼女を迎えに来た実の家族は、なんと世界を牛耳る超巨大財閥の一族だった!
さらに、彼女自身もただの小娘ではない。その正体は、世界の医学界が平伏す伝説の天才医師だったのだ。

実家に戻るや否や、彼女は神業のようなメス捌きで次々と難病患者を救い、医療界の権威たちを圧倒していく。その圧倒的な実力に、誰もが恐れる冷酷なトップ御曹司でさえも彼女に惹かれ、無限額のブラックカードを差し出す始末。

一方、彼女を追い出した養父母の家業は倒産寸前に陥り、元婚約者も彼女の本当の姿を知って絶望の淵に立たされていた。
彼らが泣きついて許しを乞うても、彼女は冷たく言い放つ。

「今さら後悔しても、もう遅いわ」