灰色の毒薬

部下が若造だった頃からボスについて何年も経っていた。その頃はまだ青二才で、刀一本を手に街で荒々しく暴れまわっていた。

彼はボスがゴミ捨て場から拾ってきた人間だ。当時の部下は、誰かに斬りつけられて死んだ犬のような有様だった。

ボスの地位は代々受け継がれてきたもので、ボスの父親はXX組の組長だった。

ボスが跡目を継いだ時は、まさに血で血を洗う抗争の嵐だった。

部下はボスの気まぐれで拾われた後、傷が癒えると、ボスの側で最も凶暴な番犬となった。

部下はボスの権力争いに付き添い、彼の身体の傷の半分は、ボスのために受けたものだった。

ボスは非常に洗練された風格を持ち、外見からは彼が闇社会の人間だとは微塵も感じられなかった。

それもそのはず、彼は極めて几帳面で、教養があり、文化的で、潔癖症でもあった。

部下の最初の恋人は娼婦だった。彼が期待に胸を膨らませてボスに会わせた時のことだ。

ボスは革のソファに凛と座り、宝石の指輪をはめた手でポケットからハンカチを取り出し、そっと鼻を覆った。

長年ボスに仕えてきた部下は、もちろんその意味を理解していた。

ボスはその女を嫌っていたのだ。

もちろんボスがはっきりと言うことはなく、優雅に微笑んで、店の責任者を呼び、娼婦の身請け金を払った。

これは部下への態度表明だった。「お前が好きなものなら、何でも賛成する」という。そして彼は手を軽く部下の肩に置き、静かな声で言った。「目の付け所がいいな」

娼婦は憧れの眼差しでボスを見つめ、部下の顔が鉄のように青ざめているのに気づいてようやく、体を柔らかくしてこの短気な男にすり寄り、甘えた。

ボスは父親とロシア人女性の間に生まれ、氷のように冷たい灰色の瞳を持っていた。

その灰色の瞳は実は部下の夢に何度も現れていたが、部下は誰にもそのことを話したことがなかった。

ある時、彼は書類を届けにボスの家を訪れた。

彼は最も信頼される部下だったので、使用人たちは彼をボスの寝室の前まで案内した。

部下は深く考えずにドアを開けて入った。

そこで彼が目にしたのは、自分の女、あの娼婦が服を脱ぎ捨て、酔ったボスに寄り添い、ゆっくりと腰を振っている姿だった。

彼が最も愛したその蜜色の丸い尻が、ボスの黒いスーツのズボンに押し付けられていた。

ボスの灰色の瞳は霞んでいた。酔っていたのだ。

部下はドアを閉め、一歩一歩と近づいていった。

ボスの視線が彼に落ちるが、焦点は合っていない。傍らに傾いた赤ワインからは薬物の匂いがした。部下にはそれがわかった。

彼は手を伸ばして娼婦の髪をつかみ、彼女の悲鳴の中、引きずり出して外に放り出した。

天知る、彼がこの光景を目にした時、どれほど服の中から銃を取り出してその女を撃ち殺したいと思ったことか。

だが残された理性が彼に告げていた。あれは自分の女だ、殺すわけにはいかない。

彼はボスの前に歩み寄り、片膝をついて、ボスの手を取り、その宝石の指輪に口づけしながら、かすれた声で謝罪した。

ボスの冷たい指が彼の頬を撫で、彼の顔に戦慄を誘う感触の跡を残した。

彼が顔を上げると、ボスの瞳はまだぼんやりとしていたが、手を彼の手から引き抜き、目を閉じて疲れた様子で言った。「あの女はお前自身で始末しろ。一週間、俺の前に姿を見せるな」

部下はボスの手をしっかりと掴んだが、握りとめることはできなかった。ボスは少しずつ手を引き抜き、冷淡な目で彼を見つめた。「俺は誰だ？」

部下は答えた。「ご主人様」

ボスは笑った。「お前は？」