そんなに誇らしげにしないで

誰もが社畜として生きる世界。日々レンガを運ぶか、レンガを運ぶ道の上にいるかのどちらか。勤務中は上司のために働き、退社後も様々な電話に悩まされる。広い世の中、朝も夜も急ぐ人々は皆、生計を立てるために奔走している。穆司聞もそんな群衆の一人だった。

毎日、決まった通りに朝九時から夕方五時までの仕事をこなし、社会保険完備の待遇はもはや当たり前で、特別優遇されているとは言えない。直属の上司は毎日ひげを吹かし目を剥いて、常に地位を利用して人を見下し、部下を思うままに指図する。穆司聞はとっくに辞めたかったが、生活を維持するために歯を食いしばって耐えるしかなかった。

「穆司聞、入れ」

見積書の修正に忙しかった穆司聞は上司の声を聞くとすぐに手を止め、襟元を整えて部屋に入った。上司は社長椅子に座り、長くもない両足を机の上に投げ出し、高飛車な態度で冷たい目で彼を見つめ、机の上の数枚の書類を指さした。

穆司聞は困惑しながら前に進み、書類を手に取って目を通した。タイトルだけで想像を超えており、内容を読み進める前に即座に拒否した。「ダメです。僕は仕事をしに来ているのであって、こんな...」

言葉を最後まで言えず、穆司聞は上司の目に宿る軽蔑の色に気づいた。それがこの契約書にサインしてはいけない理由をさらに確信させた。さもなければ、この会社でますます顔が上げられなくなる。

「サインするつもりはありません。どうか上司から取り計らっていただけないでしょうか」穆司聞は契約書を机に投げ返したが、その社交辞令は上司の嘲りを招いただけだった。「ここで純情ぶるなよ。社長の会議で媚び売ってたのはお前だろ？なんでお前なんかに目をつけたと思ってるんだ？」

この言葉に穆司聞は首をひねった。いつ媚びを売ったというのか。前の晩、ゲームで徹夜して目が不快だったから何度か擦っただけ。目薬を差したところで会議に呼ばれて報告することになった。社長が勘違いしたのであって、どうして自分のせいになるのか。

上司は机の上の契約書を穆司聞の方に押し、親切そうな口調で説得した。「これはお前が望んでたことじゃないか？正直言って、社長は悪い人じゃない。彼に気に入られるなんて、先祖の徳だよ。これ以上駆け引きしても良い結果は出ないぞ」

心の中には説明できる方法が無数にあったが、穆司聞は口を開こうとはしなかった。どんなに上手く言ったところで無駄だと知っていた。これは上から下りてきた上司への任務であり、自分をどれほど見下していても、彼はそれを完遂しなければならない。

「考えさせてください」

譲歩の姿勢を見せると、上司の張り詰めた神経も緩んだ。彼は穆司聞の肩を叩いたが、払いのけられ、手が空中に停まったままになった。彼は頷いて言った。「雀が枝に飛んで鳳凰になったつもりか。昔の上司にはもう取り入る必要もないか。まあ、お前はせいぜい金の籠の鳥でいろよ。どうせ尻を犯される身分なんだからな」

心が乱れた穆司聞は彼と口論する気力もなく、部屋を出て自分の席に戻り、見積書の修正を続けたが、すでに仕事に集中できなかった。頭の中では契約書の内容が何度も繰り返され、特にある一条項が彼を青ざめさせた。

厳書意の愛人となり、彼が必要とする時には必ず満足させること。その後、金銭的な要求は全て満たされる。

「くそっ、これって要するに男娼じゃねえか！」穆司聞は思わず低い声で罵り、マウスを投げ捨ててイスの背もたれに寄りかかった。両手が震え、眉間には怒りの色が濃く滲んでいた。