三人のイケメンに翻弄される私

三人のイケメンに翻弄される私

大宮西幸 · 完結 · 24.9k 文字

1.1k
トレンド
1.2k
閲覧数
3
追加済み
本棚に追加
読み始める
共有:facebooktwitterpinterestwhatsappreddit

紹介

「愛してる、香奈」彼が首筋に囁く声が聞こえる。荒い息遣いが肌を熱く焦がし、彼の手が私の体を探るたび、全身の神経が生々しい欲望で燃え上がる。でも今夜は誰なの?優しく愛撫する智也?腰に痣を残すほど激しく掴む良太?それとも私を完全に支配する慶介の力強い愛?

私は森山香奈。三人の男を手のひらで転がしている敏腕弁護士。最初、彼らは私をおもちゃ扱いしていた。幼馴染の智也は、甘い朝のひとときを都合の良い関係に変えた。ワイルドなロッカーの良太は、汗まみれの夜に私の体を本能のままに貪った。そして支配的な上司慶介は、オフィスでの密会を自分だけの快楽に変え、私を疲れ果てさせながらもっと求めさせた。彼らは私を抱いて感情は捨てられると思っていた。昨日のゴミのように。

でも私が形勢を逆転させた。彼らを深く虜にし、気づいた時にはもう遅かった—私のおもちゃになって、中毒になり、私の慈悲を懇願する側になっていたのだから。

チャプター 1

香奈視点

「もう、香奈、早く電話に出ろよ」

 私は大理石の洗面台で執拗に震えるスマホを見つめた。シャワーのお湯が二人の体に降り注ぐ中、智也のものが、まだ私の太ももを伝って流れ落ちていく。画面には「お母さん」の文字。いつ見ても胃がキリキリする文字だった。

「もしもし、お母さん」シャワーの壁に押し付けられて抱かれていたばかりだとは気づかれないよう、私は声を整えた。

「森山香奈、どこにいたの? もう二十分もかけ続けてるのよ!」

 智也の指が私の腰のあたりで気怠げに円を描くせいで、会話に集中できない。ちょっと、勘弁してよ。今そういうタイミングじゃないでしょ。

「シャワー浴びてたのよ、お母さん。で、どうしたの?」

「あなたももう二十六歳なんだから、そろそろ身を固めることを考えなさい」その声には、母親だけが使い分けられる愛情と苛立ちの絶妙な混合が込められていた。「いい人がいるのよ。お食事の用意をしておいたから」

 私は目を閉じ、朝の情事の余韻をお湯で洗い流した。「お母さん、前にも何百万回も言ったけど――」

「いいから、会いなさい」

「……わかったわよ。詳細送って」

 言い返す間もなく電話は切れた。智也の腕が背後から私の腰に回り、彼の顎が私の肩に乗る。

「またお見合い?」彼が長年かけて完璧に習得した、あの中立的で慎重な声色だ。

「孫の顔が見たくて仕方ない母親のこと、知ってるでしょ」私は彼の腕の中で振り返り、その顔を覗き込んだ。法科大学院時代から私を惑わせ続けてきたその琥珀色の瞳は、何も読み取らせてくれない。

 智也は柔らかく、けれど虚ろに笑った。「ああ、知ってるよ」

 私たちは心地よい沈黙の中でシャワーを浴び終えた。三年間の朝を共有してきたからこそ生まれる沈黙だ。智也は私にバスタオルを手渡してくれた――ゴワゴワの予備じゃなく、いつもの肌触りのいいやつを。そして私は、鏡越しに彼が髭を剃る様子を眺めた。

 これが私たちのルーティン。恋人未満の同棲ごっこ、まるで完璧に振り付けられたダンスのような日常。

「お前の好きな玉子焼き作っといたから」カミソリを洗い流しながら彼が言った。「あと、木曜の残りの味噌汁もあるし」

 智也はコーヒーテーブルから鍵を拾い上げた。「今夜は遅くなると思う」スマホを確認しながら言う。「空港まで人を迎えに行かなきゃならないんだ」

 胃がすとんと落ちるような感覚。「白石さん、今日帰ってくるの?」

 彼の顔に浮かんだ表情が全てを物語っていた。「ああ。S市の事務所からこっちに転勤になったんだ」

 白石絵美。

 智也の法科大学院時代の恋人。完璧なブロンドヘアに、完璧な青い瞳、そして私が持ち合わせていない完璧な全てを持った女。彼女は二年間、S市の敏腕事務所でキャリアを積むために離れていた。その間、智也はずっと……どうしてたっていうの? 待ってたの?

「いつから帰ってくる予定だったの?」私は二度も整理した書類をさらに揃えるふりをして、何でもない風を装って尋ねた。

「数ヶ月前からかな」彼はドアのそばで足を止めた。「香奈、俺たちの関係は何も変わらないってわかってるよな?」

 そうね。だって、変わるような関係なんて最初からないんだから。

「もちろんよ」私は精一杯明るい笑顔を作ってみせた。「変わるわけないじゃない」

 彼が出て行ったあと、私はリビングの真ん中に立ち尽くした。私たちの奇妙な関係の証拠品に囲まれて。サイドテーブルには彼のマグカップ。私の隣にきれいに積まれた彼の法律雑誌。壁のコンセントに挿しっぱなしの予備の充電器。

 一緒に住んで、定期的に寝て、彼は料理を作ってくれて、私のコーヒーの好みも覚えてくれている。でも、私は彼の彼女じゃない。

 私は一度だって、彼の彼女だったことはないのだ。

――記憶がいつものように、唐突に、鋭く蘇る。七年前のあの夜、期末試験を乗り切った法学部の学生たちがこぞって祝いに集まる安酒場、バー『夜桜』へと私を引き戻していく。

 当時二十二歳だった私は、智也が向けてくる関心の高まりを、友情以上の何かだと勘違いするほど愚かだった。三年間、私たちは勉強仲間だった。授業の合間にコーヒーを飲み、憲法について午前三時まで議論し合う仲間だった。けれど、卒業が迫り、誰もが将来の計画を語り合っていたあの夜、私はもしかしたら……と思ったのだ。

 店内は満員で、ダークウッドの内装と生ビールの匂い、そして人生の一章を終える若者たち特有の必死なエネルギーに満ちていた。私はお気に入りの黒いワンピースを着ていた――自分を強く見せてくれるあの一着だ。メイクにも一時間かけた。

 智也はいつもより酒が進んでいた。彼がカラオケのマイクを握った瞬間、私の心臓は肋骨を激しく叩き始めた。

「本当に特別な人に、言いたいことがあるんだ」

 彼の呂律は少し怪しかったが、その声は真剣そのものだった。店中の喧騒が止み、すべての視線が彼に注がれる。「この狂ったような日々の中で、ずっと俺の親友でいてくれた人。俺と同じように正義を信じていて、俺にもっとまともな人間になりたいと思わせてくれる人へ」

 頬が熱くなった。これだ。ついに、その時が来たんだ。

「俺は、お前のことが心底好きなんだ」智也が続け、私の心臓は本当に止まったかと思った。「白石絵美、俺と付き合ってくれないか?」

 歓声を切り裂くように、ガラスの割れる音が響いた――私の手から滑り落ちたビール瓶が床を打った音だ。白石絵美、あの忌々しいほど完璧な白石絵美は、ビリヤード台のそばで、驚きに口を丸く開けたまま凍り付いていた。

 智也が話を終える前に、絵美が返事をする前に、そして屈辱の涙が頬を伝うのを誰かに見られる前に、私は店のドアを飛び出していた。

 二十分後、ビルの裏手の階段で捨て犬のように座り込んでいた私を、智也が見つけた。

「香奈、頼むよ、あちこち探し回ったんだぞ」

「おめでとう」私は彼の顔を見ずに、なんとか言葉を絞り出した。「白石さんはお似合いよ」

 彼は私の隣に腰を下ろした。ビールと混ざり合った彼のコロンの香りがする距離だ。「お前が俺の親友だってことはわかってるよな? それだけは絶対に変わらない」

 親友。あの忌々しい「友達ゾーン」だ。同情という添え物付きで突きつけられた。

「もちろん」私は無理やり笑顔を作った。「ずっと親友、でしょ?」

 私はその記憶を振り払い、改めて自分のアパートを見回した。絵美が帰ってきた。ということは智也は……どうするつもり? 私を捨てる? 私を乗り換える? 学生時代の恋人と、ついに「幸せに暮らしましたとさ」ってなるわけ?

「ふざけんじゃないわよ」

 誰もいない部屋に向かって吐き捨てた。

 もし絵美が智也とヨリを戻したいなら、勝手にすればいい。でも、惨めな引き立て役みたいに、二人の再会を指をくわえて見ているつもりはない。

 私にだって選択肢はある。いつだって、手札はあるんだから。

 三十分後、私は都心部から下町の芸術エリアへと車を走らせていた。古い工場を改装した良太のアトリエの前に車を停め、少しの間、心を落ち着かせる。

 私は鍵を使った――良太が私にだけ渡してくれた、その鍵を。彼はいつもその事実を私に思い出させるのだ――そして、三階へと続く狭い階段を上った。ドアにたどり着く前から、シャワーの音と調子外れの歌声が聞こえてきた。

 良太のアトリエは、売れないミュージシャンの典型のような部屋だった。床に敷かれた布団、壁という壁に掛けられたギター、そしてあらゆる平面に小さな軍隊のように並ぶビールの空き瓶。部屋はタバコと革、そして私の脈拍をいつも速める、言葉にできない「男」の匂いがした。

 バスルームのドアが少し開いていて、そこから蒸気がメインルームに漏れ出している。隙間から、すりガラス越しに動く良太のシルエットが見えた。

 彼は長渕剛の曲を歌っていた。昨夜の酒焼けしたような、荒っぽくて低い声。タイルを叩く水音が一定のリズムを刻んでいる。

 私はバッグを放り出し、ソファ――おそらく二十年前には高級品だったであろう革製の巨大な物体――に身を沈めて彼を待った。

 五分後、良太が腰にタオルを巻いただけの姿でバスルームから出てきた。濡れた黒髪から滴る水が、タトゥーの入った肩へと落ちていく。彼は私を見ると足を止め、ゆっくりとニヤリと笑った。

「あれ?ここの鍵を持ってるのは、俺一人のはずなんだけどな、香奈ちゃん」

 その緑色の瞳――そもそも私をこんなトラブルに巻き込んだ、あの破壊的な瞳――が私を捉えて離さない。

「……ってことは……」

 彼はステージ上で見せるあの人を惹きつける、野獣のような優雅さで私に近づいてきた。水滴が胸を伝い、胴体の大部分を覆う複雑な黒とグレーのタトゥーの上を滑り落ちる。

「君が俺を求めてるってことだ」

 私が答える間もなく、彼はソファの背後に回り込み、私の肩に手を置き、耳元に口を寄せた。

「ちょうど綺麗に洗ったところだ」首筋にかかる吐息が熱い。「ピカピカだぜ、君のために磨き上げたんだ。完璧なタイミングだな、香奈ちゃん」

最新チャプター

おすすめ 😍

捨てられたルナの復讐

捨てられたルナの復讐

11k 閲覧数 · 完結 · Sherry
「ご親切なことで」

「ベラ」イーサンの声音が変わった。わたしが嫌というほど知っている、あの警告めいた刃が混じる。「いまのフェイは不安定なんだ。おまえが彼女を恨むんじゃないか、これで群れが割れるんじゃないかって、怯えてる。彼女がいちばん望んでないのは、この子が俺たちの間に入り込むことだ」

「だったら、そんなことしなければよかった」わたしは真正面から彼の目を捉え、こちらの瞳に張りついた氷を見せつけた。「息子のところへ戻って」

「いい加減にしろよ」彼は苛立ちまぎれに髪をかきむしった。「何度言えば――人工授精だ。俺の精子を使ったのはそうだが、フェイと俺は――」

ベラは冷えきった鼻笑いを漏らした。なんて厚かましい嘘。彼女の伴侶は、兄の番と関係を持ち、家族ぐるみで彼女を何も持たせず追い出した。愛人が「正しい」座に収まるために、道を空けるように。哀れな愚か者――彼は、彼女がただの厄介な養女で、簡単に切り捨てて支配できると思い込んでいた。自分が探し求めていた天才的な技術者が、まさか自分のルナだったとは、ついぞ知らずに。

彼が自らを汚した時点で、ベラの中ですべては終わった。彼女は彼を拒み、奪われたものを取り戻した。何年も密かに彼女を愛してきたヴィクターの助けを得て、頂点へと駆け上がっていく。

イーサンが彼女を取り戻そうとしたとき、こう言った。「俺たちの子どもを、父親なしで育てたいのか」

ベラは嘲るように微笑んだ。「その子の父親は、あなたじゃないわ」
偽りの仮面

偽りの仮面

12.2k 閲覧数 · 連載中 · 彩月遥
夫が私に抱くのは、愛の伴わない性的な欲望だけ。
彼は、私との間に子供を授かることさえ望んではいない。

そればかりか、外では他の女性と戯れ、私の心を深く傷つける。

逃げ出したい。強く、自立した女性になりたい。
そう願う私を、しかし、彼が手放すつもりは毛頭ないようだった……。
夫と息子に捨てられた私は、幸福という名の檻を抜け出すことにした

夫と息子に捨てられた私は、幸福という名の檻を抜け出すことにした

49.2k 閲覧数 · 連載中 · 白石 茉鈴​
嫁ぐ前は、夢見ていた。幸せな家庭を築けると信じていた。
しかし現実の結婚生活は、私を泥のような惨めな境遇へと引きずり落とした。
夫と息子にとって、私は愛人の飼い犬にさえ劣る存在でしかなかったのだ。
離婚届に淡々と署名する二人の姿を前に、私の心は不思議と静まり返った。
「そう、それでいいわ」
最後に乾いた笑みを浮かべ、私は決別を告げる。
今日で、私たちは正真正銘の赤の他人。
社長秘書のヒミツ恋情

社長秘書のヒミツ恋情

17.4k 閲覧数 · 連載中 · 元知り
一夜の過ちから、彼女は社長の秘密の恋人になった。
借金を返すため、彼と交わしたのは一通の契約書。
「体だけの関係。恋愛感情は一切なし」——そう決めたはずだったが…
溺愛令嬢の正体は、まさかの霊能界トップ!?

溺愛令嬢の正体は、まさかの霊能界トップ!?

376.6k 閲覧数 · 連載中 · 朝霧祈
原口家に取り違えられた本物のお嬢様・原田麻友は、ようやく本家の原田家に戻された。
──が、彼女は社交界に背を向け、「配信者」として自由気ままに活動を始める。
江城市の上流社会はこぞって彼女の失敗を待ち構えていた。
だが、待てど暮らせど笑い話は聞こえてこない。
代わりに、次々と大物たちが彼女の配信に押しかけてくるのだった。
「マスター、俺の命を救ってくれ!」──某財閥の若社長
「マスター、厄介な女運を断ち切って!」──人気俳優
「マスター、研究所の風水を見てほしい!」──天才科学者
そして、ひときわ怪しい声が囁く。
「……まゆ、俺の嫁だろ? ギュってさせろ。」
視聴者たち:「なんであの人だけ扱いが違うの!?」
原田麻友:「……私も知りたいわ。」
妊娠を隠して離婚します

妊娠を隠して離婚します

38.3k 閲覧数 · 連載中 · ユイ
「絢香、俺から逃げられるとでも思うな!」
九条雅人は彼女の顎を荒々しく掴み、低く唸った。

絢香の頬は屈辱と興奮で真紅に染まったが、その声にはまだ意地が残っていた。「あなたこそ、私に執着しているだけじゃないの?」

雅人は冷酷に鼻で笑った。
「離婚してからどれほど経った? それでもう俺の『ルール』を忘れたか。お前の身体は、今でも俺をこんなによく覚えているくせに。……ほら、咥えろ」

熱を帯び、恐ろしいほどに猛り狂った彼の太いものが、絢香の顔を容赦なく叩いた。

雅人は冷たく笑う。
「俺から離れられるなんて夢にも思うな、絢香。お前は俺だけのものだ」

——

3年間の契約結婚の間、霧島絢香は「雅人が冷徹な人間だから、その心を溶かすことができないのだ」と思い込んでいた。
しかし、彼が桜井陽菜の妊婦健診に付き添い、彼女が少しでも不快な思いをしないよう、見たこともないほどの優しさと甘やかし方で接している姿を目撃したとき、絢香はついに悟った。彼は人を愛せないのではない。ただ、自分を愛していなかっただけなのだと。

絢香は静かに離婚届にサインし、自身の「妊娠診断書」を胸に抱いて彼の元を去った。

だが、絢香が完全に姿を消した瞬間、雅人は狂わんばかりになり、街中を血眼になって彼女を捜し回った。

ついに再会を果たしたとき、雅人の瞳は血走り、その声は掠れていた。
「絢香、俺が悪かった……頼む、俺の元に戻ってきてくれ」
知る前の夜

知る前の夜

9.1k 閲覧数 · 連載中 · bjin09036
ホテルの一室で、見知らぬ男に私をめちゃくちゃにさせた。

二日後、インターン先に足を踏み入れると、彼が社長のデスクの向こうに座っていた。

あの夜、私を喘がせた男にコーヒーを運ぶ日々。なのに彼は、まるで一線を越えたのが私のほうだと言わんばかりの顔をする。

***

始まりは賭けだった。終わりは、彼女が決して望んではならないただ一人の男だった。

ジューン・アレクサンダーは、見ず知らずの男と寝るつもりなどなかった。だが、夢にまで見たインターンを勝ち取り、その夜を祝っていた彼女は、勢い任せの無茶な賭けに背中を押され、謎めいた男の腕の中へと導かれる。熱を帯びた気配を纏い、寡黙で、そして忘れられない男。

もう二度と会うことはない――そう思っていた。
ところが初出勤の日、オフィスに入った瞬間――
彼が新しい上司だと知る。
最高経営責任者、その人だったのだ。

たった一夜、無謀に身体を重ねた男の下で働かなければならない。ヘルメス・グランデは権力者で、冷たく、そして絶対に手を出してはいけない存在。けれど二人の間に張りつめた緊張は、どうしても消えてくれない。

距離が縮まるほど、彼女の心と、二人の秘密を守り抜くことは難しくなっていく。
長年の結婚生活を終わらせたら、夫と息子が泣きついてきた

長年の結婚生活を終わらせたら、夫と息子が泣きついてきた

13.7k 閲覧数 · 連載中 · 白石 茉鈴​
長年の婚姻生活の中で、夫と息子の目に映る私は、ただの「最大の恥」でしかなかった。

あの女のために、何度も私を置き去りにした二人。そして今回の件で、私はようやく完全に目が覚めた。

彼らは、私の愛を受け取るに値しない。

だから私は、正式に離婚協議書を差し出した。
すると、あろうことかこの二人は、声を揃えてこう言ったのだ。
――本当に深く愛していたのは、私の方だった、と。

ふん、今さら一体、何の真似のつもりかしら。
天才デザイナーの私と三つ子を、大富豪は取り戻したい

天才デザイナーの私と三つ子を、大富豪は取り戻したい

64.4k 閲覧数 · 連載中 · 月岛澪
実の父親と継妹にハメられ、私は瀧本知暁と一夜の過ちを強制された。
屈辱に塗れ、身一つで夜逃げするように国を去った私は、その後に彼の「三つ子」を身ごもっていることに気づく。

――6年後。
私は世界に名を馳せる天才デザイナーとなり、奪われたすべてを取り戻すために帰国した。
しかし、悪辣な嘘に目を曇らされた知暁は、私を激しく憎み、「仇敵」として冷酷に立ちはだかる。

やがてすべての真実が白日の下に晒された時、彼は己の過ちに絶望し、プライドを捨てて泣きながら私に許しを乞うた。
だが、傷つけられた私の心はもう戻らない。私は彼の懇願を、冷徹に突き放した。

――もう遅いわ。あなたを一生、許すつもりはない。

そう誓ったはずの私だったが、予想だにしない誤算があった。
私たちが産んだ愛らしい三つ子たちが、今さら戻りたいと泣く父親の、まさかの最強の味方として動き出したのだから。
私が囲っている億万長者

私が囲っている億万長者

20.7k 閲覧数 · 連載中 · ほしの ちなつ
私はただ、心の痛みを紛らわせたかっただけ。

彼は息を呑むほど美しく、落ちぶれていた。夫の裏切りがもたらした傷が完全に癒えるまで、彼をそばに置いておくつもりだった。

お金で彼の付き添いを買い、すべてのルールを私が決め、すべてを完全に掌握しているつもりだった。

けれど、私の隣で横たわるこの男の正体は、彼が語ったものとはまるで違っていた。

魅惑的な笑顔と抗いがたい容姿の下に隠されていたのは、仇敵から身を隠す億万長者の素顔だった。

今や彼は、私の生活に、私のベッドに、そして私の心に――完全に絡みついている。

身を引くことは、彼のそばにいることよりも、もっと危険かもしれない。
私が去った日

私が去った日

13.7k 閲覧数 · 連載中 · バラへの愛
七年間、私は完璧な妻を演じ続けてきた。

けれど最後に彼が選んだのは、私ではなく、彼の初恋の女性だった。

夫は、私の心を深く傷つけただけではない。あの女が私の大切なジュエリーデザインを盗むことを許し、さらには実の息子までも操って、私を「怪物」だと思わせた。

嘘で塗り固められた結婚生活の中で、私は少しずつ自分を失っていった。

息が詰まるような日々。愛されていると思い込んでいた時間。すべてが偽りだった。

けれど、彼らはひとつだけ間違えた。

私を、もう戻れないところまで追い詰めたこと。

私が去ると決めたあの日。

私は、最低な夫も、母親への感謝を忘れた息子も、そして彼らによって壊された過去の自分も、すべて置き去りにした。

親友の支え。そして、私の本当の価値を見抜き、才能を認めてくれたある若き実業家との出会い。

その温かな手によって、私はもう一度、自分自身を取り戻した。

失った誇りを取り戻し、眠っていた才能を開花させ、世界へ羽ばたくデザイナーとして新たな人生を歩み始めた。

今、私の作品は世界の舞台で輝いている。

一方で、かつて私を捨てた男は、跪いて許しを乞う。

「戻ってきてくれ」と。

けれど、もう遅い。

私が去ったあの日こそが、私が本当の自分を取り戻した日。

もう二度と、過去には戻らない。
元恋人の叔父に拾われた夜、私は彼という名の「毒」に溺れる

元恋人の叔父に拾われた夜、私は彼という名の「毒」に溺れる

11.5k 閲覧数 · 連載中 · 南宮
元恋人に裏切られ、冷たい玄関先で殺意を向けられたあの日。
私を見捨てた男ではなく、彼が一番恐れていた「危険な叔父」が、暗闇から現れた。
その腕の中だけが、この二年で初めて私を孤独から救い出した。
「次、誰かが君を傷つけたら、こうするんだ」 渡された銃の重みが、私の心に深く刻まれる。
私は逃げ出したかったはずなのに、いま、彼の甘い視線から離れられずにいる。 救いなどいらない。
ただ、この危険な男の「所有物」になりたい。