愛してないと言ったのに、結婚したら溺愛が止まらない

愛してないと言ったのに、結婚したら溺愛が止まらない

月岛澪 · 連載中 · 365.6k 文字

1.1k
トレンド
9.2k
閲覧数
195
追加済み
本棚に追加
読み始める
共有:facebooktwitterpinterestwhatsappreddit

紹介

私の名前は宝生知優。婚約披露宴の日、私は自分の目で見てしまった——婚約者と義妹が、体を重ねている姿を。

心が完全に死んだ私は、身を翻して鈴崎潤に嫁いだ。噂では、この名門の御曹司は不治の病を患い、余命いくばくもないという。

誰もが私を嘲笑った。「未亡人になりたくて焦っているのだ」と。けれど誰も知らない——私が彼の耳元に顔を寄せ、温かい吐息に少しの悪戯を滲ませて囁いたことを。

「どうせ長くないんでしょう?……なら、私とゲームしない?」

わざと彼を焚きつけ、誘惑し、いつも冷淡なその表情が少しずつ崩れていくのを眺めた。耳の先がほんのり赤く染まるのを。

——ある日、彼は私を壁に押しつけた。その瞳の奥に、抑えきれない渇望が渦巻いていた。

「知優……もう一度、俺を焚きつけてくれないか」

チャプター 1

「知優、愛してる! 君は俺の人生でいちばん大切な人だ。命を懸けて守る。だから――俺と結婚してくれ。ずっと一緒にいてほしい!」

見渡すかぎり、薔薇、薔薇、薔薇。

その真ん中で、宝生知優は氷みたいな顔で立ち尽くしていた。

スーツ姿で跪き、熱のこもった言葉を投げつけてくる林原裕樹を、ただ見下ろす。

四年も愛した顔だ。眉も目も、何ひとつ変わっていない。

なのに――いまの彼からは、じわりじわりと吐き気を催す匂いが滲み出てくる気がした。

半時間前。

控室へ向かった知優が偶然目撃したのは、林原裕樹と義妹の宝生ミクルが、躊躇いもなく身体を重ねている光景だった。

二人は「もう我慢できない」とでも言うように貪るような口づけを交わし、林原裕樹は囁いた。

たとえ知優と結婚しても、宝生ミクルのことは絶対に疎かにしない、と。

一枚一枚の映像が、ひとつひとつの言葉が、目と心臓を殴りつける。

裏切りの痛みが神経を攫い、足元が崩れそうになるのを、奥歯を噛みしめて堪えた。口の中に鉄の味が広がる。血が滲んだのだろう。

それでも、無理やり飲み込んだ。

完璧な恋人。彼女を深く愛しているはずの林原裕樹。

――最初から、腐りきっていた。

もしあの場面に出くわしていなければ、今ごろ彼の花束を受け取り、力いっぱい頷いて「喜んで」と答えていたはずだ。

けれど現実にあるのは、林原裕樹の演技に感嘆するしかないという虚しさだけ。何年も、騙されていた。

宝生知優は動かない。言葉もない。

返事のない誓いに、林原裕樹は顔を引きつらせ、花束を受け取れと目で催促してきた。

観客席には大勢の招待客。今日は二人の婚約披露宴なのだ。

宝生知優は、その合図を読めないふりをした。

――その瞬間。

背後の巨大スクリーンがちらつき、切り替わった画像に、会場中が息を呑む。

誰かが口元を押さえ、かすれた声を漏らした。

「うそ……!」

スクリーンに映し出されたのは、露骨すぎるベッド写真だった。

数百枚が一斉に流れていく。部屋の背景もばらばらだ。――どれだけ寝たのか、推して知るべし。

しかも男の顔は、はっきり映っている。

林原裕樹。

女の顔だけが巧妙に外されている。けれど知優にはわかる。相手は宝生ミクルだ。

空気が、一瞬で不気味なほど静まった。

呆然としたのも束の間、宝生知優は青ざめた林原裕樹から視線を外し、客席でわずかに得意げな目をしている宝生ミクルを見る。

――そういうことか。

宝生ミクルが、既成事実で「婚約」を押し通そうとしている。

林原裕樹はざわめきの中で我に返り、慌ててスクリーンの電源を落とした。

額には冷や汗。視線は宝生知優に縋りつく。

「知優、聞いてくれ! 違うんだ、今のは……お前が見たのとは……!」

ついさっきまで、誰もが二人の愛を羨み、似合いだと囁いていた。

それが今や、見えない平手打ちが容赦なく林原裕樹の頬を打ち、先ほどの誓いさえ最大級の笑い話に変える。

世界は、瞬きをするほどの時間でひっくり返る。

宝生知優は林原裕樹に余計な視線すら与えず、周囲の異様な目を受け止めながら壇上へ上がった。

マイクを手に取る。澄んだ声がスピーカーから会場へ広がる。

「皆さま、見苦しいものをお見せしてしまい申し訳ありません。……本日の婚約は、取り消します」

誰も気づかない。

彼女のマイクを握る手が、かすかに震えていたことに。

心が痛くないはずがない。

四年も愛した相手だ。幸福まであと一歩というところで、彼は彼女を底なしの奈落へ突き落とした。

林原裕樹の瞳孔が縮む。怯えは一瞬で怒りに塗り替わった。

「宝生知優! この婚約は、二つの家の結びつきだ! お前が勝手に破棄して、宝生家がその後始末をできると思ってるのか?」

宝生知優は静かに、怒りで歪む顔を見返した。

「言い忘れてたけど――鈴崎家の縁談、受けたの」

あの不快な場面を目撃した直後。

彼女は自分にたった一分だけ、呼吸を整える時間を与え、三分で状況を分析した。

快刀乱麻。それが宝生知優の流儀だ。

人を見誤り、想いを誤って注いだなら、最短で手を引く。

どれだけ苦しくても、悲しくても、表には出さない。

それが宝生知優だ。

林原裕樹は信じられないという目をして、声を荒げる。

「金のために、あの目の見えないブサイクと結婚するってのか? 俺たちの四年は何だった! 遊びか? それともお前は自分を、金で取引される品物だと思ってるのか。より高く買うやつに売るって言いたいのか!」

宝生知優の瞳に、冷たい怒りが宿る。

「控室で見たこと――この場で説明してほしい?」

林原裕樹が悪いのに、よくも四年を持ち出せる。

「私が鈴崎潤と結婚しなかったら、あなたと結婚しろってこと? ……浮気男と一緒になれって?」

語尾をわずかに持ち上げ、嘲りを隠さない。

林原裕樹は歯を噛みしめ、花束を床へ叩きつけた。

「触らせもしない女を、四年も待てる男がどこにいる! お前がもっと言うこと聞いて、わきまえてれば、俺だって外で女なんか作らなかった!」

「お前が俺を追い詰めたんだ!」

宝生知優は心底嫌悪した顔で言い返す。

「私が浮気を強制した? 私が他の女と寝て写真を撮れって命令して、それが今日ここで流れるようにした?」

理性で感情を抑え、損得を測っているだけで――彼女がこの恋に真心を注がなかったわけではない。

それなのに林原裕樹は、汚い行いをしたうえ、さらに汚物を口に突っ込んでくる。

見る目がなかった。今さら痛いほど思い知らされる。

林原裕樹は言い返せず、首を突っぱねたまま吐き捨てる。

「今日が婚約披露宴だってわかってるなら、たとえ式を中止しても、お前はもう中古だろ。鈴崎家がそんな女を欲しがるわけがない!」

宝生ミクルが追い打ちをかけるように嘲る。

「お姉ちゃん。鈴崎家は後継ぎがどうとか言われてても百年の名家だよ? 嫁げると思ってるなら、寝ぼけて夢でも見てるんじゃない?」

継母の渡島仁美も、ゆっくりと口を挟んだ。

「知優。あなたが負けず嫌いなのは昔から知っているけれど、ひとつ忠告よ。高く立てば、落ちたときは痛い。鈴崎家は、あなたが手を伸ばして届くところじゃないわ」

三人の嫌味と嘲笑を聞きながら、宝生知優は馬鹿を見る目で彼らを眺めた。

このK市で鈴崎潤を知らない者などいない。

金字塔の頂点に立つ天の寵児。少し指を動かすだけで、街全体が震えるような男だ。

だが天は才を妬んだのか、若くして不治の病と診断され、視力まで失ったと噂されている。

鈴崎の母は彼女が妊娠しやすい体質だと知り、知優が林原裕樹と付き合っていた頃から、嫁に欲しいと打診してきた。知優は断ったが。

宝生知優は口元だけを吊り上げ、ゆっくり言った。

「私のことは心配しなくていい。今日の出来事、すぐ話題になるでしょうね。……あなたたち、これから一気に有名人。ネットで燃える覚悟、できてる?」

林原裕樹が反論しようとした、そのとき――

会場の入口が開き、ひとりの男が入ってきた。

招待客がざわめき、誰かが声を上げる。

「鈴崎家の執事じゃないか……? なんでここに?」

最新チャプター

おすすめ 😍

お払い箱の杖は、夜に咲く

お払い箱の杖は、夜に咲く

5.5k 閲覧数 · 連載中 · 森川澪
「目が見えるようになった途端、手すりの杖を捨てるのね」

事故で盲目かつ失聴した夫を5年間、溢れる愛で献身的に支え続けた主人公。しかし、五感が戻った夫が最初に抱きしめたのは、かつて彼が愛した初恋の女だった。

家族からも夫からも裏切られた彼女は、未练を一切捨てて離婚を決意。

離婚の理由に「夫の夜の体力不足」という最大の屈辱を書き残し、結婚指輪を捨ててあっさりと家を出る。

夫の好みに合わせてこれまで隠していた「息をのむほど明艶な美貌」を解放し、夜の街へと繰り出した彼女は、一瞬で全場の視線を独占する。

バーのVIP席からその圧倒的な美女を凝視し、なぜか目が離せなくなっている元夫は、まだ気づいていない。それが、自分が「地味で退屈な女」だと見下していた元妻の真の姿だということに……
転生して絶縁したら、元家族は破滅に

転生して絶縁したら、元家族は破滅に

32.4k 閲覧数 · 連載中 · ワニノコ
名門古川家の生まれの娘・古川朱那は、前世、父・古川邦夫と三人の兄(礼和、礼希、礼人)が養妹・周防天華を無条件に贔屓し、天華の陰険な陥れに遭い、理不尽に死んだ。
22 歳、天華に陥れられた日に生まれ変わった朱那は、過去の卑屈さを捨て、天華の悪事を暴き、偏心な家族に毅然と立ち向かう。芸能界で演技の才能を開花させ、自らの人生を切り開くため、全力で逆襲する。
トップ暗殺者、学園に転生する

トップ暗殺者、学園に転生する

6.6k 閲覧数 · 連載中 · ミサキ
太平洋の孤島に響き渡る爆発音の中、私は敵と刺し違えることで、すべてに終止符を打った。
そして、目が覚めた。

16歳。肥満体型。顔中に広がったニキビ。冷え切った体育倉庫の片隅で、私は丸まっていた。
周囲から16年間ずっと忌み嫌われてきたこの肉体の中で、私はわずか3秒で状況を理解した――。

「死体への憑依、つまり――転生だ」

元の肉体の持ち主は、誰もが容赦なく踏みにじる、お人好しの「いじめられっ子」だった。
継母は慢性的な毒物で彼女の身体を破壊し、実の妹は彼女を裏切って罠に嵌め、クラスメイトは彼女を暗闇に閉じ込めて冷水を浴びせ、教師さえも一緒になって彼女を踏みつけにする。

だが、あいにく。
今この身体の中にいるのは、暗殺組織のトップだ。
地獄の底から這い上がってきた、一人の女だ。

私はまず、元の持ち主が昨夜味わった屈辱のツケをきっちりと払わせ、皮膚に残る毒素を洗い流した。
物理のテストでは満点をもぎ取り、超一流の弁護士を1分1秒の狂いもなく現場へ急行させて私の弁護に当たらせ、果ては市長自らに我が家の門を叩かせ、私の後ろ盾にならせた。

今世において、私に借りのある全ての奴らから、一筆一筆、その代償を血で購わせてやる。
舐めるつもり?なら、思い知らせてあげる

舐めるつもり?なら、思い知らせてあげる

49.8k 閲覧数 · 連載中 · 桜井 ゆい​
18年間、自分が実の娘でないとは知らずに生きてきた。ある日、荷物をすべて玄関の外に放り出され、街角に立ち尽くす私の前に現れたのは、噂では極貧だという「生家」から迎えに来た、見たこともない「兄」。

ところが、その兄が乗ってきたのはトラクターだった。

ガタガタと揺れるトラクターがたどり着いた先は、まるで古城のような大邸宅。そこで私は思い知る。本当の家族のもとに引き取られた私は、貧しくなるどころか、前よりずっと裕福になっていたのだ。

……だが、ちょっと待ってほしい。なぜ私には突然、婚約者というものが存在するのか。しかもその相手は、私の大学の教授だという。誰か、説明してくれないだろうか。
全能令嬢の帰還、家族が倒産?

全能令嬢の帰還、家族が倒産?

35.5k 閲覧数 · 連載中 · きりゅう りんか
万能の女神・夏川紅蓮が実家に戻ると、一家は何者かの手で破滅に追いやられた後だった。
父は冤罪で獄中にあり、母は病に伏せっている。
六人の兄たちも、ある者は身体に障がいを負い、ある者は無気力に沈んでいた。
そんな折、家に潜り込んでいた偽令嬢は状況を見るや否や一家を見捨てて姿を消し、さらに屋敷までも奪い取ろうとしていた。
世間は夏川家を「落ち目の負け犬」と嘲笑い、皆がこぞって踏みにじる。

紅蓮が静かに一声を発すれば、暗部より無数の異能の士たちが姿を現し、形勢は一瞬にして逆転する。
父は無実のまま出所し、母は健康を取り戻し、廃人同然だった長兄は再び己の足で歩き出し、残る五人の兄たちもまた紅蓮の導きによって各々の才覚を花開かせ、やがて各界を牽引する大物へと成り上がっていく。

しかし、そんな彼女を指さして嘲る者がいる。
「夏川紅蓮は地味で野暮ったい田舎者だ」と。

何を隠そう、彼女は無数の隠された顔を持つ存在。
神医の令嬢も彼女なら、国画の大家も彼女。
伝説のハッカーも彼女なら、正体不明の謎の女優も彼女。
そして、暗部を統べる首領さえも——彼女なのだ。

そんな折、頂点に君臨する名門の若様が、彼女をそっと腕のなかに抱き寄せた。

「誰が彼女を田舎くさい地味女だと言った? 彼女こそ、俺・諏訪淳行の婚約者だ」

紅蓮が流し目をひとつ送る。

「婚約、破棄しなくていいの?」

「しない」

彼が長いあいだ追い求めてきた決して手の届かない高嶺の花こそが、いま腕のなかにいる婚約者なのだ。
解消などありえない——この婚約は、死んでも解消しない。
追放された偽物の娘、その正体は最強でした

追放された偽物の娘、その正体は最強でした

800.3k 閲覧数 · 連載中 · ゲゲゲ
「本物の娘が見つかった。お前はもう用済みだ」
あの子が現れたその日、私は『偽物の娘』として家を追い出された。
渡されたのは、わずかな小銭と地方行きの片道切符だけ。
さらに婚約者は私をゴミのように捨て、その日のうちに『本物』であるあの子にプロポーズした。

……上等じゃない。せいぜい勝った気でいればいいわ。
だって彼らは、私の【本当の顔】を何一つ知らないのだから。

名門病院が見放した命を救う『天才外科医』。
オークションで数億円の値を叩き出す『伝説の画家』。
裏社会の闘技場で無敗を誇る『影の女王』。
そして――彼らの全財産すら小銭に思えるほどの『真の巨大財閥の後継者』であることを。

今さら元婚約者が土下座で許しを請おうと、本物の娘が嫉妬で狂いそうになろうと、もう遅い。
かつて私に婚約破棄の書類を叩きつけた冷酷で傲慢なCEOでさえ、今や何かに取り憑かれたように私を追い回し、「もう一度だけチャンスをくれ」とすがりついてくる始末。

私を捨てて、自分たちの人生を『アップグレード』したつもり?
笑わせないで。最初から、圧倒的に上の存在だったのは私のほうよ。
転生して、家族全員に跪いて懺悔させる

転生して、家族全員に跪いて懺悔させる

337.9k 閲覧数 · 連載中 · 青凪
婚約者が浮気していたなんて、しかもその相手が私の実の妹だったなんて!
婚約者にも妹にも裏切られた私。
さらに悲惨なことに、二人は私の手足を切り落とし、舌を抜き、目の前で体を重ね、そして私を残酷に殺したのです!
骨の髄まで憎い...
しかし幸いなことに、運命の糸が絡み合い、私は蘇ったのです!
二度目の人生、今度は自分のために生き、芸能界の女王になってみせる!
復讐を果たす!
かつて私をいじめ、傷つけた者たちには、十倍の報いを受けさせてやる...
家族の縁を切った日、兄たちはすべてを失った

家族の縁を切った日、兄たちはすべてを失った

659.6k 閲覧数 · 連載中 · 風見リン
前の人生で両親が交通事故で亡くなった後、長兄は世間体を気にして、事故を起こした運転手の娘を家に引き取った。
公平を期すという名目のもと、兄たちは彼女からリソースを根こそぎ奪い、その尊厳を踏みにじってまで、運転手の娘を支えた。
彼女は兄たちのためにすべてを捧げたというのに、家を追い出され、無残に死んだ。

生まれ変わった今、彼女は人助けの精神などかなぐり捨てた。許さない、和解しない。あなたたちはあなたたちで固まっていればいい。私は一人、輝くだけ。

兄たちは皆、彼女がただ意地を張っているだけだと思っていた。三日もすれば泣きついて戻ってくるだろうと高を括っていたのだ。
だが三日経ち、また三日経っても彼女は戻らない。兄たちは次第に焦り始めた。

長兄:「なぜ最近、こんなに体調が悪いんだ?」――彼女がもう滋養強壮剤を届けてくれないからだ。
次兄:「会社のファイアウォールは、なぜこうも問題ばかり起こす?」――彼女がメンテナンスに来なくなったからだ。
三兄:「新薬の開発が遅々として進まないのはなぜだ?」――彼女が治験をしなくなったからだ。
四兄:「どうしてこんなにつまらない脚本しか上がってこない?」――彼女がもう執筆しないからだ。
五兄:「この義肢は、なぜこんなに出来が悪いんだ?」――彼女が製作をやめたからだ。
六兄:「なぜチームが負けた?」――彼女が脱退したからだ。

兄たちは地に膝をついて許しを請うた。「戻ってきてくれ。俺たちこそが、血を分けた本当の家族じゃないか」

彼女は絶縁状を兄たちの顔に叩きつけ、冷ややかに笑った。
「車が壁にぶつかってから、ようやくハンドルを切ることを覚えたのね。株が上がってから、ようやく買うことを覚え、罪を犯して判決が下ってから、ようやく悔い改めることを覚えた。残念だけど、私は――許さない!」
すべてを奪われた令嬢は、やり直しの人生で微笑む

すべてを奪われた令嬢は、やり直しの人生で微笑む

53.8k 閲覧数 · 連載中 · 夢物語
冷たい土の中、私はゆっくりと息絶えようとしていた。
視界を染めるのは絶望の闇。そして、耳元に届くのは――従妹・原田紀奈の、歪んだ嘲笑。

「お姉ちゃん、恨むなら自分の甘さを恨みなさい」

父の薬をすり替え、母を死に追いやり、兄の事故さえ仕組んだ。すべては、目の前で笑うこの女の仕業だった。
さらに突きつけられる、あまりにも残酷な真実。

「あなたの婚約者はね、あなたが身を削って得たお金で、私への婚約指輪を買ったのよ?」

――すべてを奪われ、絶望の中で命を落とした、はずだった。

しかし、次に目を覚ますと、そこは見覚えのある「19歳の誕生日パーティー」の会場。
前世と同じように、婚約者の七瀬崚介が私に無実の罪を着せ、謝罪を迫っている。

(……でも、もう私は、あの頃の愚かな人形じゃない)

奪われた人生も、向けられた悪意も、そのすべてを覚えている。
今度は、私が奪い返す番。
裏切り者たちに、地獄以上の絶望を――たっぷり利子を付けて、返してあげる。
社長の逃げた妊娠妻

社長の逃げた妊娠妻

23.8k 閲覧数 · 連載中 · ユイ
川崎佑哉は上半身裸のまま、江原安美の上に覆いかぶさり、大きな手で彼女の柔らかな胸を撫で上げた。

江原安美は甘い吐息を漏らしながら喘いだ。「もう我慢できない…ちょうだい…」

川崎佑哉は彼女の体をうつ伏せにひっくり返し、ペニスを彼女の柔らかな臀部の間で前後に擦りつけた後、背後から一気に挿入した。

「江原安美、たとえ離婚しても、お前は一生、俺の下で喘ぐしかないんだ。」


江原安美はまさか自分がいつか、夫・川崎佑哉と彼の愛人のために結婚指輪をデザインすることになるとは思わなかった。そしてさらに届いたのは、一通の離婚届だった。

彼女は迷わずサインし、彼への想いを断ち切り、妊娠検査の結果を隠して、海外へと旅立った。

その後、彼女は海外で大成功を収め、言い寄る男は数知れず。しかし彼は変わった。彼女に執着し、離れようとせず、目を赤くして「もう一度チャンスをくれ」と懇願した。

彼女の小さな宝物が飛び出して彼の前に立ちはだかり、腰に手を当ててこう言った。「ママに追いつきたいなら、まず列に並んでね!」
社長の可愛い若妻

社長の可愛い若妻

17.9k 閲覧数 · 連載中 · 月島 ことね
丸5年もの間、私はすべてを捧げて林翔太を深く愛してきた。しかし、私たちの記念パーティーの夜、彼が新入りの秘書とキスしている現場を目撃してしまう。その瞬間、私の恋の魔法は完全に解けた。

愛に絶望した私は、お互いの利益のための「契約結婚」に同意する。てっきり、悪名高いプレイボーイの蒼井翼と結婚するものだと思っていた。ところが、書類にサインする瞬間、婚姻届に書かれていた名前は――蒼井沢言。誰もがその名を聞くだけで震え上がり、「地獄の帝王」と恐れられる冷酷な巨大財閥のトップだった。

彼は私に数々の価値連根のジュエリーを贈り、私の敵をすべて排除し、世のあらゆる嵐から守ってくれた。けれど、「愛している」という言葉だけは、一度も口にしなかった。

しかしある夜、彼は私を壁に押し付け、熱い吐息を肌に吹きかけながら、低く掠れた声で囁いた。
「音羽、俺をいつまで待たせるつもりだ?」

――この結婚は、決して偶然などではなかった。最初からすべて、彼が仕組んだ「執念の計画」だったのだ。