紹介
仕事に打ち込むことで、本能の欲望を抑えてきた。
そんなある日、姉が一人の家政夫を紹介してきた。
彼は自分で首輪をつけると、リードを私の手に渡し、こう言った。
「ご主人様」
「僕はあなたのものです」
今回は、もう欲望を抑えられそうにない。
チャプター 1
私の名は浦山市子。ハーフサキュバスだ。
父は人間、母は純血のサキュバス。
その血筋のせいで、私は幼い頃から二つの世界の狭間で生きてきた。
一族からは欲望に溺れる快楽を知らない半端者と疎まれ、人間社会からは異類として警戒される日々。
欲望に支配されたくない私は、父の言葉に従うことにした。
「仕事こそが最も精力を消耗する営みだ。たとえサキュバスであってもな」
働き続けてさえいれば、本能的な欲望に振り回される時間も気力もなくなる。
だから、他の兄弟姉妹たちが夜の街やバーで欲望に耽溺している間、私は広告代理店のデザイナーという道を選んだ。
ネットにはこう書いてあった。
『下請け企業のデザイナーに必要な体力と精神力は、爆発寸前!』
サキュバスの精力は人間より遥かに強い。だからこそ、この仕事は私にとって天職だと思えたのだ!
平日は明け方まで残業、週末はプロジェクトに追われ、食事さえデリバリーで済ませる毎日。
その効果は覿面だった。
サキュバスとしての本能は完全に抑え込まれ、トレードマークである魅了のフェロモンさえ、哀れなほど薄くなっている。
唯一の副作用といえば、自宅が惨状と化したことか。
積み上げられたデリバリーの空き容器、ソファに散乱した衣服、床に積もる埃。
潔癖なサキュバス族にとって、これは恥辱以外の何物でもない。
私は一族の中で最も可愛がってくれる姉に連絡を取った。
姉は私が人生を謳歌していないと嘆きつつも、有能な家政夫を紹介してくれた。
「妹よ、すごくいい家政夫だからね。無駄にしちゃダメよ?」
その日の午後、チャイムが鳴った。
疲労困憊の体を引きずってドアを開けると、そこには長身の美青年が立っていた。
形の良い桃花眼に、思わず目が眩む。
その瞳は少し充血していて、まるで徹夜明けのようだが、どこか抑圧された渇望が滲み出ていた。
「浦山さん、古崎俊です」
低く、抑制の効いた声だ。
私は呆気にとられた。
この容姿で家政夫? 芸能界に行ったほうが稼げるんじゃないの?
呆けていると、彼が突然顔を寄せてきた。首筋にかかる灼熱の吐息に、心臓が早鐘を打つ。
しまった。
これは姉さんが私を誘惑するために送り込んだ刺客か!
どうりで、こんなイケメンがただの掃除夫なわけがない。
思わず半歩下がったが、背中がドアにぶつかり逃げ場を失う。
彼の長身がさらに迫ってくる。
ふわりと、雄の匂いが押し寄せてきた。
それは街中ですれ違う男や、姉に騙されて一度だけ連れて行かれたホストクラブの男たちとは違う香り。
シダーウッドのような清涼感の中に、どこか心を掻きむしるような甘さが混じっている。
抑え込んでいた本能が、ふと鎌首をもたげる。
伸び始めた小さな牙を舌先で確認しながら、私は古崎の唇を見つめた。
キスしやすそうだな、と。
彼、さっき入ってくる時に笑った気がする。
だとしたら、間違いなく私を誘惑している!
私は意を決し、自分から顔を寄せた。
だが相手は瞬時に顔を背け、室内へと視線を移した。喉仏を動かしながら問う。
「どうして顔が赤いんです? 家政夫を頼んだんですよね。どこから片付けましょうか」
本当にただの家政夫?
姉さんが手配した誘惑用の男じゃないの!?
頭の中がピンク色の邪念で埋め尽くされていた私は、恥ずかしさのあまり自室へと逃げ帰った。
なんてことだ。
他人を勝手に男娼扱いするなんて!
呼吸を整えるが、尾てい骨の違和感が頭を悩ませる。
尻尾が飛び出しそうだ!
部屋に籠もり、怒涛の勢いで広告案を二つ仕上げてから、ようやくリビングへ出た。
リビングは半分ほど片付いている。
だが、古崎の姿がない。
帰ったのか?
電話をしようとした矢先、浴室から古崎の声がした。
「浦山さん、すみません。ちょっとズボンを汚してしまって、シャワーをお借りしています」
「安心してください、後で綺麗にしますから」
シャワーだと?
腐っても私はサキュバスだぞ、そんなあからさまな誘導に引っかかるか!
思考を遮るように、彼は使い捨てのバスタオルがあるかと尋ねてきた。
私は慌ててタオルを取りに行く。
浴室のドアがわずかに開き、骨張った長い指が伸びてきた。腕には水滴が光っている。
中からは、微かな荒い息遣いが漏れていた。
どうやら先ほどの掃除は相当な重労働だったらしい。でなければ、シャワーを浴びるだけであんなに疲れるはずがない。
私の脳内の不純な妄想は、瞬時に罪悪感へと塗り替えられた。
「安心して、追加料金を払うから」
タオルを受け取る際、彼の手が私の掌をそっと撫でた。
「追加料金ということは、追加のサービスが必要ですか?」
「ああっ!」
私は叫んだ。まだ終わっていない仕事を思い出したのだ!
雑念を振り払うために急ぎの案件を片付けた後、来週分の準備に取り掛かっていたのだった!
「先に仕事に戻るから、掃除は適当に進めておいて!」
浴室の向こうで、長い沈黙が流れた気がした。
私は寝室へ戻る。
残業だ! 仕事だ!
新しい案件は一筋縄ではいかない。
大手アダルトグッズメーカーのクリエイティブだ。
サキュバスの私ならお手の物のはずだが、残念ながらそうはいかない。
すぐに思考が煮詰まってしまった。
私はサキュバスの名折れだ。
ソファに凭れて小休止していると、不意にドアが開いた。
古崎がエプロンとズボンだけの姿で入ってくる。
露わになった鎖骨と筋肉が、エプロンの布地から溢れ出しそうだ。
「浦山さん、寝室の掃除を始めます」
彼は雑巾を手にクローゼットを拭き、私のそばへ歩み寄ると、デスクの裏側を拭くためにしゃがみ込んだ。
「浦山さん、少し退いて」
半身を傾けた彼の胸板が、私の体に触れんばかりに迫る。
その筋肉を見た瞬間、私は歓喜の声を上げた。
「古崎さん、それ最高じゃない!」
古崎の眼差しが熱を帯び、なぜかエプロンの紐がひとりでに解ける。
私はすぐさま古崎を立たせ、カーテンと窓を全開にした。太陽の光が彼の肉体に降り注ぐ。
彼は顔色を変え、自分に言い聞かせるように呟く。
「浦山さん、窓を開けるのが趣味で?」
私は元気よく答えた。
「そのほうがよく見えるから!」
「……」
古崎は何かを悟ったような、諦めたような顔をした。
私は彼に直立不動で肉体を晒すよう命じ、再びPCに向かって猛然とキーボードを叩き始めた。
二十分後。
古崎は不審そうに尋ねた。
「浦山さん、まだ始めないんですか?」
私は不思議そうに答える。
「もう始まってるけど?」
「……始まってる?」
彼は疑念に満ちた顔だ。
「ええ。アダルトグッズの広告デザインで行き詰まってたんだけど、あなたが素晴らしいモデルになってくれたおかげで助かったわ。本当に来てくれてよかった!」
古崎のおかげだ。
「……僕に、ただモデルをしてほしかっただけ?」
「そうよ。すごくいい仕事をしてくれたから、さらに特別手当を出すわ!」
私は真剣な眼差しでそう告げた。
最新チャプター
おすすめ 😍
偽物令嬢のはずが、実家はまさかの兆円財閥!
しかし、成人を迎える矢先に、自分が両親の実の娘ではないと告げられた。
生まれた時に、取り違えられていたのだ!
中島家はすぐに実の娘、中島結子を探し出した。
中島結子は表向きはか弱く善良だが、裏ではことあるごとに彼女を陥れた。
例えば今回、中島夏美が水に落ちたのも中島結子が仕組んだことだった。
前の人生では、彼女は本当に中島結子が過失でやったのだと信じ、あっさりと許してしまった。
まさか、中島結子がその後、ますますエスカレートしていくとは。
中島夏美が持っていたすべて――家族、友人、仕事、チャンス。
彼女はそれを破壊し、奪い取ろうとした!
不倫夫を捨てた夜、私は新しい彼に抱かれる
しかし結婚7年目、夫は秘書との不倫に溺れた。
私の誕生日に愛人と旅行に行き、結婚記念日にはあろうことか、私たちの寝室で彼女を抱いた夫。
心が壊れた私は、彼を騙して離婚届にサインをさせた。
「どうせ俺から離れられないだろう」
そう高をくくっていた夫の顔に、受理された離婚届を叩きつける。
「今この瞬間から、私の人生から消え失せて!」
初めて焦燥に駆られ、すがりついてくる夫。
その夜、鳴り止まない私のスマホに出たのは、新しい恋人の彼だった。
「知らないのか?」
受話器の向こうで、彼は低く笑った。
「良き元カレというのは、死人のように静かなものだよ?」
「彼女を出せ!」と激昂する元夫に、彼は冷たく言い放つ。
「それは無理だね」
私の寝顔に優しくキスを落としながら、彼は勝ち誇ったように告げた。
「彼女はクタクタになって、さっき眠ってしまったから」
山奥に置き去りにされたので、夫も息子も捨てて「天才科学者」に戻る
夫と息子が、怪我をした「あの女」を病院へ運ぶために、彼女を見捨てて車を出したからだ。
命からがら自力で帰宅した彼女を待っていたのは、同じく家で放置され、怯えていた幼い娘の姿だった。
その瞬間、彼女の中で何かが壊れ、そして決意が固まる。
「あなたたちには失望しました。離婚させていただきます」
夫と、彼に懐く息子に別れを告げ、彼女は家庭という檻を出た。
世間は彼女を「哀れなバツイチ」と笑うかもしれない。
だが、誰も知らなかった。彼女がかつて、科学界で名を馳せた稀代の天才研究者であることを。
あるベンチャー企業の社長にその才能を見出された彼女は、夢の技術「空飛ぶ車」の開発プロジェクトを主導することに。
かつての夫が復縁を迫り、愛人が卑劣な罠を仕掛けてきても、もう彼女は止まらない。
愛する娘を守るため、そして自分自身の輝きを取り戻すため。
捨てられた妻の、華麗なる逆転劇が今、始まる!
社長、奥様が亡くなりました。ご愁傷様です
そんな私の前に彼が現れた―
聡明で、私を守ってくれる、献身的な男性として。
しかし、私は知らなかった。
私たちの出会いは決して偶然ではなかったことを。
彼の笑顔も、仕草も、共に過ごした一瞬一瞬が、
全て父への復讐のために緻密に計画されていたことを。
「こんな結末になるはずじゃなかった。お前が諦めたんだ。
離婚は法的な別れに過ぎない。この先、他の男と生きることは許さない」
あの夜のことを思い出す。
冷水を浴びせられた後、彼は私に去りたいかと尋ねた。
「覚えているか?お前は言ったんだ―『死以外に、私たちを引き離せるものはない』とね」
薄暗い光の中、影を落とした彼の顔を見つめながら、
私は現実感を失いかけていた。
「もし...私が本当に死んでしまったら?」
溺愛令嬢の正体は、まさかの霊能界トップ!?
──が、彼女は社交界に背を向け、「配信者」として自由気ままに活動を始める。
江城市の上流社会はこぞって彼女の失敗を待ち構えていた。
だが、待てど暮らせど笑い話は聞こえてこない。
代わりに、次々と大物たちが彼女の配信に押しかけてくるのだった。
「マスター、俺の命を救ってくれ!」──某財閥の若社長
「マスター、厄介な女運を断ち切って!」──人気俳優
「マスター、研究所の風水を見てほしい!」──天才科学者
そして、ひときわ怪しい声が囁く。
「……まゆ、俺の嫁だろ? ギュってさせろ。」
視聴者たち:「なんであの人だけ扱いが違うの!?」
原田麻友:「……私も知りたいわ。」
転生して、家族全員に跪いて懺悔させる
婚約者にも妹にも裏切られた私。
さらに悲惨なことに、二人は私の手足を切り落とし、舌を抜き、目の前で体を重ね、そして私を残酷に殺したのです!
骨の髄まで憎い...
しかし幸いなことに、運命の糸が絡み合い、私は蘇ったのです!
二度目の人生、今度は自分のために生き、芸能界の女王になってみせる!
復讐を果たす!
かつて私をいじめ、傷つけた者たちには、十倍の報いを受けさせてやる...
出所したら、植物状態の大富豪と電撃結婚しました。
出所すると、母親は私が獄中で産んだ二人の子供を盾に、植物状態にある億万長者との結婚を強いる。
時を同じくして、その悲劇の大富豪もまた、家族内での権力闘争の渦中にいた。
街では植物状態の男が若い花嫁とどう初夜を過ごすのかと噂される中、この元囚人が並外れた医療技術を秘めていることなど、誰も予想だにしなかった。
夜が更け、無数の銀鍼(ぎんしん)が打たれた男の腕が、静かに震え始める…
こうして、元囚人の彼女と植物状態の夫との、予期せぬ愛の物語が幕を開ける。
さようなら、愛してくれない家族たち。地味な専業主婦は研究界の女王へと覚醒する
愛する夫と子供たちにそう言われ、私は家庭内での居場所を失った。
六年間、身を粉にして尽くしてきた日々は、何の意味もなかったのだ。
絶望の中で目にしたのは、かつて母が手にした科学界の最高栄誉であるトロフィー。
その輝きが、私に本来の自分を思い出させた。
私はエプロンを脱ぎ捨て、白衣を纏う。
もう誰かの妻でも、母でもない。一人の科学者として、世界を驚かせるために。
数々の賞を総なめにし、頂点に立った私を見て、元夫は顔面蒼白で崩れ落ちた。
震える声で私の名前を呼び、足元に縋り付く彼。
「行かないでくれ……君がいないと、俺は……」
かつて私を見下していたその瞳が、今は絶望と後悔に染まっていた。
社長、突然の三つ子ができました!
あの忌まわしい夜から逃げるように去った私だったが、ほどなくして三つ子を妊娠していることに気付く。
五年後、医療界の新星として戻ってきた私は、継母、継姉、実の父へ全ての仕返しを誓う。
その時、彼が現れた。三人の小さな自分そっくりの顔をじっと見つめながら、優しく「パパ」と呼ぶよう子供たちを誘う彼。
ふとシャツのボタンを外し、悪戯っぽく笑って言った――
「どうだい、あの夜の熱をもう一度味わってみないか?」
不倫夫を捨て、私は大富豪の妻になる
新郎の車から出てきたのは、見知らぬ女の派手なレースの下着だった。
しかも、その布切れにはまだ。生々しい情事の痕跡が残されていた。
吐き気がするほどの裏切り。
幸せの絶頂から地獄へと突き落とされた私。
けれど、泣き寝入りなんてしてやらない。
私はその場でウェディングドレスの裾を翻し、決意した。
「こんな汚らわしい男は捨ててやる」
私が選んだ次の相手は、彼など足元にも及ばない世界的な億万長者で?
逃げる秘書の資産は三千億!?急げ、社長!
少しでも多くのお金を稼ぐため、彼女は高級クラブでウェイトレスとして働き始めた。
女があまりに美しく、誰も守ってくれる者がいない時、その美しさは原罪となる。
初出勤の日、彼女は危うく猥褻行為の被害に遭いかけた。
男たちが彼女を取り囲み、卑猥な視線をその身に注ぐ。
クラブの金持ちたちは、彼女のような世間知らずの子羊を見つけ出すのが実にうまかった。
彼女が最も惨めなその時、今野敦史が現れた。
この十年、彼女はずっと今野敦史の傍にいた。
友人たちも、家族も、皆が今野敦史を知っていて、二人が付き合っていると思い込んでいる。
でも、今まで彼の周りには女が絶えなかったじゃない。それが今、「ついに運命の相手を見つけた」なんて言ってるの。
今、ようやく彼から離れる機会を得たというのに、どうして手放せようか。
天使な双子の恋のキューピッド
しかし、私は決して諦めなかった。離婚を決意し、シングルマザーとして懸命に子育てをしながら、自分の道を切り開いていった。そして今や、誰もが認める成功者となった。
そんな時、かつての夫が後悔の涙とともに現れ、復縁を懇願してきた。
私の答えはただ一言。
「消えなさい」













