夫の不倫現場を目撃した翌日、冷徹すぎる御曹司に溺愛されることになりました
2.5k 閲覧数 · 連載中 · 青木月
彼女は五年間、この男のために翼を折り畳んでいた。
浅宮詩織——国際経済フォーラムで財界を唸らせた女。創業期の資金繰りから東証プライム上場まで、九条グループの骨格を自らの手で作り上げた。
そして「秘書」という肩書きで、誰にも知られることなく、その隣に立ち続けた。
結婚式も、白無垢も、祝福の言葉も、何もなかった。
あったのは泣きながら囁いた夫の約束だけ。
「いつか必ず、盛大な披露宴を挙げるから」
五年が経った。披露宴は来なかった。先にやって来たのは、見知らぬ女の香水の匂いと、夫のスーツに残った口紅の跡だった。
誕生日、彼は別の女と浅草寺にいた。
夫は書類を見もせずにサインをした。
それが離婚届だとも知らずに。
二ヶ月かけて血の滲む思いで掴んだプロジェクトを、愛人の女に差し出せと命じた同じ男が。
浅宮詩織——国際経済フォーラムで財界を唸らせた女。創業期の資金繰りから東証プライム上場まで、九条グループの骨格を自らの手で作り上げた。
そして「秘書」という肩書きで、誰にも知られることなく、その隣に立ち続けた。
結婚式も、白無垢も、祝福の言葉も、何もなかった。
あったのは泣きながら囁いた夫の約束だけ。
「いつか必ず、盛大な披露宴を挙げるから」
五年が経った。披露宴は来なかった。先にやって来たのは、見知らぬ女の香水の匂いと、夫のスーツに残った口紅の跡だった。
誕生日、彼は別の女と浅草寺にいた。
夫は書類を見もせずにサインをした。
それが離婚届だとも知らずに。
二ヶ月かけて血の滲む思いで掴んだプロジェクトを、愛人の女に差し出せと命じた同じ男が。


















































