ルビーの首飾りにより有罪とされた

ルビーの首飾りにより有罪とされた

渡り雨 · 完結 · 18.8k 文字

918
トレンド
949
閲覧数
3
追加済み
本棚に追加
読み始める
共有:facebooktwitterpinterestwhatsappreddit

紹介

「娘にルビーのチョーカーを買ってあげただけなのに。けれど、それを娘の首に留めた瞬間、私の世界は音を立てて崩れ落ちた。

店主は私を気持ち悪い変態だと罵った。愛しているはずの夫は即刻離婚を突きつけた。親友は私を怪物だと呼んだ。

なぜ? ただのアクセサリーでしょう……そうよね?

チャプター 1

「きれいね」私は言った。

 骨董品店の中は、埃と古い木材の匂いがした。芽依は鏡台の前に立ち、白い肌が黒いベルベットのドレスによく映えている。

 私は芽依の首にルビーのチョーカーを留めた。深い赤の石が、喉元のくぼみにぴたりと収まる。

 さっきまで天気の話で私と談笑していた店主が、レジのところで動きを止めた。顔を上げる。

 丁寧な接客の笑みが、すっと消えた。

店主はレシートをプリンターからむしり取り、くしゃくしゃに丸めてカウンターへ投げ捨てた。

「出てけ」

私は目を見開いた。

「……えっ?」

 店主はガラスケースの向こうから回り込み、私の腕をつかむと、そのまま入口へ突き飛ばすように押した。

「出てけ、この店から。気持ち悪い、ひん曲がった変態が」

「触らないで!」私は芽依を引き寄せた。心臓が肋骨を叩くみたいに脈打っている。

 店主は私たちを歩道へ押し出し、扉を叩きつけるように閉めた。

 ガラス越しに、店主は一片の容赦もない嫌悪をむき出しにして私を睨みつけていた。

 車に乗り込むなり、私は反射的にドアロックをかけた。指が白くなるほどハンドルを握り締めたまま、車を流れに乗せる。こぶしの骨が痛むほどだ。

「ママ、怒らないで」

 後部座席から、芽依の柔らかな声がふわりと届く。ルームミラーで覗くと、芽依はまったく怯えていなかった。代わりに、小さな指でルビーのチョーカーの銀の留め金をそっとなぞっている。

「怒ってないわ、いい子」私は震える息を押し込め、ハンドルを握る力を少しだけ緩めようとした。

「あの人がただ……すごく失礼だっただけ」

「大丈夫」芽依はか細い顎を少し上げ、午後の日差しを深紅の石に当てた。

「すっごく気に入った。つけてくれてありがとう」芽依は鏡の中の自分をまっすぐ見つめた。瞳には無垢な喜びが満ちている。

「私、かわいく見えるよね? ね?」

 その姿を見た瞬間、胸の奥で渦巻いていた焦りが、ようやく溶けていった。私は微笑み返す。

「きれいだよ、お姫さま」そう囁いて、私は視線を道路へ戻した。

 家に着くと、大輔はキッチンでコップに水を注いでいた。いつものパリッとしたボタンダウンシャツ。愛情深い夫、そのものの姿だ。

「さっき、信じられないくらいヤバい人に絡まれたのよ」私はそう言いながら鍵をカウンターへ放った。

 大輔は水の入ったコップを私に渡そうとして、ふっと止まった。彼の目は私の顔を素通りし、芽依の首元に釘づけになる。

「ルビーのチョーカーを買って――」

 コップが指の間から滑り落ちた。タイルに叩きつけられて、派手な音を立てて割れる。水が大輔の靴に跳ねた。

「大輔?」

 大輔は片づけようともしない。私の顔も見ない。ルビーを凝視したまま、ゆっくり芽依のほうへ歩み寄る。

「それ、あんたがつけたのか?」

「ええ、誕生日の少し早いプレゼントで――」

「『自分で』やったのか?」大輔が遮った。私たちの間の距離が、息をする間もなく詰められていく。十年間知っていた温もりは消え、そこにいるのは見知らぬ男だった。

「もちろんよ。留め金を私が直接留めたわ」

 大輔は私から後ずさった。まるで私が病気でも持っているかのような目つきで。

「荷物をまとめろ」彼は言った。

「離婚する。今日だ」

 息が詰まる。

「……何? 大輔、頭がおかしくなったの?」

 私は彼の腕に手を伸ばした。何かの催眠みたいなものから引き戻したくて必死だった。

 大輔は乱暴に身を引き、私の手を叩き落とした。

「やめろ」唾を吐くように言う。胸が激しく上下している。

「二度と俺に触るな」

 手のひりつきを理解する間もなく、大輔は芽依の手首をつかんだ。優しくなんてない。

「部屋に行け」命じると、階段へ引きずるように連れていく。

「ママ!」芽依がかすれた声で泣き、つまずきながらついていく。小さな指が反射的に喉元の赤い石を握りしめていた。

「大輔、やめて! 芽依が痛がってる!」私は追いかけ、踊り場の手前まで駆け寄った。声が裂けそうだ。

「離婚って、首飾りのせいで? お願い、話してよ!」」

 大輔は二段目で足を止め、私を見下ろした。

「虫唾が走る」囁くような声だった。

 そして芽依を引っ張り上げるようにして階段を上がり、そのまま姿を消した。

 私は廊下で固まったまま、脚が震えて立っていられず、手すりにしがみつかなければ倒れてしまいそうだった。

 こんなの現実じゃない。骨董品屋の店主は頭のおかしい他人だったとしても、大輔は? 十年連れ添った夫が?

 胸がきゅっと締め付けられる。壁がじわじわ迫ってくるようで、息が浅くなった。誰かに「お前は正気だ」と言ってほしかった。自分が現実を見失っていないと、保証してほしかった。

 私はよろめくように浴室へ入り、扉を乱暴に閉めて鍵をかけた。指が震えて、スマホの画面がうまく反応しない。親友の桜子に電話をかける。

 二回目の呼び出しで出た。

「玲奈? 声、ひどいよ」

 私は冷たいバスマットにへたり込んだ。

「みんなおかしくなってる。骨董品屋の店主に外に放り出されたし、今度は大輔が離婚するとか言い出して……」

「ちょ、待って。落ち着いて」桜子が言う。

「離婚? 何が原因なの」

「ネックレス。芽依に買ったルビーのチョーカー」

「ありえない。写真送って」

 私は店で撮った芽依の写真を、急いで桜子に送った。

 電話の向こうが、すっと静かになる。息を呑む音が、はっきり聞こえた。

「桜子? ただのアクセサリーだよね?」

「ネックレス、だよね」桜子の声は硬く、短く切り詰められていた。

「玲奈、よく聞いて。あのチョーカー……あんたが自分で芽依につけたの?」

 またその質問。まったく同じ言い回し。見えない手が胸をぎゅっと掴んだみたいに、呼吸が詰まる。

「……うん」私は囁いた。

「私がつけた」

 受話口に、重い沈黙が垂れ下がる。

「桜子?」

「あなたと出会わなければよかった」その声に混じる剥き出しの毒に、私はびくりと肩を震わせた。

「声も聞きたくない。あんたは最低で、気持ち悪い、病的な怪物だよ」

「桜子、待っ――」

 通話が切れた。私はすぐに名前を押してかけ直す。けれど留守番電話に直行した。

 床から跳ね起き、浴室のドアを勢いよく開け放つ。廊下を駆けるようにしてリビングへ戻った。

 大輔はタンスから私の服を引っこ抜き、乱暴にダッフルバッグへ詰め込んでいた。

「大輔、やめて!」私は彼の腕を掴んだ。

「私が何をしたのか言って! どうして、たかがアクセサリーで――」

 大輔は振り向きざまに、私を平手で殴った。

 頭がドア枠にぶつかり、鈍い音がした。口の中に、鉄みたいな血の味が広がる。

 衝撃を理解する間もなく、大輔は前へ踏み込み、私の喉を掴んだ。壁へ叩きつけられる。空いたほうの手が、ベッドの上で口を開けたダッフルバッグの脇ポケットへ滑り込んだ。

 冷たい鋼が、顎の下にまっすぐ押し当てられた。

 私は喘いだ。太い指を引き剥がそうと爪を立てても、息が詰まり、自分の呼吸にむせ返る。

「被害者ぶるな、玲奈」大輔が低く唸る。襟元から消毒用アルコールの強い匂いが立ち上り、鼻の奥まで侵入してきた。

「自分が何をしたか、わかってるだろ」

「わかんない! 誓って言うけど、知らない!」

 刃がさらに押し込まれる。温かい血がつうっと流れて首筋を伝った。

「どんなにいかれた獣だって、自分の子は守る。それなのに、お前はどうだ?」大輔は濁りのない憎悪で私を見据えた。

「お前は人間ですらない」

 大輔は喉から手を乱暴に引き剥がし、詰め終えたダッフルバッグをベッドからひったくった。私を廊下へ突き飛ばすように押しやり、屋根裏へ続く扉を蹴り開ける。

 私は敷居をまたいだところでつまずき、埃まみれの床板に強く打ちつけられた。

 起き上がろうとした瞬間、闇の中から私の服が入った重いバッグが飛んできて、肋骨に容赦なく叩きつけられる。

 大輔はためらいもしない。取っ手を掴んで重い扉を引き、勢いよく閉めた。

 ドアの音が、かちりと鳴った。

 完全な暗闇が、私を丸ごと飲み込んだ。

 私は扉へ這い寄り、散らばった自分の服に足を取られながら体重をかけて木を押した。拳で叩きつけ続け、拳の皮が裂けるまでやめられなかった。

 床板越しに、階下の大輔の声が聞こえた。さっきまでと違う。優しく、宥めるように。

「大丈夫だよ、芽依。パパがいる。あいつにお前を傷つけさせない」

 私はざらついた木に背を預けてずるずると座り込み、膝を抱えた。屋根裏の息苦しい静けさが耳の奥まで押し込み、恐怖に跳ねる自分の心臓の音だけがやけに大きく響く。

「どうして!」私は真っ暗闇に向かって叫んだ。

「殺すつもりなら、せめて理由を教えてよ!」

 返事はなかった。

最新チャプター

おすすめ 😍

追放された偽物の娘、その正体は最強でした

追放された偽物の娘、その正体は最強でした

878.8k 閲覧数 · 連載中 · ゲゲゲ
「本物の娘が見つかった。お前はもう用済みだ」
あの子が現れたその日、私は『偽物の娘』として家を追い出された。
渡されたのは、わずかな小銭と地方行きの片道切符だけ。
さらに婚約者は私をゴミのように捨て、その日のうちに『本物』であるあの子にプロポーズした。

……上等じゃない。せいぜい勝った気でいればいいわ。
だって彼らは、私の【本当の顔】を何一つ知らないのだから。

名門病院が見放した命を救う『天才外科医』。
オークションで数億円の値を叩き出す『伝説の画家』。
裏社会の闘技場で無敗を誇る『影の女王』。
そして――彼らの全財産すら小銭に思えるほどの『真の巨大財閥の後継者』であることを。

今さら元婚約者が土下座で許しを請おうと、本物の娘が嫉妬で狂いそうになろうと、もう遅い。
かつて私に婚約破棄の書類を叩きつけた冷酷で傲慢なCEOでさえ、今や何かに取り憑かれたように私を追い回し、「もう一度だけチャンスをくれ」とすがりついてくる始末。

私を捨てて、自分たちの人生を『アップグレード』したつもり?
笑わせないで。最初から、圧倒的に上の存在だったのは私のほうよ。
地獄から帰った私を、頂点の男が甘やかすなんて聞いてない

地獄から帰った私を、頂点の男が甘やかすなんて聞いてない

11.1k 閲覧数 · 連載中 · 三日月プリン
「救うのは妹の方だ。お前は強いから、生き残れるだろう」
十八年間、空気のように扱われ、誘拐事件の際にも迷わず切り捨てられた私。
「強さ」という名の言い訳で死の淵に追いやられた私は、地獄の果てで生き延びた。
そして今、全国民が見守る超人気リアリティショーの舞台に、私は「かつての復讐者」として舞い戻る。
家族が偽りの善人面を振りまく中、彼らの仮面を一枚ずつ剥ぎ取っていく最高のショウタイム。
そんな私を面白がり、盤面をひっくり返す男がいた。冷徹なるF1チャンピオン。彼だけは、私の冷酷な正義を肯定し、その権力で私を囲い込む。
さあ、復讐劇の始まりよ。私を「可哀想な犠牲者」だと思っていた報い、その身に刻ませてあげる。
トップ暗殺者、学園に転生する

トップ暗殺者、学園に転生する

29.6k 閲覧数 · 連載中 · ミサキ
太平洋の孤島に響き渡る爆発音の中、私は敵と刺し違えることで、すべてに終止符を打った。
そして、目が覚めた。

16歳。肥満体型。顔中に広がったニキビ。冷え切った体育倉庫の片隅で、私は丸まっていた。
周囲から16年間ずっと忌み嫌われてきたこの肉体の中で、私はわずか3秒で状況を理解した――。

「死体への憑依、つまり――転生だ」

元の肉体の持ち主は、誰もが容赦なく踏みにじる、お人好しの「いじめられっ子」だった。
継母は慢性的な毒物で彼女の身体を破壊し、実の妹は彼女を裏切って罠に嵌め、クラスメイトは彼女を暗闇に閉じ込めて冷水を浴びせ、教師さえも一緒になって彼女を踏みつけにする。

だが、あいにく。
今この身体の中にいるのは、暗殺組織のトップだ。
地獄の底から這い上がってきた、一人の女だ。

私はまず、元の持ち主が昨夜味わった屈辱のツケをきっちりと払わせ、皮膚に残る毒素を洗い流した。
物理のテストでは満点をもぎ取り、超一流の弁護士を1分1秒の狂いもなく現場へ急行させて私の弁護に当たらせ、果ては市長自らに我が家の門を叩かせ、私の後ろ盾にならせた。

今世において、私に借りのある全ての奴らから、一筆一筆、その代償を血で購わせてやる。
伝説の天才、偽りの姿だ

伝説の天才、偽りの姿だ

25.6k 閲覧数 · 連載中 · ショコラ風味
トップ組織のS級エージェントであり、冷徹無情、そして圧倒的な知性を誇った主人公。しかし、仲間に裏切られ、無残にも殺害されてしまう。

だが、目を覚ますと、知能が低いと見下されている「不細工な女子大生」へと生まれ変わっていた。

容姿を嘲笑われれば、自ら開発したスキンケアクリームで誰もが息をのむ美貌へと変貌を遂げる。

知性を馬鹿にされれば、世界最高峰の大学の総長が自らスカウトに訪れ、医学界の権威は秘密の処方を求めて跪き、国際的なトップスターは楽曲の編曲を求めて彼女を追いかける。

二度目の人生こそは平凡な生活を味わおうとしたものの、隠された正体が次々と暴かれ、気づけばまたしても世界の頂点へと上り詰めてしまう。

背後には無数の配下を従え、その傍らには彼女を守る冷徹な実力者が寄り添うが、この冷徹な男は何かと嫉妬深く、彼女を翻弄してくるのだった。
全能令嬢の帰還、家族が倒産?

全能令嬢の帰還、家族が倒産?

61k 閲覧数 · 連載中 · きりゅう りんか
万能の女神・夏川紅蓮が実家に戻ると、一家は何者かの手で破滅に追いやられた後だった。
父は冤罪で獄中にあり、母は病に伏せっている。
六人の兄たちも、ある者は身体に障がいを負い、ある者は無気力に沈んでいた。
そんな折、家に潜り込んでいた偽令嬢は状況を見るや否や一家を見捨てて姿を消し、さらに屋敷までも奪い取ろうとしていた。
世間は夏川家を「落ち目の負け犬」と嘲笑い、皆がこぞって踏みにじる。

紅蓮が静かに一声を発すれば、暗部より無数の異能の士たちが姿を現し、形勢は一瞬にして逆転する。
父は無実のまま出所し、母は健康を取り戻し、廃人同然だった長兄は再び己の足で歩き出し、残る五人の兄たちもまた紅蓮の導きによって各々の才覚を花開かせ、やがて各界を牽引する大物へと成り上がっていく。

しかし、そんな彼女を指さして嘲る者がいる。
「夏川紅蓮は地味で野暮ったい田舎者だ」と。

何を隠そう、彼女は無数の隠された顔を持つ存在。
神医の令嬢も彼女なら、国画の大家も彼女。
伝説のハッカーも彼女なら、正体不明の謎の女優も彼女。
そして、暗部を統べる首領さえも——彼女なのだ。

そんな折、頂点に君臨する名門の若様が、彼女をそっと腕のなかに抱き寄せた。

「誰が彼女を田舎くさい地味女だと言った? 彼女こそ、俺・諏訪淳行の婚約者だ」

紅蓮が流し目をひとつ送る。

「婚約、破棄しなくていいの?」

「しない」

彼が長いあいだ追い求めてきた決して手の届かない高嶺の花こそが、いま腕のなかにいる婚約者なのだ。
解消などありえない——この婚約は、死んでも解消しない。
令嬢は離婚を機に大富豪への道を歩む

令嬢は離婚を機に大富豪への道を歩む

828.3k 閲覧数 · 連載中 · 蜜柑
天才陰陽師だった御影星奈は、かつて恋愛脳のどん底に落ち、愛する男のために七年もの間、辱めに耐え続けてきた。しかしついに、ある日はっと我に返る。
「瀬央千弥、離婚して」
周りの連中はこぞって彼女を嘲笑った。あの瀬央様がいなくなったら、御影星奈は惨めな人生を送るに決まっていると。
ところが実際は――
財閥の名家がこぞって彼女を賓客として招き入れ、トップ俳優や女優が熱狂的なファンに。さらに四人の、並々ならぬ経歴を持つ兄弟子たちまで現れて……。
実家の御影家は後悔し、養女を追い出してまで彼女を迎え入れようとする。
そして元夫も、悔恨の表情で彼女を見つめ、「許してくれ」と懇願してきた。
御影星奈は少し眉を上げ、冷笑いを浮かべて言った。
「今の私に、あなたたちが手が届くと思う?」
――もう、私とあなたたちは釣り合わないのよ!
妊娠を隠して離婚し、彼は後悔した

妊娠を隠して離婚し、彼は後悔した

17.2k 閲覧数 · 連載中 · きりゅう りんか
「彼女が戻ってきた。離婚しよう」
三年にわたる隠し通してきた結婚生活のなかで、夫がそう口にしたのは、綾部栞の実家が危機に瀕し、彼女自身が身ごもっていた、まさにその時だった。
助けを求める彼女に、夫は目を向けることすらしなかった。失意の果てに、栞はふくらみ始めた腹を隠し、離婚届に署名する。

これで互いに違う道を歩むだけだと思っていた。ところが、隠していた孕み腹はやがて露見してしまう。
復縁を切り出してきた元夫に、綾部栞は怒りを叩きつけた。
「この子に会いたければ、跪いて許しを請いなさい」

そう言えば、さすがに諦めるだろう——。
だが、彼女は読み違えていた。相手の、その異様なまでの図太さを。

やがて、雲市で最も賑わう中心街の大型街頭ビジョンに、ある動画が一日中エンドレスで流れ始める。
それは、ひとりの男が地面にひざまずき、ただひたすら復縁を乞い続ける姿だった。
妻が去り、妊娠を知った俺は、ただ泣き崩れるしかなかった

妻が去り、妊娠を知った俺は、ただ泣き崩れるしかなかった

552.4k 閲覧数 · 連載中 · 蛙坂下道
鈴木七海は、中村健に好きな人がいることをずっと知っていた。それでも、彼との結婚を選んだ。
しかし、結婚して5年後、彼は離婚を切り出した。その時初めて、彼の想い人が私の父の隠し子(私の異母兄弟)だと知った。
離婚を決意した七海だったが、その時にまさかの妊娠が判明した。
終末世界で異空間チート!無限備蓄で兵王様を攻略します

終末世界で異空間チート!無限備蓄で兵王様を攻略します

32.3k 閲覧数 · 連載中 · 夜明けのソラ
渡辺千咲は大学卒業後、人生のどん底に落ち、みじめな思いで故郷に戻った。ところが、幼い頃に覚醒した役立たずの空間が突然見知らぬ男に結び付けられた。

男の方は食料不足、渡辺千咲の方は金欠で、二人は意気投合して互いに協力することになった。

「俺のいる場所では、金やダイヤモンドが地面に落ちていても誰も拾わない」

渡辺千咲はそれを聞いて目を輝かせた。男のいる時空では終末が訪れ、動植物が変異し、土地は耕作不能、水源は汚染され、さらに人類の安全を脅かすゾンビがいるのだった。

中島暁は終末世界で一年間苦しみながらも生き抜き、弾薬も食料も尽きて重傷を負いながらも、最後まで信念を貫き、仲間を見捨てることを拒んだ。

「唐揚げ、肉まん、きれいな水、あなたが欲しい物資なら何でも調達してやる!」

渡辺千咲はもはやみじめではなくなった。クリスタルのエネルギーで肌が白くなり体質が改善され、眼鏡も外せるようになり、金や骨董品が手に入り続けた。

中島暁が終末世界から持ち込んだ書籍、詞曲、漫画……によって、渡辺千咲は一躍文学芸術の大家となった。

祖母や、偽善的で貪欲な親戚たちが泣きながら彼女に許しを求めた。

数年後、記者が渡辺千咲の願いを尋ねた――

「世界平和を願っています」

大げさだと思う人もいたが、後になって戦乱を平定したのも彼女、経済を発展させたのも彼女、薬剤を発明したのも彼女の部下のチーム、ウイルス爆発を救ったのも彼女だったことが分かった。

終末世界で彼女は最後の人類を率い、ゾンビに勝利し、赤い月の終末災害を乗り越えた。

彼女の願いは実現したのだった。
社長の逃げた妊娠妻

社長の逃げた妊娠妻

38.2k 閲覧数 · 連載中 · ユイ
川崎佑哉は上半身裸のまま、江原安美の上に覆いかぶさり、大きな手で彼女の柔らかな胸を撫で上げた。

江原安美は甘い吐息を漏らしながら喘いだ。「もう我慢できない…ちょうだい…」

川崎佑哉は彼女の体をうつ伏せにひっくり返し、ペニスを彼女の柔らかな臀部の間で前後に擦りつけた後、背後から一気に挿入した。

「江原安美、たとえ離婚しても、お前は一生、俺の下で喘ぐしかないんだ。」


江原安美はまさか自分がいつか、夫・川崎佑哉と彼の愛人のために結婚指輪をデザインすることになるとは思わなかった。そしてさらに届いたのは、一通の離婚届だった。

彼女は迷わずサインし、彼への想いを断ち切り、妊娠検査の結果を隠して、海外へと旅立った。

その後、彼女は海外で大成功を収め、言い寄る男は数知れず。しかし彼は変わった。彼女に執着し、離れようとせず、目を赤くして「もう一度チャンスをくれ」と懇願した。

彼女の小さな宝物が飛び出して彼の前に立ちはだかり、腰に手を当ててこう言った。「ママに追いつきたいなら、まず列に並んでね!」
離婚後、奥さんのマスクが外れた

離婚後、奥さんのマスクが外れた

335.8k 閲覧数 · 連載中 · 来世こそは猫
結婚して2年後、佐藤悟は突然離婚を申し立てた。
彼は言った。「彼女が戻ってきた。離婚しよう。君が欲しいものは何でもあげる。」
結婚して2年後、彼女はもはや彼が自分を愛していない現実を無視できなくなり、過去の関係が感情的な苦痛を引き起こすと、現在の関係に影響を与えることが明らかになった。

山本希は口論を避け、このカップルを祝福することを選び、自分の条件を提示した。
「あなたの最も高価な限定版スポーツカーが欲しい。」
「いいよ。」
「郊外の別荘も。」
「わかった。」
「結婚してからの2年間に得た数十億ドルを分け合うこと。」
「?」
極品の入り婿

極品の入り婿

2.3k 閲覧数 · 連載中 · 佐藤製作所
彼が財産を相続して戻ってきた時、かつて彼を見下していた人々は彼の前にひざまずくしかなかった。