億万長者の元彼が私を離さない

億万長者の元彼が私を離さない

大宮西幸 · 完結 · 23.5k 文字

1k
トレンド
1.4k
閲覧数
312
追加済み
本棚に追加
読み始める
共有:facebooktwitterpinterestwhatsappreddit

紹介

6年前、私は彼を守るために彼のもとを去った。お金のために彼を裏切ったと思わせたまま。

6年後、N市に静かに戻れると思っていた私は、すでに彼が周到に張り巡らせた網に落ちていることに気づいた—私の仕事、アパート、さらには母の医療費まで、すべてが彼の支配下にあった。

「おかえり、玲奈。今度は、どこにも行かせない」

芦田貴志はもう、膝をついて私に留まるよう懇願する大学生ではなかった。彼はすべてを支配できる金融界の大物となり、私を手元に置くためなら世界中と戦う執着心の強い男になっていた。

彼は私に自由をくれると言った。でも、彼の手の届かないところには決して逃げられない。
彼は私を絹のかごに閉じ込め、女王のように崇めると言った。

チャプター 1

 あの電話のことは、一生忘れないだろう。

「竹内さん、明日の夜、美術館でチャリティーオークションがあるんです。インタビュー取材をお願いしたいです」編集部からの声は慌ただしかった。「相手の方から、竹内さんを指名で」

 指名? 携帯を握る手に力がこもる。N市に戻ってきてまだ三ヶ月。しがないフリーのジャーナリストにすぎない私を、一体誰が「指名」だなんて。

「インタビューの相手はどなたですか?」

「芦田貴志です。あの金融界の申し子ですよ」

 手から携帯が滑り落ちそうになった。

 芦田貴志。この人生で二度と聞くことはないと思っていた名前。

「竹内さん? もしもし?」

「はい……」私は深呼吸をして、無理やり声の調子を普段通りに戻した。「問題ありません。時間通りに伺います」

 電話を切った後、私はこのみすぼらしいアパートのソファに崩れ落ちた。壁のカレンダーが十月十五日であることを示している。N市を離れてから、ちょうど六年が経っていた。

 こんなの、偶然のはずがない。

 でも、この街には何百万人もいるんだ、と自分に言い聞かせた。彼が私の帰郷を知っているはずがない。ましてや、私がN市のこんな安アパートで、ゴシップ誌の記事を書いて糊口をしのいでいることなど、知る由もない。

 ベッドサイドテーブルの写真に目をやる――病院のベッドに横たわる、青白く痩せこけた養母の姿。山のように積み重なる医療費。私に選択肢はなかった。

 たとえ貴志と顔を合わせることになっても、行くしかなかった。

 翌日の夜、N市美術館は煌々と光り輝いていた。

 入り口に立ち、優雅に着飾った男女が絶え間なく出入りするのを眺めていると、自分が完全に場違いな存在に思えた。古着屋で買った黒いスーツに、安物の記者バッグ。まるで白鳥の群れに迷い込んだ醜いアヒルの子のようだ。

「竹内玲奈さんでいらっしゃいますか?」若い男性が近づいてきた。「芦田様の秘書をしております。中で芦田様がお待ちです」

 私は頷き、彼について美術館の中へと入った。

 エジプト展示室はオークション会場へと姿を変え、クリスタルのシャンデリアが、グラスの触れ合う音やひそやかな会話に光を投げかけている。私の視線は無意識に人混みの中を探し、そして――彼を見つけた。

 芦田貴志。

 六年という月日が経ち、彼はより成熟し、より……危険になっていた。オーダーメイドのスーツがその長身に完璧にフィットし、大学時代の少年っぽさはエリートビジネスマンの持つ鋭利な雰囲気に取って代わられていた。けれど、あの瞳は、今も私の心臓を速く打たせた。

 落ち着いて、玲奈。これはただのインタビューなんだから。

 彼が私に気づいた。視線が交わった瞬間、世界中の音が、一瞬だけぴたりと止んだ気がした。それから彼は隣の人物に何かを告げ、こちらへ歩いてくる。

「玲奈」彼の声は昔と変わらず低く、人を惹きつける響きを持っていたが、どこか正体の知れない危うさが加わっていた。「久しぶりだな」

「芦田さん」私は無理に仕事用の笑顔を作った。「本日はインタビューをお受けいただき、ありがとうございます」

 彼の口の端が、ほとんど気づかないほど微かに上がった。「貴志と呼べよ。昔みたいに」

 昔。その言葉が、刃物のように私の心を切り裂いた。

「静かな場所で話そう」彼はそう言って、私についてくるよう身振りで示した。

 私たちは比較的、人目につかない一角を見つけ、向かい合って腰を下ろした。私はレコーダーとメモ帳を取り出す。

「成功の秘訣は何だと思われますか?」私は用意してきた質問から切り出した。

 貴志はすぐには答えなかった。ただ、大学時代に彼が私に向けていたのと同じ眼差しで――集中的で、強烈で、まるで私が彼の世界の中心であるかのような、あの眼差しで私を見つめていた。

「欲しいものを見つけること」彼はようやく口を開いた。「そして、手段を選ばずにそれを手に入れることだ」

 紙の上でペンが止まった。「もう少し、具体的に教えていただけますか?」

「例えば」彼は身を乗り出し、声を潜めた。「六年前、俺はあるものを失くした。とても大切なものをな」

 私の手が微かに震え始めた。「それは……取り戻せたのですか?」

「現在進行形だ」彼の視線が、私を射抜くように捉えた。「何しろ、一生をかけて待つ価値のあるものもあるからな」

「芦田さん、そろそろビジネスでのご功績についてお伺いしたいのですが」私は話題を逸らそうと試みた。

「貴志だ」彼は訂正した。「それと、君が戻ってきたことに俺が気づかないとでも思ったか?」

 血が凍りつくようだった。「何をおっしゃっているのか、分かりません」

「三ヶ月前、君はC市からN市へ飛んだ」彼の声は恐ろしいほどに穏やかだった。「桜通り七丁目の古いアパート、三階の左側。養母はS病院の四二六号室だな」

 私の手からレコーダーが滑り落ち、床に鋭い音を立ててぶつかった。

「正気じゃない……」立ち上がろうとしたが、足がゼリーのように震えて力が入らない。

「六年だ、玲奈」貴志も立ち上がり、ゆっくりとこちらへ歩み寄ってくる。「俺が諦めると思ったか?」

「私たちは……もう終わったのよ」私は後ずさった。「六年前、終わったはずよ」

「終わった?」彼の笑みは、今まで見たことのない危険な光を帯びていた。「いつ終わった? 君が金を持って消えたあの夜か? それとも、街を変えれば俺から逃げられると思った時か?」

 背中が壁にぶつかった。もう逃げ場はない。

「君の養母の治療費を誰が払ってきたか、知ってるか?」彼の腕が私の隣の壁に突かれ、私を彼と壁の間に閉じ込めた。「ビザの延長手続きをしたのは誰だ? どうやって今の仕事を得た?」

「まさか……」私の声は、かろうじて囁きになる程度だった。

「全部偶然だと思ったか?」貴志の指が、胸が張り裂けそうなほど優しく私の頬をなぞった。「玲奈、バカだな。この六年間、ずっと君の面倒を見てきたのは俺だ」

 涙が止めどなく頬を伝った。「どうして?」

「愛しているからだ」彼の親指が私の顔の涙を拭う。「六年前も、今も。そして、これからも永遠に」

「でも、私は……」

「俺を傷つけたつもりか?」彼の声はさらに柔らかくなったが、そこにはゾッとするほどの独占欲が宿っていた。「あの金が俺にとって何の意味があると思った? 数百万どころか、俺の全てを君にくれてやってもいい」

 私は必死に首を振りながら、力いっぱい彼を突き放した。「貴志、あなたは分かってない。あなたが思っているようなことじゃないの……」

「なら何だ?」彼は私の手首を掴んだ。力は強くないが、逃れられないことは分かっていた。「教えろよ。六年前、本当は何があった?」

 彼の瞳を見つめると、そこには愛と、痛みと、そしてほとんど執着に近い決意が見えた。真実を告げたい、強欲からではなく、彼を守るために去ったのだと言いたい。だが、あの声が再び頭の中で響いた――

『もし真実を話したら、芦田貴志は死ぬことになる』

「私……行かなくちゃ」私は身をよじって離れようとした。

「いいや」貴志の握る力が強まる。「今度こそ、どこにも行かせない」

「こんなこと、許されないわ!」

「許されるさ」彼の笑みは優しく、それでいて危険だった。「おかえり、玲奈。六年はもう十分だ。茶番劇は終わりだ」

 彼の目を見つめているうちに、私は恐ろしい真実を悟った――芦田貴志は、もはや六年前の純粋な大学生ではなかった。彼は私の知らない、全てを意のままに操れるほどの絶大な力を持った誰かになっていたのだ。

 そして私は、彼が周到に張り巡らせた網に、完全に囚われてしまった。

「他に……何を仕組んだの?」私は震える声で尋ねた。

 貴志は私の手首を離し、ネクタイを締め直すと、再びあの優雅なエリートビジネスマンへと姿を変えた。

「まあな」彼の笑みには、不穏な満足感が含まれていた。「すぐに分かるさ。何しろ、俺たちには有り余るほどの時間があるんだからな」

 彼は最後に名残惜しそうに私を一瞥した。その瞳には、優しくも恐ろしい約束が宿っていた――まるで、「君に逃げ場などない」と無言で告げているかのように。

 彼は背を向けて歩き去り、激しく鼓動する心臓を抱えたまま、私は一人そこに立ち尽くしていた。

最新チャプター

おすすめ 😍

死に戻り真令嬢の復讐 ~偽りの家族も血の兄も要りません

死に戻り真令嬢の復讐 ~偽りの家族も血の兄も要りません

28.1k 閲覧数 · 連載中 ·
前世の橘結衣は、兄たちに尽くし続けた。どんな理不尽にも耐え、健気に笑顔を向け続けた結衣を待っていたのは――お披露目パーティーでの無残な死だった。

破滅を経て死に戻った結衣は、人が変わったように冷徹になる。もう二度と、あの愚かな兄たちのために心を痛めたりはしない。

しかし、冷遇し始めた途端、兄たちの態度が一変する。

「いい加減、そんな冷たい態度を取るな」と迫る社長の長男。

「俺の誤解だったんだ……」と苦悩する医師の次男。

「頼む、やり直させてくれ!」とプライドを捨てて乞うトップスターの三男。

「俺の妹はお前だけだ!」と泣きじゃくる不良の四男。

だが、結衣の答えはひとつだけ。

「みんな、失せて」

復讐と無関心を胸に、彼女は一人の男性の手を取った。

「宮本景太。今日からあなただけが、私のたった一人の『お兄ちゃん』よ」

――しかし、彼女の本当の身分が明かされた時、今度は血縁関係のある「実の兄たち」が押しかけてきて――!?

「『唯一の兄』だと……? じゃあ、俺たちはお前の何なんだ!?」
空気のようだった妻が消えた日、俺の空っぽな日常が剥がれ落ちる

空気のようだった妻が消えた日、俺の空っぽな日常が剥がれ落ちる

41.8k 閲覧数 · 連載中 · わたあめ
妻の存在は、いつだって当たり前で、ただそこにあるだけのものだと思っていた。
だが、帰宅した俺を迎えたのは、もぬけの殻になったクローゼットと、机の上に置かれた離婚届だけだった。
三年間、彼女は何を思い、何に耐えていたのか。
初めて向き合った彼女の不在は、何よりも鋭く俺の心臓を抉る。
失って初めて気づく、俺を誰よりも愛していたはずのその手。
タイムリミットが迫る中、俺は彼女という「唯一の場所」を取り戻すために奔走する。
——もう遅いのか、それともこれはやり直すための罰なのか。
令嬢は離婚を機に大富豪への道を歩む

令嬢は離婚を機に大富豪への道を歩む

818.4k 閲覧数 · 連載中 · 蜜柑
天才陰陽師だった御影星奈は、かつて恋愛脳のどん底に落ち、愛する男のために七年もの間、辱めに耐え続けてきた。しかしついに、ある日はっと我に返る。
「瀬央千弥、離婚して」
周りの連中はこぞって彼女を嘲笑った。あの瀬央様がいなくなったら、御影星奈は惨めな人生を送るに決まっていると。
ところが実際は――
財閥の名家がこぞって彼女を賓客として招き入れ、トップ俳優や女優が熱狂的なファンに。さらに四人の、並々ならぬ経歴を持つ兄弟子たちまで現れて……。
実家の御影家は後悔し、養女を追い出してまで彼女を迎え入れようとする。
そして元夫も、悔恨の表情で彼女を見つめ、「許してくれ」と懇願してきた。
御影星奈は少し眉を上げ、冷笑いを浮かべて言った。
「今の私に、あなたたちが手が届くと思う?」
――もう、私とあなたたちは釣り合わないのよ!
監禁から1年、捨てられた令嬢は元婚約者の叔父を娶る

監禁から1年、捨てられた令嬢は元婚約者の叔父を娶る

136.2k 閲覧数 · 連載中 · 鈴木楓花
監禁から1年。ようやく帰宅した今井心晴を待っていたのは、変わり果てた日常だった。
家族は心晴を探そうともせず、あろうことか姉の今井優奈のために盛大な誕生日パーティーを開いていた。
しかも、その横には心晴の元婚約者の姿が……二人は婚約していたのだ。
しかし、心晴はただの被害者ではなかった。
彼女は人知れず巨額の資産と強大なコネクションを築き上げていたのだ。
真実を知った心晴は、復讐の狼煙を上げる。
彼女が選んだ新たなパートナーは、なんと元婚約者の叔父だった。
「これからは私のことを『おばさん』と呼ぶのよ、優奈!」
二度目はない 動じず咲く

二度目はない 動じず咲く

183.2k 閲覧数 · 完結 · Gloria Fox
結婚式の一ヶ月前、私は一年かけて自らの手で縫い上げたウェディングドレスを燃やした。

婚約者は身ごもった愛人を腕に抱き寄せたままそこに立ち、私を鼻で笑っていた。「俺がいなきゃ、お前なんて何の価値もない」

私はきびすを返し、この街で最も裕福な男の扉を叩いた。「ロック氏、政略結婚にご興味はおありですか? 千億ドル相当の株式――それに加え、未来のビジネス帝国も無料でお付けいたしますわ」
マフィア姫の帰還

マフィア姫の帰還

57.1k 閲覧数 · 完結 · Tonje Unosen
タリアは何年ものあいだ、母と義理の妹、そして継父と暮らしてきた。だがある日、ついにそこから逃げ出すことに成功する。

ところがその直後、自分にはまだ外に家族がいるのだと知る。そして本当に自分を愛してくれる人たちが大勢いることも――そんなものは今まで感じたことがなかった。少なくとも、彼女の記憶にあるかぎりでは。

タリアは人を信じることを学ばなければならない。新しくできた兄たちにも、ありのままの自分を受け入れてもらわなければならないのだ。
伝説の天才、偽りの姿だ

伝説の天才、偽りの姿だ

21.8k 閲覧数 · 連載中 · ショコラ風味
トップ組織のS級エージェントであり、冷徹無情、そして圧倒的な知性を誇った主人公。しかし、仲間に裏切られ、無残にも殺害されてしまう。

だが、目を覚ますと、知能が低いと見下されている「不細工な女子大生」へと生まれ変わっていた。

容姿を嘲笑われれば、自ら開発したスキンケアクリームで誰もが息をのむ美貌へと変貌を遂げる。

知性を馬鹿にされれば、世界最高峰の大学の総長が自らスカウトに訪れ、医学界の権威は秘密の処方を求めて跪き、国際的なトップスターは楽曲の編曲を求めて彼女を追いかける。

二度目の人生こそは平凡な生活を味わおうとしたものの、隠された正体が次々と暴かれ、気づけばまたしても世界の頂点へと上り詰めてしまう。

背後には無数の配下を従え、その傍らには彼女を守る冷徹な実力者が寄り添うが、この冷徹な男は何かと嫉妬深く、彼女を翻弄してくるのだった。
家族の縁を切った日、兄たちはすべてを失った

家族の縁を切った日、兄たちはすべてを失った

738.6k 閲覧数 · 連載中 · 風見リン
前の人生で両親が交通事故で亡くなった後、長兄は世間体を気にして、事故を起こした運転手の娘を家に引き取った。
公平を期すという名目のもと、兄たちは彼女からリソースを根こそぎ奪い、その尊厳を踏みにじってまで、運転手の娘を支えた。
彼女は兄たちのためにすべてを捧げたというのに、家を追い出され、無残に死んだ。

生まれ変わった今、彼女は人助けの精神などかなぐり捨てた。許さない、和解しない。あなたたちはあなたたちで固まっていればいい。私は一人、輝くだけ。

兄たちは皆、彼女がただ意地を張っているだけだと思っていた。三日もすれば泣きついて戻ってくるだろうと高を括っていたのだ。
だが三日経ち、また三日経っても彼女は戻らない。兄たちは次第に焦り始めた。

長兄:「なぜ最近、こんなに体調が悪いんだ?」――彼女がもう滋養強壮剤を届けてくれないからだ。
次兄:「会社のファイアウォールは、なぜこうも問題ばかり起こす?」――彼女がメンテナンスに来なくなったからだ。
三兄:「新薬の開発が遅々として進まないのはなぜだ?」――彼女が治験をしなくなったからだ。
四兄:「どうしてこんなにつまらない脚本しか上がってこない?」――彼女がもう執筆しないからだ。
五兄:「この義肢は、なぜこんなに出来が悪いんだ?」――彼女が製作をやめたからだ。
六兄:「なぜチームが負けた?」――彼女が脱退したからだ。

兄たちは地に膝をついて許しを請うた。「戻ってきてくれ。俺たちこそが、血を分けた本当の家族じゃないか」

彼女は絶縁状を兄たちの顔に叩きつけ、冷ややかに笑った。
「車が壁にぶつかってから、ようやくハンドルを切ることを覚えたのね。株が上がってから、ようやく買うことを覚え、罪を犯して判決が下ってから、ようやく悔い改めることを覚えた。残念だけど、私は――許さない!」
妻が去り、妊娠を知った俺は、ただ泣き崩れるしかなかった

妻が去り、妊娠を知った俺は、ただ泣き崩れるしかなかった

541.8k 閲覧数 · 連載中 · 蛙坂下道
鈴木七海は、中村健に好きな人がいることをずっと知っていた。それでも、彼との結婚を選んだ。
しかし、結婚して5年後、彼は離婚を切り出した。その時初めて、彼の想い人が私の父の隠し子(私の異母兄弟)だと知った。
離婚を決意した七海だったが、その時にまさかの妊娠が判明した。
社長の可愛い若妻

社長の可愛い若妻

20.3k 閲覧数 · 連載中 · 月島 ことね
丸5年もの間、私はすべてを捧げて林翔太を深く愛してきた。しかし、私たちの記念パーティーの夜、彼が新入りの秘書とキスしている現場を目撃してしまう。その瞬間、私の恋の魔法は完全に解けた。

愛に絶望した私は、お互いの利益のための「契約結婚」に同意する。てっきり、悪名高いプレイボーイの蒼井翼と結婚するものだと思っていた。ところが、書類にサインする瞬間、婚姻届に書かれていた名前は――蒼井沢言。誰もがその名を聞くだけで震え上がり、「地獄の帝王」と恐れられる冷酷な巨大財閥のトップだった。

彼は私に数々の価値連根のジュエリーを贈り、私の敵をすべて排除し、世のあらゆる嵐から守ってくれた。けれど、「愛している」という言葉だけは、一度も口にしなかった。

しかしある夜、彼は私を壁に押し付け、熱い吐息を肌に吹きかけながら、低く掠れた声で囁いた。
「音羽、俺をいつまで待たせるつもりだ?」

――この結婚は、決して偶然などではなかった。最初からすべて、彼が仕組んだ「執念の計画」だったのだ。
不倫夫を捨て、私は大富豪の妻になる

不倫夫を捨て、私は大富豪の妻になる

367.6k 閲覧数 · 連載中 · 七海
人生最良の日になるはずだった、結婚式当日。
新郎の車から出てきたのは、見知らぬ女の派手なレースの下着だった。

しかも、その布切れにはまだ。生々しい情事の痕跡が残されていた。

吐き気がするほどの裏切り。
幸せの絶頂から地獄へと突き落とされた私。

けれど、泣き寝入りなんてしてやらない。
私はその場でウェディングドレスの裾を翻し、決意した。

「こんな汚らわしい男は捨ててやる」

私が選んだ次の相手は、彼など足元にも及ばない世界的な億万長者で?
追放された偽令嬢、実は超財閥の真の令嬢

追放された偽令嬢、実は超財閥の真の令嬢

161.5k 閲覧数 · 連載中 · あざ鳥
「お前みたいな偽物の令嬢、さっさと山奥に帰れ!」

孤児だと判明した途端、彼女は養父母から冷酷に家を追い出され、婚約者も本物の令嬢へと乗り換えた。
彼らは、彼女がこれからド田舎で悲惨な生活を送るのだとあざ笑っていた。

しかし、彼女を迎えに来た実の家族は、なんと世界を牛耳る超巨大財閥の一族だった!
さらに、彼女自身もただの小娘ではない。その正体は、世界の医学界が平伏す伝説の天才医師だったのだ。

実家に戻るや否や、彼女は神業のようなメス捌きで次々と難病患者を救い、医療界の権威たちを圧倒していく。その圧倒的な実力に、誰もが恐れる冷酷なトップ御曹司でさえも彼女に惹かれ、無限額のブラックカードを差し出す始末。

一方、彼女を追い出した養父母の家業は倒産寸前に陥り、元婚約者も彼女の本当の姿を知って絶望の淵に立たされていた。
彼らが泣きついて許しを乞うても、彼女は冷たく言い放つ。

「今さら後悔しても、もう遅いわ」