死んだはずの美人先生が、深夜のライブ配信で俺が『ベッドに来る』のを待っている

死んだはずの美人先生が、深夜のライブ配信で俺が『ベッドに来る』のを待っている

渡り雨 · 完結 · 26.1k 文字

262
トレンド
266
閲覧数
78
追加済み
本棚に追加
読み始める
共有:facebooktwitterpinterestwhatsappreddit

紹介

プログラマーの瀬戸遼太郎は、ある深夜のライブ配信で、謎めいた配信者「雪花」と出会う。彼女の容姿は、高校時代の先生椎名紗織と驚くほど酷似していた。

20万円の投げ銭をきっかけに「特別なサービス」へと誘われたことで、復讐の名を冠した危険なゲームの幕が上がる。雪花が自ら身体を捧げ、盗撮映像を仕掛けたその時、瀬戸は彼女こそが死を偽装し、六年間耐え忍んできた椎名先生本人であると気づく。

二人は手を組み、同窓会を舞台にしたハニートラップで権力者の息子による性的暴行の証拠を入手。ライブ配信を通じてそれを暴露し、世論を巻き込んだ「全民裁判」を巻き起こす。

ついに十万人のネットユーザーが見守る中、加害者は法の下に裁かれる。椎名先生は「月野美咲」として新たな生を得て、瀬戸と真相と愛が絡み合う禁断の恋を始めるのだった。

生と死を越えたこの復讐劇は、正義の祝祭であると同時に、抑圧された魂の自己救済の物語でもある

チャプター 1

 午前二時、東京のとあるオフィスビル。広大なフロアの明かりはほとんどが落とされ、その一角でデスクのライトだけが島のよ

うに浮かび上がっていた。その中心にいるのは、システムエンジニアの瀬戸遼太郎ただ一人。

 静寂を切り裂くように、キーボードを叩く音だけが甲高く響き渡る。三日徹夜の肉体は鉛のように重く、カフェインで無理やり繋ぎ止めた思考は、とっくに飽和状態だった。乾いた眼球の奥が、ずきりと痛む。

「クソッ、このバグが……!」

 瀬戸は呻きながらこめかみを押さえ、無意識に画面右下のデジタル表示に目を落とした。またしても、眠れない夜が更けていく。

 機械的な手つきでコードを保存すると、彼はいつもの習慣でライブ配信プラットフォームを開いた。ここ数年、女性配信者の他愛ない声を聞き流すことが、唯一の慰めになっていた。

 トップページには、過剰な美顔フィルターと、判で押したような甘ったるい笑顔。そんなサムネイルが画面を埋め尽くしている。

「またこの作り物の顔か……」

 瀬戸はうんざりして眉をひそめた。もう、見飽きた。

 目的もなくマウスホイールを回していると、ふと、一つのサムネイルが目に留まった。視聴者数『三七』。そんな数字が寂しげに表示された、過疎配信ルーム。

 ルーム名は『深夜の独り言』。配信者の名は『雪花』。派手な加工はなく、ただギターを抱えてカメラに背を向けた、少女のシルエットがあるだけだった。

「ずいぶん、寂れてるな」

 ほんの少しの好奇心に引かれ、瀬戸はそれをクリックした。

 画面が切り替わった瞬間、瀬戸遼太郎の世界から、音が消えた。

 画面の中の女性が、アコースティックギターを優しく爪弾いている。華奢な指が弦の上を軽やかに舞う。やがて彼女がふっと顔を上げ、潤んだ瞳でカメラを見つめた――その瞬間、瀬戸の瞳孔が限界まで見開かれ、指先が凍りついたように震え始めた。

「……嘘、だろ……」

 その顔、その瞳、その柔らかな微笑み。彼の記憶の底に焼き付いた姿と、寸分違わずに重なった。

 六年間、一日たりとも忘れたことなどなかった。高校時代の担任、椎名紗織。二十五歳の若さで母校に赴任してきた、最年少の教師。

 優しく、美しく、才能に溢れた彼女は、灰色だった瀬戸の青春時代における、唯一の光だった。

 もう一度会いたいと、何度夢に見ただろう。だが、こんな場所での再会など、想像したことすらなかった。

「皆さん、最後まで付き合ってくれてありがとう。人は少ないけど、すごく嬉しいです……」

 雪花の、凛としていながらどこか儚い声がスピーカーから流れ出る。六年前、教壇から聞こえたあの声と寸分違わない、優しい響き。

 瀬戸の心臓が、大きく一度、跳ねた。

 声も、顔も、ギターを抱える姿も。考え事をする時に、つい下唇をきゅっと噛むあの些細な仕草さえ、記憶の中の椎名先生、そのものだった。

「リスナーの皆さん、今夜は最後に『青春』という曲を歌いたいと思います。もう戻れない、美しい日々に捧げます……」

 雪花は弦をそっと撫で、透き通るような声で歌い始めた。

「青春の思い出は、決して消えはしない。時がどれだけ、二人を隔てても……」

 瀬戸は、呼吸さえ忘れて画面に見入っていた。

 その歌は、椎名先生が文化祭の後夜祭で歌ってくれた、あの曲だった。体育館のステージでスポットライトを浴びる彼女を見上げながら、自分も彼女にふさわしい人間になるのだと、固く心に誓ったのだ。

 だが、卒業と同時に、二人の糸はぷっつりと切れた。

「椎名……先生……本当に、先生なんですか……?」

 呟きと同時に、熱いものが瀬戸の頬を伝った。

 感情の濁流が、なけなしの理性を押し流す。何かに憑かれたように、瀬戸は課金ボタンを連打し、震える指でキーボードを叩きつけた。

「うおっ! 二十万!」

「太客キターーー!」

「雪花ちゃん、一発逆転じゃん!」

 コメント欄が沸き立つ中、雪花の歌声がぴたりと止んだ。彼女は画面に躍る『¥200,000』の文字を、ただ呆然と見つめている。

「にじゅうまん、えん……」

 信じられない、とでも言うように声が震えていた。

「うそ……リスナーさん、このお礼、なんて言ったら……」

 雪花は『深夜』というIDを、感激に潤んだ瞳で見つめた。配信を始めて以来、受け取った最高額のスーパーチャットだった。

「どなたかは存じ上げませんけれど、本当に、本当にありがとうございます!」

 雪花はカメラに向かって、深々と頭を下げた。

「きっと、すごく特別な方なんですね……」

 瀬戸は息を殺して、彼女の次の言葉を待った。

「深夜さん、こんなに気前がいいなんて……」

 雪花は悪戯っぽく微笑むと、画面にプライベートチャットの招待を送ってきた。

「もしよろしければ、個人的にお礼をさせていただけませんか?」

 瀬戸は、心臓の激しい鼓動を感じながら、震える手でチャット画面を開いた。

『応援ありがとうございます。本当に素敵な方ですね♡』

 雪花からのメッセージが届く。

『個人的にお礼がしたいんです。あなたのどんなお願いでも聞きますよ♡』

 どんな、お願いでも?

 瀬戸の喉が、ごくりと鳴った。

 続けざまに、グループチャットへの招待リンクが送られてくる。

『内緒のシェア』――その名前だけで、卑しい想像が頭をよぎる。

『私のVIPグループです。特別なリスナーさんだけご招待してるんです♡』と雪花は説明した。

 一瞬の躊躇いの後、瀬戸は『参加』をクリックした。

 オンライン中のメンバーは十三人。自分以外に、十数人の男がいるらしい。グループのお知らせには、こう書かれていた。

『雪花の特別なお友達へ。ここは私たちの秘密の花園です♡』

 グループに参加するや否や、雪花からダイレクトメッセージが届き、数枚の写真が添付されていた。

 白いレースのネグリジェを纏った、艶めかしい自撮り。薄い布地越しに浮かび上がる胸のラインが、瀬戸の全身の血を沸騰させる。こんな椎名先生は、見たことがない。

『深夜さん、あんなにたくさん……。会いたいです、ダメですか?』

『本当に、どんなお願いでも聞きますから♡』

 瀬戸は画面の文字を凝視した。理性が警鐘を鳴らす。だが、心の奥底で燃え盛る欲望が、その音を掻き消していく。

 六年間、夢に見続けた。もう一度、椎名先生に会うことを。

 だが、今の彼女は妖艶で、大胆で、誘惑に満ちている。まるで別人だ。

 これは本当に、あの清廉で、教師の規範を誰より守っていた椎名先生なのだろうか。それとも、ただ顔が似ているだけの、赤の他人か。

 だが、九十九パーセントの酷似が、心の疼きを否定させてくれない。

 午前三時半。空調の低い唸りだけが響く暗闇の中、瀬戸は一人、画面の中の『雪花』と記憶の中の『椎名先生』を繰り返し見比べていた。どの細部もあまりに似すぎていて、もはや別人だとは考えられなかった。

 だが、もし本当に先生なら、なぜこんな場所に?

『会いたいです』

 渇望が、最後の理性を焼き切った。瀬戸は震える指で、その一言を打ち込んだ。

 返信は、ほとんど同時だった。

『明日の夜八時、渋谷駅で。白いワンピースを着て待ってます♡』

「ええ……必ず、行きます」

 瀬戸は興奮のままに、そう返信した。

 メッセージを送り終えると、彼は椅子の背にぐったりと体重を預けた。心臓が、破裂しそうなほど激しく脈打っていた。

最新チャプター

おすすめ 😍

マフィア姫の帰還

マフィア姫の帰還

56.6k 閲覧数 · 完結 · Tonje Unosen
タリアは何年ものあいだ、母と義理の妹、そして継父と暮らしてきた。だがある日、ついにそこから逃げ出すことに成功する。

ところがその直後、自分にはまだ外に家族がいるのだと知る。そして本当に自分を愛してくれる人たちが大勢いることも――そんなものは今まで感じたことがなかった。少なくとも、彼女の記憶にあるかぎりでは。

タリアは人を信じることを学ばなければならない。新しくできた兄たちにも、ありのままの自分を受け入れてもらわなければならないのだ。
地獄から帰った私を、頂点の男が甘やかすなんて聞いてない

地獄から帰った私を、頂点の男が甘やかすなんて聞いてない

7.3k 閲覧数 · 連載中 · 三日月プリン
「救うのは妹の方だ。お前は強いから、生き残れるだろう」
十八年間、空気のように扱われ、誘拐事件の際にも迷わず切り捨てられた私。
「強さ」という名の言い訳で死の淵に追いやられた私は、地獄の果てで生き延びた。
そして今、全国民が見守る超人気リアリティショーの舞台に、私は「かつての復讐者」として舞い戻る。
家族が偽りの善人面を振りまく中、彼らの仮面を一枚ずつ剥ぎ取っていく最高のショウタイム。
そんな私を面白がり、盤面をひっくり返す男がいた。冷徹なるF1チャンピオン。彼だけは、私の冷酷な正義を肯定し、その権力で私を囲い込む。
さあ、復讐劇の始まりよ。私を「可哀想な犠牲者」だと思っていた報い、その身に刻ませてあげる。
追放された偽物の娘、その正体は最強でした

追放された偽物の娘、その正体は最強でした

826.7k 閲覧数 · 連載中 · ゲゲゲ
「本物の娘が見つかった。お前はもう用済みだ」
あの子が現れたその日、私は『偽物の娘』として家を追い出された。
渡されたのは、わずかな小銭と地方行きの片道切符だけ。
さらに婚約者は私をゴミのように捨て、その日のうちに『本物』であるあの子にプロポーズした。

……上等じゃない。せいぜい勝った気でいればいいわ。
だって彼らは、私の【本当の顔】を何一つ知らないのだから。

名門病院が見放した命を救う『天才外科医』。
オークションで数億円の値を叩き出す『伝説の画家』。
裏社会の闘技場で無敗を誇る『影の女王』。
そして――彼らの全財産すら小銭に思えるほどの『真の巨大財閥の後継者』であることを。

今さら元婚約者が土下座で許しを請おうと、本物の娘が嫉妬で狂いそうになろうと、もう遅い。
かつて私に婚約破棄の書類を叩きつけた冷酷で傲慢なCEOでさえ、今や何かに取り憑かれたように私を追い回し、「もう一度だけチャンスをくれ」とすがりついてくる始末。

私を捨てて、自分たちの人生を『アップグレード』したつもり?
笑わせないで。最初から、圧倒的に上の存在だったのは私のほうよ。
今さら跪く元夫を置き去りに、大富豪の甘い執着愛が始まりました

今さら跪く元夫を置き去りに、大富豪の甘い執着愛が始まりました

11.9k 閲覧数 · 連載中 · 桜井 ゆい​
夫は私を、別の男のベッドへ差し出した。
あの男にとって、私は自分の出世や欲望のために利用する「モノ」でしかなかったのだ。

だが、あの男は夢にも思っていなかった。
自分がゴミのように投げ捨てた贈り物が、この国で最も恐れられ、最も力を持つ男の「かけがえのない愛する人」になるなんて。

やがて絶望を知り、私の前に跪いて許しを乞う元夫。
その惨めな姿を見下ろす私を、最高峰の男が背後から抱き寄せ、耳元で低く甘く唸った。

「俺の子供を身ごもっておきながら、一体どこへ行こうというんだ?」

――捨てられた妻の反撃と、逃げられない絶対的な愛が、ここから始まる。
お払い箱の杖は、夜に咲く

お払い箱の杖は、夜に咲く

6.3k 閲覧数 · 連載中 · 森川澪
「目が見えるようになった途端、手すりの杖を捨てるのね」

事故で盲目かつ失聴した夫を5年間、溢れる愛で献身的に支え続けた主人公。しかし、五感が戻った夫が最初に抱きしめたのは、かつて彼が愛した初恋の女だった。

家族からも夫からも裏切られた彼女は、未练を一切捨てて離婚を決意。

離婚の理由に「夫の夜の体力不足」という最大の屈辱を書き残し、結婚指輪を捨ててあっさりと家を出る。

夫の好みに合わせてこれまで隠していた「息をのむほど明艶な美貌」を解放し、夜の街へと繰り出した彼女は、一瞬で全場の視線を独占する。

バーのVIP席からその圧倒的な美女を凝視し、なぜか目が離せなくなっている元夫は、まだ気づいていない。それが、自分が「地味で退屈な女」だと見下していた元妻の真の姿だということに……
死に戻り真令嬢の復讐 ~偽りの家族も血の兄も要りません

死に戻り真令嬢の復讐 ~偽りの家族も血の兄も要りません

24.9k 閲覧数 · 連載中 ·
前世の橘結衣は、兄たちに尽くし続けた。どんな理不尽にも耐え、健気に笑顔を向け続けた結衣を待っていたのは――お披露目パーティーでの無残な死だった。

破滅を経て死に戻った結衣は、人が変わったように冷徹になる。もう二度と、あの愚かな兄たちのために心を痛めたりはしない。

しかし、冷遇し始めた途端、兄たちの態度が一変する。

「いい加減、そんな冷たい態度を取るな」と迫る社長の長男。

「俺の誤解だったんだ……」と苦悩する医師の次男。

「頼む、やり直させてくれ!」とプライドを捨てて乞うトップスターの三男。

「俺の妹はお前だけだ!」と泣きじゃくる不良の四男。

だが、結衣の答えはひとつだけ。

「みんな、失せて」

復讐と無関心を胸に、彼女は一人の男性の手を取った。

「宮本景太。今日からあなただけが、私のたった一人の『お兄ちゃん』よ」

――しかし、彼女の本当の身分が明かされた時、今度は血縁関係のある「実の兄たち」が押しかけてきて――!?

「『唯一の兄』だと……? じゃあ、俺たちはお前の何なんだ!?」
転生して絶縁したら、元家族は破滅に

転生して絶縁したら、元家族は破滅に

34.5k 閲覧数 · 連載中 · ワニノコ
名門古川家の生まれの娘・古川朱那は、前世、父・古川邦夫と三人の兄(礼和、礼希、礼人)が養妹・周防天華を無条件に贔屓し、天華の陰険な陥れに遭い、理不尽に死んだ。
22 歳、天華に陥れられた日に生まれ変わった朱那は、過去の卑屈さを捨て、天華の悪事を暴き、偏心な家族に毅然と立ち向かう。芸能界で演技の才能を開花させ、自らの人生を切り開くため、全力で逆襲する。
令嬢は離婚を機に大富豪への道を歩む

令嬢は離婚を機に大富豪への道を歩む

815.4k 閲覧数 · 連載中 · 蜜柑
天才陰陽師だった御影星奈は、かつて恋愛脳のどん底に落ち、愛する男のために七年もの間、辱めに耐え続けてきた。しかしついに、ある日はっと我に返る。
「瀬央千弥、離婚して」
周りの連中はこぞって彼女を嘲笑った。あの瀬央様がいなくなったら、御影星奈は惨めな人生を送るに決まっていると。
ところが実際は――
財閥の名家がこぞって彼女を賓客として招き入れ、トップ俳優や女優が熱狂的なファンに。さらに四人の、並々ならぬ経歴を持つ兄弟子たちまで現れて……。
実家の御影家は後悔し、養女を追い出してまで彼女を迎え入れようとする。
そして元夫も、悔恨の表情で彼女を見つめ、「許してくれ」と懇願してきた。
御影星奈は少し眉を上げ、冷笑いを浮かべて言った。
「今の私に、あなたたちが手が届くと思う?」
――もう、私とあなたたちは釣り合わないのよ!
監禁から1年、捨てられた令嬢は元婚約者の叔父を娶る

監禁から1年、捨てられた令嬢は元婚約者の叔父を娶る

132.7k 閲覧数 · 連載中 · 鈴木楓花
監禁から1年。ようやく帰宅した今井心晴を待っていたのは、変わり果てた日常だった。
家族は心晴を探そうともせず、あろうことか姉の今井優奈のために盛大な誕生日パーティーを開いていた。
しかも、その横には心晴の元婚約者の姿が……二人は婚約していたのだ。
しかし、心晴はただの被害者ではなかった。
彼女は人知れず巨額の資産と強大なコネクションを築き上げていたのだ。
真実を知った心晴は、復讐の狼煙を上げる。
彼女が選んだ新たなパートナーは、なんと元婚約者の叔父だった。
「これからは私のことを『おばさん』と呼ぶのよ、優奈!」
未熟

未熟

7.4k 閲覧数 · 連載中 · ほしの なお
結婚3周年の日、見知らぬ相手からのメッセージが私の命を救い、同時に完璧だった結婚生活を木端微塵に砕いた。夫は親友と不倫し、義母は犯罪組織を牛耳る黒幕だった。
嘘の巣窟に囚われた私は、冷徹で権力を持つ弁護士にすがり、復讐を誓う。妊娠の偽装、証拠集め――奴らをすべて破滅させてやる。
だが、私を導く謎の「見知らぬ人」はいったい誰なのか? そして、その弁護士が本当に求めているものとは――?
不倫夫を捨て、私は大富豪の妻になる

不倫夫を捨て、私は大富豪の妻になる

359.9k 閲覧数 · 連載中 · 七海
人生最良の日になるはずだった、結婚式当日。
新郎の車から出てきたのは、見知らぬ女の派手なレースの下着だった。

しかも、その布切れにはまだ。生々しい情事の痕跡が残されていた。

吐き気がするほどの裏切り。
幸せの絶頂から地獄へと突き落とされた私。

けれど、泣き寝入りなんてしてやらない。
私はその場でウェディングドレスの裾を翻し、決意した。

「こんな汚らわしい男は捨ててやる」

私が選んだ次の相手は、彼など足元にも及ばない世界的な億万長者で?
トップ暗殺者、学園に転生する

トップ暗殺者、学園に転生する

8.2k 閲覧数 · 連載中 · ミサキ
太平洋の孤島に響き渡る爆発音の中、私は敵と刺し違えることで、すべてに終止符を打った。
そして、目が覚めた。

16歳。肥満体型。顔中に広がったニキビ。冷え切った体育倉庫の片隅で、私は丸まっていた。
周囲から16年間ずっと忌み嫌われてきたこの肉体の中で、私はわずか3秒で状況を理解した――。

「死体への憑依、つまり――転生だ」

元の肉体の持ち主は、誰もが容赦なく踏みにじる、お人好しの「いじめられっ子」だった。
継母は慢性的な毒物で彼女の身体を破壊し、実の妹は彼女を裏切って罠に嵌め、クラスメイトは彼女を暗闇に閉じ込めて冷水を浴びせ、教師さえも一緒になって彼女を踏みつけにする。

だが、あいにく。
今この身体の中にいるのは、暗殺組織のトップだ。
地獄の底から這い上がってきた、一人の女だ。

私はまず、元の持ち主が昨夜味わった屈辱のツケをきっちりと払わせ、皮膚に残る毒素を洗い流した。
物理のテストでは満点をもぎ取り、超一流の弁護士を1分1秒の狂いもなく現場へ急行させて私の弁護に当たらせ、果ては市長自らに我が家の門を叩かせ、私の後ろ盾にならせた。

今世において、私に借りのある全ての奴らから、一筆一筆、その代償を血で購わせてやる。