実の妹と私を騙した冷徹夫、失うものすら残らない地獄へようこそ

実の妹と私を騙した冷徹夫、失うものすら残らない地獄へようこそ

^野田恵^ · 連載中 · 627.5k 文字

282
トレンド
8.5k
閲覧数
285
追加済み
本棚に追加
読み始める
共有:facebooktwitterpinterestwhatsappreddit

紹介

来栖琴音は、自分たちの結婚が本物の愛で結ばれていると信じて疑わなかった。

この3年間、彼女は自分のキャリアさえも犠牲にして、完璧な妻であり続けようと尽くしてきた。
――だが、そんなおとぎ話は、夫の裏切りを知った瞬間に無惨にも崩れ去る。

不倫の真相を追う彼女の前に、次々と暴かれていく歪んだ欺瞞の数々。
あろうことか実の妹との禁断の不貞、横領された会社の資産、そして琴音の社会的名声を徹底的に失墜させようとする冷酷な陰謀――。
彼は彼女の心を壊しただけではない。彼女の未来そのものを盗み取っていたのだ。

無駄にされた10年分の対価を、今度は私がすべて奪い尽くす番。
――最後に何もかもを失って絶望するのは、あなたよ。

チャプター 1

夕食のあと、娘がアニメを見たいと騒ぎ出した。

来栖琴音はリモコンを手にチャンネルを変えようとして――ふと、画面の端を横切った一瞬の映像に目を奪われる。

あの横顔。あのコート……。

間違いない。夫の川島治だ。

しかも、彼の腕の中には女がいた。女は正面を見せず、骨が抜けたみたいに男の胸へもたれかかっている。

番組は生放送のグルメ系。

そして夫は今ごろ会議中のはずだった。もし彼がこの番組に映っているなら――つまり、嘘をついている。

胸がざわつき、呼吸が浅くなる。

……まさか。

浮気?

「ママ、アニメ! アニメ見たい! はやくアニメのチャンネル!」

娘の声に、琴音は現実へ引き戻された。画面は琴音がよく見る食べ歩き配信で、気づけば映像は厨房へ切り替わっている。

でも、あの店は知っている。数日前、川島治とデートで行ったばかりだ。雰囲気のいいレストラン。

「月乃ちゃん、いい子でアニメ見てて。ママ、ちょっと用事」

娘を落ち着かせ、琴音は寝室へ戻った。自分でもわかるほど顔色が悪い。

見間違いであってほしい。

ビデオ通話をかける。甲高い呼び出し音がいつまでも続き、心がずるずる沈んでいく。

本当に、他の女とデートしてるの……?

出て。お願い、出て――!

崩れ落ちそうになったその瞬間、ようやく接続され、カメラがぶれる。

けれど映ったのは川島治ではなかった。

「もしもし、琴音さん。川島社長をお探しですか?」

琴音は固まった。

「野村さん? どうしてあなたが……治は?」

野村は川島治の秘書だ。もともと琴音が採用し、仕事が丁寧で立ち回りも上手かったから、会社を離れる前にわざわざ治のそばへ付けた人間。

元上司相手でも、野村はきっちりとした口調で返す。

「琴音さん、川島社長は会議中でして、今はお電話に出られません。会議が終わりましたら折り返すようお伝えいたします」

琴音はうなずいた。治は会議のとき携帯を持ち込まない癖がある。

画面の向こうを目を凝らして見る。野村の背後の景色が会社のそれだと確認できて、ようやく息を吐いた。

「わかった。終わったら早めに帰ってくるように言って」

通話を切った瞬間、琴音は盛大に後悔した。

やっぱり、私の見間違い……?

川島治は誰もが褒めるいい夫だ。

顔はいい、才能もある。琴音と娘への甘やかしぶりは、むしろ過保護なくらい。

そんな男が、浮気なんてする?

――夜八時。

娘を風呂に入れていると、川島治からビデオ通話が入った。

出ると、画面に彼の整った顔。穏やかで上品な声が響く。

「ごめん、さっき会議で携帯置いててさ。野村が、君が電話したって」

「パパだ!」

月乃が湯船の中でぱしゃぱしゃ水を叩いてはしゃぐ。

琴音は片手でスマホを持ち、もう片方で娘を制しつつ、もう一度画面を見る。視線がふと夫の服へ落ちた。

「……あなた、着替えたの?」

今朝、家を出たときは琴音が用意したコートを着ていたはずだ。

それを聞いた治は、少し不満そうに口を尖らせる。

「野村がさ、ドジってコーヒーこぼしたんだよ。君が休憩室に替えを置いとけって言ってくれて助かった。じゃなきゃ汚れたまま客先に出るところだった」

琴音は目を細め、自然に追撃する。

「客先に会ったなら、食事に誘わなかったの?」

「相手が奥さんと結婚記念日だって。次回にした」

答えたあと、治は首をかしげる。

「……ねえ、どうしたの?」

「ううん、何でもない」

琴音はすぐ話題を変えた。

「いつ帰ってくる?」

「すぐ」

画面越しの目に、確かな愛情が宿っている。こんな目を、他の女に向けるとは思えない。

じっと見つめていると、治が悪戯っぽく笑った。

「なに、今日一日会えなくて寂しかった?」

これ以上甘いことを言われたら心がもたない。琴音は慌てて遮る。

「運転気をつけて。切るよ!」

治はすぐ帰宅した。玄関で上着を脱ぐなり、琴音と月乃に軽くキスを落とし、琴音の手から絵本を受け取る。

「君、今日は疲れたろ。先にお風呂入っておいで。俺が月乃に読み聞かせする。月乃、いい?」

「うん!」

琴音は子ども部屋を出た。淡い灯りが治の肩を柔らかく照らし、家の中が静かで温かい。

頭を軽く振る。

……琴音、琴音。こんな家庭的で優しい男が浮気するわけない。

あのコートだって高いけれど、別に特注品じゃない。たまたま似たものだっただけかもしれない。

それに、野村が自分のビデオ通話を受けたということは、治の携帯がそこにあったということ。二人は一緒にいた。

疑う理由なんて、もうない。

風呂から上がると、月乃はすでに寝かしつけられていた。

「あなた、上着……洗う?」

ソファにかけてあった二着を手に取る。治が着て帰ったスーツと、コーヒーをこぼしたというコート。

「いい」

寝室へ行ったはずの治が引き返してきて、琴音の手からコートを抜き取った。

「それは洗わなくていい。野村がもうクリーニング出したから」

琴音はうなずく。だから近づいてもコーヒーの匂いがしなかったのか。

けれど、ふと気になって口が勝手に動いた。

「……ねえ。あなたの服、なんで女物の香水の匂いがするの? 誰の?」

治は笑ってからかう。

「また嫉妬? 君はすぐ妄想するんだから」

そう言いながら抱き寄せ、手は遠慮なく琴音の体を探る。

家庭に入って何年も経つのに、琴音は体型を崩していなかった。会社が軌道に乗ってからは、自分の手入れにも手間を惜しまなかった。

だらしない女ではない。むしろ魅力的だ。専業主婦でも、女としての艶は失っていない。

だからこそ、信じたくなかった。

こんな綺麗な女を家に置いて、外でつまみ食いなんて――。

けれど、万が一はある。

「……離して」

治が平然としているのが、逆に腹立たしい。琴音は眉を寄せた。

「野村が言ってた。今日、会社で他の女と接触してないって。だったら説明して。香水は、どこから?」

琴音は大きな瞳で夫を見据える。

川島治は、見ただけで忘れられないタイプの男前だ。琴音が惹かれたのも、結局この顔から始まった。

彼はわざとらしく口角を上げ、琴音が頬を膨らませるのを面白がっている。

だが、このままでは本気で怒らせると悟ったのか、すっと表情を改めた。

指先で琴音の鼻先を軽く弾き、甘やかすように囁く。

「焼きもち焼きだな」

腰に回した手に力を込め、柔らかな体を引き寄せると、素早く唇にキスを落とした。

「ねえ、琴音。……この匂い、どこかで嗅いだことない?」

最新チャプター

おすすめ 😍

全能令嬢の帰還、家族が倒産?

全能令嬢の帰還、家族が倒産?

28.6k 閲覧数 · 連載中 · きりゅう りんか
万能の女神・夏川紅蓮が実家に戻ると、一家は何者かの手で破滅に追いやられた後だった。
父は冤罪で獄中にあり、母は病に伏せっている。
六人の兄たちも、ある者は身体に障がいを負い、ある者は無気力に沈んでいた。
そんな折、家に潜り込んでいた偽令嬢は状況を見るや否や一家を見捨てて姿を消し、さらに屋敷までも奪い取ろうとしていた。
世間は夏川家を「落ち目の負け犬」と嘲笑い、皆がこぞって踏みにじる。

紅蓮が静かに一声を発すれば、暗部より無数の異能の士たちが姿を現し、形勢は一瞬にして逆転する。
父は無実のまま出所し、母は健康を取り戻し、廃人同然だった長兄は再び己の足で歩き出し、残る五人の兄たちもまた紅蓮の導きによって各々の才覚を花開かせ、やがて各界を牽引する大物へと成り上がっていく。

しかし、そんな彼女を指さして嘲る者がいる。
「夏川紅蓮は地味で野暮ったい田舎者だ」と。

何を隠そう、彼女は無数の隠された顔を持つ存在。
神医の令嬢も彼女なら、国画の大家も彼女。
伝説のハッカーも彼女なら、正体不明の謎の女優も彼女。
そして、暗部を統べる首領さえも——彼女なのだ。

そんな折、頂点に君臨する名門の若様が、彼女をそっと腕のなかに抱き寄せた。

「誰が彼女を田舎くさい地味女だと言った? 彼女こそ、俺・諏訪淳行の婚約者だ」

紅蓮が流し目をひとつ送る。

「婚約、破棄しなくていいの?」

「しない」

彼が長いあいだ追い求めてきた決して手の届かない高嶺の花こそが、いま腕のなかにいる婚約者なのだ。
解消などありえない——この婚約は、死んでも解消しない。
社長の可愛い若妻

社長の可愛い若妻

13.7k 閲覧数 · 連載中 · 月島 ことね
丸5年もの間、私はすべてを捧げて林翔太を深く愛してきた。しかし、私たちの記念パーティーの夜、彼が新入りの秘書とキスしている現場を目撃してしまう。その瞬間、私の恋の魔法は完全に解けた。

愛に絶望した私は、お互いの利益のための「契約結婚」に同意する。てっきり、悪名高いプレイボーイの蒼井翼と結婚するものだと思っていた。ところが、書類にサインする瞬間、婚姻届に書かれていた名前は――蒼井沢言。誰もがその名を聞くだけで震え上がり、「地獄の帝王」と恐れられる冷酷な巨大財閥のトップだった。

彼は私に数々の価値連根のジュエリーを贈り、私の敵をすべて排除し、世のあらゆる嵐から守ってくれた。けれど、「愛している」という言葉だけは、一度も口にしなかった。

しかしある夜、彼は私を壁に押し付け、熱い吐息を肌に吹きかけながら、低く掠れた声で囁いた。
「音羽、俺をいつまで待たせるつもりだ?」

――この結婚は、決して偶然などではなかった。最初からすべて、彼が仕組んだ「執念の計画」だったのだ。
つわり発覚!? 禁欲上司に甘やかされすぎて、胸キュンが止まりません!

つわり発覚!? 禁欲上司に甘やかされすぎて、胸キュンが止まりません!

42.9k 閲覧数 · 連載中 · 佐伯綾子
結婚3周年の記念日、私は妊娠検査薬の書き込み(結果)をプレゼントとして夫に贈った。だけど、返ってきたのは1枚の写真――女の胸に添えられた、男の手。その指に光る結婚指輪が、すべてを物語っていた。

それは私の夫の手。――彼は、浮気をしていた。
死んだはずの妻が、自分と「瓜二つ」の双子を連れて帰ってきた

死んだはずの妻が、自分と「瓜二つ」の双子を連れて帰ってきた

174k 閲覧数 · 連載中 · 白石
5年前、身に覚えのない罪で投獄され、身重の体で捨てられた私。
異国の地で必死に生き抜き、女手一つで双子の息子を育て上げた。

平穏を求めて帰国した私だったが、運命は残酷だ。
かつて私を捨てた元夫・ベンジャミンに見つかってしまったのだ。

「その子供たち……俺にそっくりじゃないか」

彼の目の前にいるのは、彼を縮小したかのような「生き写し」の双子。
ベンジャミンは驚愕し、私たちを引き留めようとする。
しかし、息子たちは冷酷な父親を敵視し、断固として拒絶するのだった。

「僕たちを捨てた男なんて、父親じゃない!」

やがて明らかになる、あの日の「火事」の真相と、悪女オリビアの卑劣な罠。
すべての誤解が解けた時、彼が差し出す愛を、私は受け入れることができるのか?

憎しみと、消え残る愛の間で揺れる、会と許しの物語。
不倫夫を捨て、私は大富豪の妻になる

不倫夫を捨て、私は大富豪の妻になる

329.8k 閲覧数 · 連載中 · 七海
人生最良の日になるはずだった、結婚式当日。
新郎の車から出てきたのは、見知らぬ女の派手なレースの下着だった。

しかも、その布切れにはまだ。生々しい情事の痕跡が残されていた。

吐き気がするほどの裏切り。
幸せの絶頂から地獄へと突き落とされた私。

けれど、泣き寝入りなんてしてやらない。
私はその場でウェディングドレスの裾を翻し、決意した。

「こんな汚らわしい男は捨ててやる」

私が選んだ次の相手は、彼など足元にも及ばない世界的な億万長者で?
二度目はない 動じず咲く

二度目はない 動じず咲く

152k 閲覧数 · 完結 · Gloria Fox
結婚式の一ヶ月前、私は一年かけて自らの手で縫い上げたウェディングドレスを燃やした。

婚約者は身ごもった愛人を腕に抱き寄せたままそこに立ち、私を鼻で笑っていた。「俺がいなきゃ、お前なんて何の価値もない」

私はきびすを返し、この街で最も裕福な男の扉を叩いた。「ロック氏、政略結婚にご興味はおありですか? 千億ドル相当の株式――それに加え、未来のビジネス帝国も無料でお付けいたしますわ」
監禁から1年、捨てられた令嬢は元婚約者の叔父を娶る

監禁から1年、捨てられた令嬢は元婚約者の叔父を娶る

116k 閲覧数 · 連載中 · 鈴木楓花
監禁から1年。ようやく帰宅した今井心晴を待っていたのは、変わり果てた日常だった。
家族は心晴を探そうともせず、あろうことか姉の今井優奈のために盛大な誕生日パーティーを開いていた。
しかも、その横には心晴の元婚約者の姿が……二人は婚約していたのだ。
しかし、心晴はただの被害者ではなかった。
彼女は人知れず巨額の資産と強大なコネクションを築き上げていたのだ。
真実を知った心晴は、復讐の狼煙を上げる。
彼女が選んだ新たなパートナーは、なんと元婚約者の叔父だった。
「これからは私のことを『おばさん』と呼ぶのよ、優奈!」
舐めるつもり?なら、思い知らせてあげる

舐めるつもり?なら、思い知らせてあげる

46.2k 閲覧数 · 連載中 · 桜井 ゆい​
18年間、自分が実の娘でないとは知らずに生きてきた。ある日、荷物をすべて玄関の外に放り出され、街角に立ち尽くす私の前に現れたのは、噂では極貧だという「生家」から迎えに来た、見たこともない「兄」。

ところが、その兄が乗ってきたのはトラクターだった。

ガタガタと揺れるトラクターがたどり着いた先は、まるで古城のような大邸宅。そこで私は思い知る。本当の家族のもとに引き取られた私は、貧しくなるどころか、前よりずっと裕福になっていたのだ。

……だが、ちょっと待ってほしい。なぜ私には突然、婚約者というものが存在するのか。しかもその相手は、私の大学の教授だという。誰か、説明してくれないだろうか。
家族の縁を切った日、兄たちはすべてを失った

家族の縁を切った日、兄たちはすべてを失った

591.5k 閲覧数 · 連載中 · 風見リン
前の人生で両親が交通事故で亡くなった後、長兄は世間体を気にして、事故を起こした運転手の娘を家に引き取った。
公平を期すという名目のもと、兄たちは彼女からリソースを根こそぎ奪い、その尊厳を踏みにじってまで、運転手の娘を支えた。
彼女は兄たちのためにすべてを捧げたというのに、家を追い出され、無残に死んだ。

生まれ変わった今、彼女は人助けの精神などかなぐり捨てた。許さない、和解しない。あなたたちはあなたたちで固まっていればいい。私は一人、輝くだけ。

兄たちは皆、彼女がただ意地を張っているだけだと思っていた。三日もすれば泣きついて戻ってくるだろうと高を括っていたのだ。
だが三日経ち、また三日経っても彼女は戻らない。兄たちは次第に焦り始めた。

長兄:「なぜ最近、こんなに体調が悪いんだ?」――彼女がもう滋養強壮剤を届けてくれないからだ。
次兄:「会社のファイアウォールは、なぜこうも問題ばかり起こす?」――彼女がメンテナンスに来なくなったからだ。
三兄:「新薬の開発が遅々として進まないのはなぜだ?」――彼女が治験をしなくなったからだ。
四兄:「どうしてこんなにつまらない脚本しか上がってこない?」――彼女がもう執筆しないからだ。
五兄:「この義肢は、なぜこんなに出来が悪いんだ?」――彼女が製作をやめたからだ。
六兄:「なぜチームが負けた?」――彼女が脱退したからだ。

兄たちは地に膝をついて許しを請うた。「戻ってきてくれ。俺たちこそが、血を分けた本当の家族じゃないか」

彼女は絶縁状を兄たちの顔に叩きつけ、冷ややかに笑った。
「車が壁にぶつかってから、ようやくハンドルを切ることを覚えたのね。株が上がってから、ようやく買うことを覚え、罪を犯して判決が下ってから、ようやく悔い改めることを覚えた。残念だけど、私は――許さない!」
身代わり生活は3年で終了。お嬢様の本性を現します

身代わり生活は3年で終了。お嬢様の本性を現します

17.7k 閲覧数 · 連載中 · 月島 ことね
婚約記念日のその日、私は偶然聞いてしまった。婚約者の古谷晏一が、今でも初恋の人が忘れられないと本音を漏らすのを。
その瞬間、私は目が覚めた。
私はもう身代わりのフリをするのをやめ、瀬尾グループの令嬢という本当の身分を明かして、億万長者の陸川純平と契約結婚を交わした。

彼が私にくれる尊重は、これまでの人生で一度も感じたことのないものだった。
最初はただの取引だと思っていた。けれど、一緒に過ごす時間が長くなるにつれ、私は知ることになる。
彼の冷徹で理性的な仮面の下には、私だけのために今日まで抑え込んできた、執着と狂気にも似た愛が隠されていることを――。
本物令嬢の正体がばれました

本物令嬢の正体がばれました

159.7k 閲覧数 · 連載中 · ワニノコ
新谷南は新谷家で二十年も育てられたのに、本当の娘が戻ってきた途端、あっさり家を追い出された。

デザイン部のディレクターの席? 本当の娘へ。
何千万円もの価値がある婚約話? 本当の娘へ。

会社中の人間が、彼女という「野良扱いの娘」がどう転げ落ちていくか、笑いものにしようと様子をうかがっていた。

そんなある日、世界限定二十台の高級バイクが会社の前に止まる。降りてきた不良っぽいイケメンが言った。

「妹、兄貴と一緒に帰るぞ」

新谷家の人間「……は?」

そのあとで彼らはようやく知ることになる。

彼女こそ、国内外の美術館の館長たちが面会待ちの列を作る「南先生」と呼ばれるアーティストであり、
新谷グループの全受賞特許の名義人であり、
さらに、伝説の「国家並みの資産を持つ」と噂される周防家の、本当の長女だということを。

大手財閥の若き当主は、封印していた婚約書を取り出し、薄く唇を吊り上げる。

「なるほど。俺の本当の婚約者は、君だったわけか」
追放された偽物の娘、その正体は最強でした

追放された偽物の娘、その正体は最強でした

759.1k 閲覧数 · 連載中 · ゲゲゲ
「本物の娘が見つかった。お前はもう用済みだ」
あの子が現れたその日、私は『偽物の娘』として家を追い出された。
渡されたのは、わずかな小銭と地方行きの片道切符だけ。
さらに婚約者は私をゴミのように捨て、その日のうちに『本物』であるあの子にプロポーズした。

……上等じゃない。せいぜい勝った気でいればいいわ。
だって彼らは、私の【本当の顔】を何一つ知らないのだから。

名門病院が見放した命を救う『天才外科医』。
オークションで数億円の値を叩き出す『伝説の画家』。
裏社会の闘技場で無敗を誇る『影の女王』。
そして――彼らの全財産すら小銭に思えるほどの『真の巨大財閥の後継者』であることを。

今さら元婚約者が土下座で許しを請おうと、本物の娘が嫉妬で狂いそうになろうと、もう遅い。
かつて私に婚約破棄の書類を叩きつけた冷酷で傲慢なCEOでさえ、今や何かに取り憑かれたように私を追い回し、「もう一度だけチャンスをくれ」とすがりついてくる始末。

私を捨てて、自分たちの人生を『アップグレード』したつもり?
笑わせないで。最初から、圧倒的に上の存在だったのは私のほうよ。