紹介
江原安美は甘い吐息を漏らしながら喘いだ。「もう我慢できない…ちょうだい…」
川崎佑哉は彼女の体をうつ伏せにひっくり返し、ペニスを彼女の柔らかな臀部の間で前後に擦りつけた後、背後から一気に挿入した。
「江原安美、たとえ離婚しても、お前は一生、俺の下で喘ぐしかないんだ。」
江原安美はまさか自分がいつか、夫・川崎佑哉と彼の愛人のために結婚指輪をデザインすることになるとは思わなかった。そしてさらに届いたのは、一通の離婚届だった。
彼女は迷わずサインし、彼への想いを断ち切り、妊娠検査の結果を隠して、海外へと旅立った。
その後、彼女は海外で大成功を収め、言い寄る男は数知れず。しかし彼は変わった。彼女に執着し、離れようとせず、目を赤くして「もう一度チャンスをくれ」と懇願した。
彼女の小さな宝物が飛び出して彼の前に立ちはだかり、腰に手を当ててこう言った。「ママに追いつきたいなら、まず列に並んでね!」
チャプター 1
江原安美は思いもしなかった。いつか自分が、夫と――その愛人のために、プロポーズのペアリングをデザインする日が来るなんて。
工房の主任に連れられてVIPルームへ入ったとき、川崎佑哉はひとりの女の手を握っていた。
その瞳に宿るのは、結婚して三年、一度として安美に向けられたことのない温度――気遣い。
「わざわざ自分で来てサイズ測る必要あるか? 店にスタッフ寄こさせればいいだろ」
彼の胸元に寄り添った少女が、舌をぺろりと出して甘えた。
「だって最近、ずっと外に出てないんだもん。少しは歩かなきゃ。……それより佑哉、今日大事な会議あるんじゃないの? 遅くなったら困らない?」
いつも仕事を何より優先するはずの川崎佑哉が、彼女の手を包むように握り返し、驚くほど優しい声で言った。
「いま俺にとって、おまえより大事な用なんてない」
――その顔、何度も見た。
川崎佑哉の財布に入っていた写真。高嶺の花みたいな初恋の人、鈴村千雪。
背後では、数人のインターンが羨望の視線を向け、ひそひそと囁き合っている。
「川崎様みたいな男と結婚できるなんて最高だよね。婚約指輪の予算が1000万って噂だし、式も準備中で、星光ビーチを丸ごと貸し切りなんだって。私もいつか……」
江原安美は遠くから二人を見つめ、スマホを握る指先が白くなるほど力を込めた。
幸せ……?
本当は『彼に嫁ぐべき』なのは自分じゃなかった。だからその幸せは、一度も安美の手には落ちなかった。結婚して三年、受け取ったものは冷えきった視線ばかり。
今朝だってそうだ。
「いつ帰ってくるの?」と送ったメッセージに、三時間後ようやく返ってきたのは――たった一文字。
『忙しい』
忙しい理由が、高嶺の花との結婚準備だなんて。
安美は口を開きかけて、言葉を失った。胸の奥に長く居座っていた冷えが、じわじわと全身へ広がっていく。痛いほど冷たい。
逃げ出したい――そう思った瞬間、主任が背中を押すように声をかけた。
「安美、何ぼーっとしてるの。早く中に入って」
川崎佑哉がその声に振り返り、安美と目が合う。
眉がきつく寄せられ、手すりに置かれた手の血管が浮き上がった。顔色が一気に硬く冷える。
安美は目を逸らしたかった。だが主任は容赦なく肩を抱き、二人の前へ連れていく。
「川崎さん、鈴村さん。こちらが当店でお二人のご希望に最も合うデザイナーです。技術は保証しますので、何でも遠慮なくお伝えください」
「安美、川崎さんは大事なお客様なんだから、しっかりね」
川崎佑哉の暗い視線に晒され、安美は爪が掌に食い込むのを感じた。
我に返り、仕事の顔で頭を下げる。
「デザインのご希望はございますか。それとも、先にサイズをお測りいたしましょうか」
川崎佑哉は唇を引き結び、黙ったまま。
代わりに鈴村千雪がにこりと笑った。
「江原さんのポートフォリオ、昨日拝見しました。どれも好きな雰囲気で。じゃあまずサイズから。あとはあなたの感性で、いくつか案を出していただけます?」
安美は目を伏せ、川崎佑哉を見ないように作業台へ向かう。
メジャーを取り、淡々と測定を始めた。
だが、リングサイズを記録していると、鈴村千雪がさらりと付け足した。
「できればリングはフリーサイズにしてほしいの。私、妊娠してるから。式の頃には指が太くなるかもしれないし、調整できた方がいいよね」
安美の手が止まった。
今になって気づく。彼女の腹部がわずかに膨らんでいる。
口の中に苦味が込み上げ、喉が詰まる。川崎佑哉に見せるつもりで鞄に入れたままの、妊娠検査の報告書。――自分の子は、今日でまだ五週。
鈴村千雪の腹は、どう見ても三ヶ月以上だ。
じゃあ、あの夜は何だったの?
高嶺の花に手を出して後ろめたいから、慈悲で一晩だけ『施して』くれた……?
ペンを持つ手が震え、視界の端が熱く滲む。安美は必死に俯いて、川崎佑哉のサイズを測ろうとした。
指先が彼の長い手に触れた瞬間――川崎佑哉は険しい顔で手を引いた。
「いい。俺はあっちで測る」
ペンとメジャーが床へ落ち、カン、と乾いた音が響く。
安美の身体が小さく強張る。何事もなかったように屈んで拾い上げた。
川崎佑哉は無言で部屋を出ていく。目も合わせない。
鈴村千雪が柔らかく笑い、代わりに謝った。
「ごめんなさいね。佑哉、人に触られるのがあまり好きじゃなくて。怒ったわけじゃないから、気にしないで」
気にしないなんて無理だ。
この三年、冷たい顔なら見飽きるほど見た。今のは、氷山の一角。
それでも――彼女の言葉に混じる親しさが、胸の奥を刺す。
安美は「大丈夫です」とだけ答え、形だけの挨拶をして応接室を出た。
オフィスへ戻ろうと廊下を曲がったところで、川崎佑哉とぶつかった。
彼は火を点けていない煙草を指で挟み、目の底がひどく冷たい。
「どうしてここで働いてる」
可笑しくて、泣きたくなる。
来る前に伝えたはずなのに。彼はたぶん聞いてもいなかった。いつも通り、冷たく「勝手にしろ」と言っただけ。
川崎佑哉にとって安美は、恥知らずにもベッドに潜り込み、金目当てで川崎家に入り込んだ女。鈴村千雪が海外にいた間、やむを得ず結婚しただけの存在。興味を向ける価値すらない。
もう、何も言いたくなかった。
「友達の店です。暇だったので来ただけです」
川崎佑哉がじっと見下ろす。周囲の温度が下がった気がした。
彼は何を言うつもりだろう。
祖父に告げ口するな? それとも関係を隠せ?
長い沈黙のあと、川崎佑哉は淡々と言った。
「明日、弁護士に離婚協議書を届けさせる」
「慰謝料はケチらない。家でも現金でも、株でもいい。常識の範囲なら要求していい」
煙草を弄ぶ指だけが動く。瞳には一片の温度もない。
「お爺さんは最近体調がよくない。刺激するな。仮に反対されても、俺の決定は変わらない」
安美は固まった。
胸の痛みが、ふっと消えて、空洞になる。
説明も警告もいらない。ただ一言で片づけられる。
彼にとって自分は、金で処理できる『厄介ごと』でしかない。
問いただしたい。
この三年、自分の必死な努力や、ぎこちない愛情が――一瞬でも彼の心に触れたことはあるのかと。
でも口にしたら、もっと惨めになるだけ。
安美は小さく言った。
「いりません」
川崎佑哉が眉をひそめた。
「まだ縛りつく気か?」
安美は静かに首を振る。
「違います。補償はいりません。離婚したら、私は身一つで出ていきます」
「その後も、あなたと鈴村さんの邪魔はしません。私たちは……もう、無関係です」
川崎佑哉が一瞬だけ目を見開き、探るような視線を向けてきた。金を望まないことが意外なのだろう。
安美はもうこの顔を見たくなくて、踵を返した――そのとき、背後から足音。
「佑哉……あれ、江原様? 何してるの?」
振り返ると、バッグを持った鈴村千雪がこちらへ来ていた。二人を見比べ、首を傾げる。
「……あなたたち、知り合いなの?」
安美が答える前に、川崎佑哉は自然に距離を取った。
「いや。予算と要望を伝えただけだ」
彼は鈴村千雪の肩にジャケットをかける。
「外は雨だ。早く帰ろう」
鈴村千雪は嬉しそうに頷き、ふと思い出したように封筒を取り出した。
「これ、江原様の? さっきソファで拾ったの。病院の判子があったから、大事なものかなって」
江原安美の瞳孔が、きゅっと縮む。
――妊娠検査の報告書。
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16歳。肥満体型。顔中に広がったニキビ。冷え切った体育倉庫の片隅で、私は丸まっていた。
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だが――もう遅い。
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渡辺千咲はそれを聞いて目を輝かせた。男のいる時空では終末が訪れ、動植物が変異し、土地は耕作不能、水源は汚染され、さらに人類の安全を脅かすゾンビがいるのだった。
中島暁は終末世界で一年間苦しみながらも生き抜き、弾薬も食料も尽きて重傷を負いながらも、最後まで信念を貫き、仲間を見捨てることを拒んだ。
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渡辺千咲はもはやみじめではなくなった。クリスタルのエネルギーで肌が白くなり体質が改善され、眼鏡も外せるようになり、金や骨董品が手に入り続けた。
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祖母や、偽善的で貪欲な親戚たちが泣きながら彼女に許しを求めた。
数年後、記者が渡辺千咲の願いを尋ねた――
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終末世界で彼女は最後の人類を率い、ゾンビに勝利し、赤い月の終末災害を乗り越えた。
彼女の願いは実現したのだった。












