紹介
しかし現在、編集部は「外回りの記者は全員バイクで取材に向かうこと」を義務付けている。もし3ヶ月以内に免許を取れなければ、狭いデスクに押し込められ、ひたすら書類の記入をさせられる羽目になるのだ。
そこで直哉(なおや)は、「あそこなら誰かが教えてくれるから」と、知り合いのバイククラブへ私を連れて行ってくれた。
だけど、まさかあの場所で、あの人と『あんなこと』になるなんて――当時の私は、思いもしなかった。
チャプター 1
直哉の声がキッチンから響いてきて、私は目を覚ました。
「結衣、早くしろ。いつまでも後回しにはできないぞ」
私は目をこすった。胃がキリキリと痛む。街中を駆け回ってストリートスナップを追う雑誌の仕事は、私にとってすべてだった。
しかし今、編集部はすべての現場記者にバイク移動を求めている。三ヶ月で免許を取れなければ、小さなブースに押し込められて書類整理をする羽目になってしまう。
「そんなに簡単なことじゃないわ」私はパジャマ姿のまま、足音を忍ばせて部屋に入りながら言った。
「乗ったことすらないのよ。もし事故でも起こしたらどうするの?」
直哉はコーヒーから顔を上げ、ニヤリと笑った。
「事故だ? 大げさだな。もう手配は済んでるんだよ。昔のルームメイトの大輝がバイククラブをやっててな。あいつが教えてくれるってさ――タダでな。男の友情ってやつだ。せいぜい小綺麗な格好をして行けよ。俺に恥をかかせるな」
一時間後、私は鏡の前に立っていた。直哉が選んだ服装だ。お尻や太ももにぴったりと張り付くタイトなライディングパンツに、胸元までジッパーが下がる丈の短いレザージャケット。
私はジャケットの裾を引っ張った。なんだか露出が多すぎて、希望もしていないオーディションを受けさせられているような気分だった。
「いいじゃないか」ソファから私を値踏みするように見つめ、直哉は満足げに頷いた。
「大輝のやつ、俺がすげえいい女を捕まえたって思うだろうな」
私はゴクリと息を呑んだ。
「本当にいいの? 大輝くんとは……結婚式以来、会ってないじゃない」
「だからこそだよ。久しぶりに会ういい機会だろ。さっさと習ってこい。帰りに迎えが必要なら電話しろ」そう言って、彼は再びスマホに視線を落とした。
そのバイククラブは町の外れにあり、砂利敷きの駐車場にはピカピカに磨かれたバイクが点在していた。
車を停めて外に出ると、歩幅を広げるたびにパンツがピンと張った。
大輝はそこにいた。黒いハーレーを拭いている。背が高く、肩幅が広い。大学時代の写真で見たのと同じ、気さくな笑顔を浮かべていた。
「結衣ちゃん」ティアドロップ型のサングラスを押し上げながら、彼が声をかけてきた。
手を振ろうと前かがみになると、お尻の布地がパツンと引き伸ばされた。
彼の視線が一瞬だけ下へ向かい、すぐに戻った。彼はコホンと咳払いをした。
「直哉から、急いでるって聞いてるよ。乗る準備はできてる?」
私は無理に笑顔を作った。
「ええ、なんとか。基本から教えてもらえる?」
彼は後部座席をポンポンと叩いた。
「乗って。まずは感覚を掴んでもらうために、俺が走るから。腕は俺の腰に回して。体を密着させて――その方が安定するから」
心臓の鼓動が速くなる。私はバイクに跨がり、彼の腰に腕を回した。彼のシャツからは、オイルとレザーの匂いがした。エンジンが轟音を立てて目覚め、私たちの下で振動する。バイクが勢いよく発進し、風が私の髪を激しく揺らした。
強烈な加速がのしかかる。私は前のめりになり、胸が彼の背中にぴったりと押し付けられた。昔から大きくて柔らかかった私の胸は、今まさにそこで押し潰され、薄いジャケット越しでも敏感に刺激を感じ取っていた。乳首がたちまち硬くなり、レザー生地をツンと突き上げる。カッと顔が熱くなった。
なんとか誤魔化そうと体をずらしてみたが、擦れることでかえって刺激が強まってしまう。
頬に熱が這い上がってくる。これはただのレッスン。そうだよね?
一時停止の標識で、大輝が肩越しに振り返った。
「ちゃんと掴まってる? 力抜いて。ここからが楽しいところだから」
私は頷き、さらにきつくしがみついた。楽しい、か。私の太ももが彼の腰を締め付けていることや、段差のたびに乳首がジンジンと疼くことを無視できればの話だけど。
十分ほどで駐車場に戻ってきた。バイクから降りると、足がガクガクと震えていた。
「なるほど。なんだか……すごかったわ」
「それがバイクってやつさ」彼は軽く笑って言った。
「次は君の番だ。スロットルはこうやって握るんだ」練習用のバイクに跨る私の背後に立ち、彼はハンドルを握る私の手の上から、自分の手を重ねた。長年工具を握ってきたであろう、タコのある温かい手のひら。彼の吐息が私のうなじをくすぐる。
「ゆっくりとな。引っ張られる感覚を掴むんだ」
私はスロットルを捻った。バイクがガクンと前に飛び出し、エンストしてしまった。
「しまった。ごめんなさい」
「もう一回」彼の指先が残り、私を導く。一定の力加減。ほんの数センチ後ろから、彼の体の熱を感じる。その手は、まるで私を所有しているかのように強く握られていた。
私たちはスラロームの練習のためにパイロンの場所へ移動した。大回りしすぎてパイロンに接触し、バイクが傾く。なんとか支えようとした拍子に、砂利が膝に食い込んだ。
「もう、最悪」
大輝が顔をしかめながら小走りで駆け寄ってきた。
「反発しちゃダメだ。こうするんだ」彼がバイクを起こす際、その腕が私の脇腹を掠めた。
「そんなにガチガチに緊張してたら、いつまで経っても一人じゃ乗れないぞ」
胸の奥で焦燥感が燃え上がる。
「じゃあ、どうすればいいの? 私、どうしてもこれが必要なのよ、大輝くん。仕事がかかってるの。早く乗れるようにならないと、現場から外されちゃう」
彼は顎を撫でながら立ち止まり、腕を組んだ。
「わかった。一つコツがある。君が前に座って、俺が後ろから包み込むようにするんだ」
私は息を呑んだ。私が前に? それって……タンクを跨いで、彼が私に密着するってこと?
「それって……普通なの?」
「ガチガチに固まっちまう初心者にはね。ああ」彼はスマホを取り出した。
「一応、直哉に確認しておくよ。後で揉めるのは御免だからな」
彼は電話をかけた。私は腕を組み、心臓をバクバクさせながらそこに突っ立っていた。
「おう」大輝はスピーカー越しに言った。
「結衣ちゃんの覚えがちょっと悪くてな。彼女を前に乗せて、俺が後ろからホールドしようと思うんだけど。構わないか?」
電話越しに直哉の声が響いた。
「構わないかって? ああ、全然いいぞ。乗れるようになるなら何でもいい。とにかく乗せられるようにしてくれよ。今週末は予定があるんだ――足手まといはごめんだからな」
大輝は電話を切り、肩をすくめた。
「な? 許可は出た。乗って」
私は凍りついた。足手まとい。それが私なの?
ごくりと唾を飲み込み、私はタンクを跨いでバイクに這い上がった。シートは狭く、否応なしに体が前へと押し出される。
大輝が脚を振り上げ、私の後ろに座った。彼の分厚い胸板が私の背中にぴったりと沿い、両太ももが私の脚を挟み込む。片腕がクラッチを握るために私の腰に巻き付き、もう片方の腕はスロットルを握る私の手の上に重ねられた――その手は強く、まるで自分の所有物であるかのように私の指と絡み合っていた。
ジーンズ越しに、彼のペニスが私のお尻に直接押し当てられていた。硬く、熱く、ほんの少し身動きするだけで擦れ合う。
「エンジンをかけて」私の耳元で、彼が低く囁いた。
エンジンが低く唸りを上げ、その振動がシートを通してダイレクトに響いてくる。私の、体の芯の奥深くまで。
彼の硬いモノが私に押し当てられて脈打つ。直哉で感じたことのないほどの大きさ――より太く、そして執拗だった。直哉はいつだって半分くらいは萎えていて、まるで面倒くさがっているかのようだったのに。
でも、これは? これこそが、本物だった。
「力抜いて」低い声で彼が言った。
「リズムを感じるんだ。こうやって」彼が私の手首を優しく捻る。バイクが前へと躍り出ると同時に、鼓動も激しく跳ね上がった。
バイクの動きに合わせて彼の腰がうねり、ペニスがさらに強く私のお尻に擦りつけられる。両脚の間に熱いものが込み上げてきた。
体が裏切り、背筋にゾクゾクとした震えが走る。
私は唇を噛んだ。堪えきれず、甘い吐息が漏れてしまう。
ああ、こんなの、絶対に間違ってる……!
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三兄:「新薬の開発が遅々として進まないのはなぜだ?」――彼女が治験をしなくなったからだ。
四兄:「どうしてこんなにつまらない脚本しか上がってこない?」――彼女がもう執筆しないからだ。
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