田舎帰りの地味令嬢と侮られた私、裏社会を統べる伝説のハッカー

田舎帰りの地味令嬢と侮られた私、裏社会を統べる伝説のハッカー

鈴 · 連載中 · 621.8k 文字

249
トレンド
19.8k
閲覧数
291
追加済み
本棚に追加
読み始める
共有:facebooktwitterpinterestwhatsappreddit

紹介

五年の月日を経て陽城へと戻った彼女を覚えている者は、もう誰もいなかった。

誘拐、失踪、そして家族からの冷遇。けれど、石原絵梨花はそのすべてに目をくれなかった。

世間は彼女を「田舎から帰ってきたパッとしない普通のお嬢様」だと笑う。だが誰も知らない——彼女こそが、ハッカー連合が恐れる神秘の「X」であり、木村氏が直々に指名した唯一無二の後継者、そして裏社会の闇に君臨する最強の存在であることを。

実家に戻った初日、我が物顔で妹に自室を乗っ取られても、絵梨花はただ冷ややかに言い放つ。
「じゃあ、もういらない」

だが、予想外だったのは、隣の部屋に住む“規格外の男”の存在だった。

初めての出会いは、間違えて彼の家の鍵をこじ開けたこと。
二度目の出会いは、壁をひょいと乗り越えて彼の夕飯を勝手に食べたこと。

次々と剥がれ落ちる秘密の仮面、五年前の深すぎる闇、そして松岡友希という男が隠し持っていた危険な本性。
すべてが明るみに出た時、絵梨花が望んだのはただ一つ——「静かに飯を食い、眠ること」だけだったのに。

「石原絵梨花。おい、いつになったら俺を『本命』にしてくれるんだよ?」

平穏を愛する最強の少女を、最高峰の男が逃すはずもなかった。

チャプター 1

真夏の暑さ。西へ傾く日差しが、あちこちに薄い影を落としている。

陽城は夏の盛りを迎え、空気まで熱く感じられるほどの暑さだった。

陽城警察署――年季の入った門の脇で、黒白のシャツに濃い色のジーンズを穿いた若い少女が、扉にもたれかかっていた。両手はポケットに突っ込み、気だるげに目だけを上げて通りを眺めている。

通行人はまばらだった。

隣には三十代半ばの警官が立ち、外に出てから気をつけるべきことを、諭すように語っている。

だが、少女の整った顔には冷ややかな拒絶が浮かび、誰も寄せつけない雰囲気が漂っていた。彼の言葉は途中で喉に詰まり、続かなかった。

――何を言っても、この子は左の耳から入れて右の耳から抜くだろう。

それでも理解はできた。五年間も売られ、連れ回され、ようやく戻ってきたのだ。見慣れたはずの街が、もう知らない街に変わっている。拒みたくもなる。

しかも、聞けば家族はろくに探していなかったらしい。

警官は小さく息を吐き、言った。

「外に出たら、もう人を殴るなよ。今回は運がよかった。容疑者のDNA照合のついでに、君の両親が昔登録してた遺伝子情報に引っかかった」

「親御さんには連絡してある。もうすぐ迎えが来るはずだ」

言い終えた瞬間、かすかな嗤い声が一つ。

ほんの一瞬で消えた。

聞き間違いかと思い、警官は少女を見る。

少女は目を伏せ、睫毛の影に感情をしまい込んでいた。何を考えているのか、まるで読めない。

だが、纏う気配だけは異様に強い。鋭い棘のように人を刺し、警官は息が詰まる。

五年ぶりに家族と再会するというのに、表情は一切変わらない。まるで当事者が彼女ではないかのようだった。

警官はそれ以上言葉を探せず、ただ乾いた視線を向ける。

しばらくして、その圧に耐えきれなくなり、目を逸らした。黙って少女と一緒に待つしかない。

時間だけが過ぎていく。

通りからはますます人影が消え、夕日は遠くの山並みの向こうへ沈んでいった。空には夕暮れの名残がわずかに残るだけだった。

時間だけが過ぎていくのに、誰も迎えに来ない。

警官は気まずさに胃が痛くなる。さっきまで「きっと感激して飛んでくる」と言ったばかりだ。

だが数時間経っても姿はない。焦りの欠片すら見えない。

――この子が、どれほど孤独だったか。

同情が胸に溜まる。

やがて、通りの端に一台の高級車が現れ、ゆっくりこちらへ滑ってきた。

警官は思わず声を弾ませる。

「ほら、来た! きっと君の家族だ!」

少女の喉から、淡い返事が漏れる。

「……うん」

車はほどなく止まり、ドアが開く。

降りてきたのはスーツ姿の若い男だった。眼鏡をかけ、物腰は丁寧で、いかにも有能そうな秘書然とした雰囲気。

その瞬間、警官は言葉を失った。

五年ぶりに戻った娘を、両親が迎えに来ない。代わりに別の男を寄越す――。

男は警官に礼儀正しく挨拶し、続けて少女へ向き直る。

「失礼いたします。石原家のご令嬢、石原絵梨花様でいらっしゃいますか」

その声に、石原絵梨花はようやく顔を上げた。

端正で整った小さな顔。乱れた前髪の下の瞳は淡く、静かで、黒い瞳孔の奥に凍てつくような鋭さが宿っている。

無表情のまま男を一瞥し、頷いた。

男は一瞬たじろいだ。石原絵梨花の目に、確かに冷えたものが走った気がしたのだ。だが消えるのが早すぎて、見間違いかと疑うほどだった。

男は気を取り直し、微笑む。

「絵梨花様、はじめまして。石原社長が急な会議で手が離せず、先に私が迎えに参りました。新山とお呼びください」

それから警官と書類の引き継ぎを行い、最後に石原絵梨花へ手を差し向けた。

「では、参りましょう」

石原絵梨花は彼を見もしない。小さく顎を引き、歩き出す。

車の前に来ると後部座席のドアを開け、ゆっくりと腰を下ろした。

新山は思わず、彼女の背をもう一度見た。

――想像していた“お嬢様”とは、あまりにも違う。

警官は去っていく車を見送り、ぽつりと呟いた。

「どこの家にも、難しい事情ってやつがあるもんだな……」

……

車は幹線道路を滑るように走る。

新山はバックミラー越しに後部座席を窺った。石原絵梨花は窓の外を見つめ、表情一つ動かさない。

逡巡の末、新山は口を開いた。

「絵梨花様、どうかお気になさらず。石原社長は本当にお忙しくて……七緒様は補習で、奥様はそのお迎えに……」

石原絵梨花は外を見たまま、返事をしない。

しばらくして視線を引き戻し、目を閉じた。まるで「休む」と決めたらそれで終わり、とでも言うように。

一時間後。

車は別荘の前で止まった。新山が急いで降り、ドアを開ける。

「絵梨花様、こちらが石原家でございます」

石原絵梨花は車を降り、顔を上げて邸宅を見た。

その瞳に、ようやく僅かな揺らぎが生まれる。

――当然だ。ここが石原家であることくらい、忘れるはずがない。

彼女は五年前、失踪した。

十三歳のあの日、人攫いに連れていかれたのは、この別荘の門の前。ひとりで待っていた時だった。

十八歳で戻ってきた今も、彼女は同じ場所にひとりで立っている。迎える家族は、いない。

最新チャプター

おすすめ 😍

妊娠を隠して離婚します

妊娠を隠して離婚します

38.3k 閲覧数 · 連載中 · ユイ
「絢香、俺から逃げられるとでも思うな!」
九条雅人は彼女の顎を荒々しく掴み、低く唸った。

絢香の頬は屈辱と興奮で真紅に染まったが、その声にはまだ意地が残っていた。「あなたこそ、私に執着しているだけじゃないの?」

雅人は冷酷に鼻で笑った。
「離婚してからどれほど経った? それでもう俺の『ルール』を忘れたか。お前の身体は、今でも俺をこんなによく覚えているくせに。……ほら、咥えろ」

熱を帯び、恐ろしいほどに猛り狂った彼の太いものが、絢香の顔を容赦なく叩いた。

雅人は冷たく笑う。
「俺から離れられるなんて夢にも思うな、絢香。お前は俺だけのものだ」

——

3年間の契約結婚の間、霧島絢香は「雅人が冷徹な人間だから、その心を溶かすことができないのだ」と思い込んでいた。
しかし、彼が桜井陽菜の妊婦健診に付き添い、彼女が少しでも不快な思いをしないよう、見たこともないほどの優しさと甘やかし方で接している姿を目撃したとき、絢香はついに悟った。彼は人を愛せないのではない。ただ、自分を愛していなかっただけなのだと。

絢香は静かに離婚届にサインし、自身の「妊娠診断書」を胸に抱いて彼の元を去った。

だが、絢香が完全に姿を消した瞬間、雅人は狂わんばかりになり、街中を血眼になって彼女を捜し回った。

ついに再会を果たしたとき、雅人の瞳は血走り、その声は掠れていた。
「絢香、俺が悪かった……頼む、俺の元に戻ってきてくれ」
夫と息子に捨てられた私は、幸福という名の檻を抜け出すことにした

夫と息子に捨てられた私は、幸福という名の檻を抜け出すことにした

49.2k 閲覧数 · 連載中 · 白石 茉鈴​
嫁ぐ前は、夢見ていた。幸せな家庭を築けると信じていた。
しかし現実の結婚生活は、私を泥のような惨めな境遇へと引きずり落とした。
夫と息子にとって、私は愛人の飼い犬にさえ劣る存在でしかなかったのだ。
離婚届に淡々と署名する二人の姿を前に、私の心は不思議と静まり返った。
「そう、それでいいわ」
最後に乾いた笑みを浮かべ、私は決別を告げる。
今日で、私たちは正真正銘の赤の他人。
知る前の夜

知る前の夜

9.1k 閲覧数 · 連載中 · bjin09036
ホテルの一室で、見知らぬ男に私をめちゃくちゃにさせた。

二日後、インターン先に足を踏み入れると、彼が社長のデスクの向こうに座っていた。

あの夜、私を喘がせた男にコーヒーを運ぶ日々。なのに彼は、まるで一線を越えたのが私のほうだと言わんばかりの顔をする。

***

始まりは賭けだった。終わりは、彼女が決して望んではならないただ一人の男だった。

ジューン・アレクサンダーは、見ず知らずの男と寝るつもりなどなかった。だが、夢にまで見たインターンを勝ち取り、その夜を祝っていた彼女は、勢い任せの無茶な賭けに背中を押され、謎めいた男の腕の中へと導かれる。熱を帯びた気配を纏い、寡黙で、そして忘れられない男。

もう二度と会うことはない――そう思っていた。
ところが初出勤の日、オフィスに入った瞬間――
彼が新しい上司だと知る。
最高経営責任者、その人だったのだ。

たった一夜、無謀に身体を重ねた男の下で働かなければならない。ヘルメス・グランデは権力者で、冷たく、そして絶対に手を出してはいけない存在。けれど二人の間に張りつめた緊張は、どうしても消えてくれない。

距離が縮まるほど、彼女の心と、二人の秘密を守り抜くことは難しくなっていく。
追放された偽令嬢、実は超財閥の真の令嬢

追放された偽令嬢、実は超財閥の真の令嬢

284.8k 閲覧数 · 完結 · あざ鳥
「お前みたいな偽物の令嬢、さっさと山奥に帰れ!」

孤児だと判明した途端、彼女は養父母から冷酷に家を追い出され、婚約者も本物の令嬢へと乗り換えた。
彼らは、彼女がこれからド田舎で悲惨な生活を送るのだとあざ笑っていた。

しかし、彼女を迎えに来た実の家族は、なんと世界を牛耳る超巨大財閥の一族だった!
さらに、彼女自身もただの小娘ではない。その正体は、世界の医学界が平伏す伝説の天才医師だったのだ。

実家に戻るや否や、彼女は神業のようなメス捌きで次々と難病患者を救い、医療界の権威たちを圧倒していく。その圧倒的な実力に、誰もが恐れる冷酷なトップ御曹司でさえも彼女に惹かれ、無限額のブラックカードを差し出す始末。

一方、彼女を追い出した養父母の家業は倒産寸前に陥り、元婚約者も彼女の本当の姿を知って絶望の淵に立たされていた。
彼らが泣きついて許しを乞うても、彼女は冷たく言い放つ。

「今さら後悔しても、もう遅いわ」
鬼畜社長が離婚後に豹変!?甘えん坊な元夫の執着愛

鬼畜社長が離婚後に豹変!?甘えん坊な元夫の執着愛

68.6k 閲覧数 · 連載中 · 鯨井
篠崎アエミが最も後悔したことは、すべてを捨てて榎田神也と秘密裏に結婚し、卑屈に彼の傍らにいて、自分自身を失ってしまったことだった。

初恋が帰国し、彼女は彼を要らないと言った。

離婚後、彼女は人生の頂点に立った。

トップレベルのデザイナー無憂は彼女だった。
トップクラスの名門が失った令嬢も彼女だった。
手のひらを返せば雲を作り、手のひらを返せば雨を降らせる株の神も彼女だった。
極品の入り婿

極品の入り婿

3.8k 閲覧数 · 連載中 · 佐藤製作所
彼が財産を相続して戻ってきた時、かつて彼を見下していた人々は彼の前にひざまずくしかなかった。
捨てられたルナの復讐

捨てられたルナの復讐

11k 閲覧数 · 完結 · Sherry
「ご親切なことで」

「ベラ」イーサンの声音が変わった。わたしが嫌というほど知っている、あの警告めいた刃が混じる。「いまのフェイは不安定なんだ。おまえが彼女を恨むんじゃないか、これで群れが割れるんじゃないかって、怯えてる。彼女がいちばん望んでないのは、この子が俺たちの間に入り込むことだ」

「だったら、そんなことしなければよかった」わたしは真正面から彼の目を捉え、こちらの瞳に張りついた氷を見せつけた。「息子のところへ戻って」

「いい加減にしろよ」彼は苛立ちまぎれに髪をかきむしった。「何度言えば――人工授精だ。俺の精子を使ったのはそうだが、フェイと俺は――」

ベラは冷えきった鼻笑いを漏らした。なんて厚かましい嘘。彼女の伴侶は、兄の番と関係を持ち、家族ぐるみで彼女を何も持たせず追い出した。愛人が「正しい」座に収まるために、道を空けるように。哀れな愚か者――彼は、彼女がただの厄介な養女で、簡単に切り捨てて支配できると思い込んでいた。自分が探し求めていた天才的な技術者が、まさか自分のルナだったとは、ついぞ知らずに。

彼が自らを汚した時点で、ベラの中ですべては終わった。彼女は彼を拒み、奪われたものを取り戻した。何年も密かに彼女を愛してきたヴィクターの助けを得て、頂点へと駆け上がっていく。

イーサンが彼女を取り戻そうとしたとき、こう言った。「俺たちの子どもを、父親なしで育てたいのか」

ベラは嘲るように微笑んだ。「その子の父親は、あなたじゃないわ」
双子とヤクザの父親

双子とヤクザの父親

12.3k 閲覧数 · 連載中 · 蜜蜂ノア
予期せぬ運命の巡り合わせで、彼女はクラウンヘイブンで最も権威あるマフィアのボスと関わることになった。その出会いは一人の子供を授かることとなり、彼女は止むを得ない逃避行を余儀なくされた。

六年の月日が流れ、二人は思いがけず再会する。彼女は必死に彼から距離を置こうとするが、運命は異なる計画を用意していた。

驚くべきことに、彼は突然現れ、彼らの愛らしい子供を抱きしめながら、大胆に彼女に詰め寄る。「俺たちの子供を産んでおいて、逃げられると思ったのか?」

彼女は凍りついたように立ち尽くし、言葉を失う。彼こそ、畏怖の念を抱かせる帝国の君主だった。彼女は二人の世界があまりにもかけ離れていて、決して交わることはないと思い込んでいた。

しかし、彼女は知らずのうちに、この不屈の王の真実の愛となっていたのだった。
再婚後、クズ元夫が私に土下座した

再婚後、クズ元夫が私に土下座した

51.5k 閲覧数 · 連載中 · ニワハナ
長きにわたって、彼女は半身不随となった夫を献身的に看病し、時に自らの身を危険に晒して治験薬の投与にも協力した。自らの健康を蝕まれながら、夫を死の淵から引き戻したのだ。

しかし、夫がついに自力で立ち上がれるほど回復したその日、彼は初恋の女性を腕に抱き、こう言い放った。
「これからの人生、俺は彼女と、彼女のお腹の子を守っていく」

打ちのめされた彼女が離婚を切り出すと、夫は冷徹に彼女の口座をすべて凍結し、無一文のまま家から追い出し、嘲笑うように吐き捨てた。
「俺がいなければ、お前には何の価値もない」

彼女が妊娠検査薬をそっと隠し持ち、すべてに別れを告げて永遠に立ち去るまで、夫が慌てふためくことはなかった——。
冷酷非道な大物との政略結婚を強いられ、私は開き直った

冷酷非道な大物との政略結婚を強いられ、私は開き直った

40k 閲覧数 · 連載中 · 桜井 ゆい​
【前世】

ヤクザの家に生まれた宿命を恐れるあまり、私は幼馴染の周防文哉のもとへ逃げるように嫁いだ。

けれど結婚から五年――私は家畜のように囚われ、夫とその愛人に蹂躙され続けた。息絶えようとするその瞬間、最後に目に映ったのは、私の目の前で絡み合う二人の姿だった。


【転生】

再び目を開けると、婚約が公の場で発表されたあの瞬間に戻っていた。

周防文哉が愛おしそうに私を見つめ、優しく囁く。

「俺と結婚してくれ。」

次の瞬間――若きヤクザの組長が私の腕を掴み、力強く抱き寄せた。銃口は真っ直ぐ周防文哉に向けられている。

彼が、私の代わりに答えた。

「――断る」
妻が去り、妊娠を知った俺は、ただ泣き崩れるしかなかった

妻が去り、妊娠を知った俺は、ただ泣き崩れるしかなかった

610.4k 閲覧数 · 連載中 · 蛙坂下道
鈴木七海は、中村健に好きな人がいることをずっと知っていた。それでも、彼との結婚を選んだ。
しかし、結婚して5年後、彼は離婚を切り出した。その時初めて、彼の想い人が私の父の隠し子(私の異母兄弟)だと知った。
離婚を決意した七海だったが、その時にまさかの妊娠が判明した。
億万長者のシンデレラ

億万長者のシンデレラ

47.3k 閲覧数 · 完結 · Laurie
「キスはしない」彼の声は冷たかった。
そうよね、これはただのビジネスだもの……
でも、彼の触れる手は温かくて……誘惑的で……
「処女なのか?」突然、彼は私を見つめた……

*****

エマ・ウェルズ。卒業を控えた女子大生。継母のジェーンと義姉のアンナから虐待を受け続けてきた彼女の人生で、唯一の希望は王子様のような恋人マシュー・デイビッド。世界一幸せな女性にすると約束してくれた人。

しかし、彼女の世界は完全に崩れ去った。継母が老人から結納金として5万ドルを受け取り、彼女を嫁がせることに同意したのだ。さらに追い打ちをかけるように、愛する恋人が親友のビビアン・ストーンと浮気をしていたことを知る。

土砂降りの雨の中、通りを歩きながら、彼女は絶望の淵に立たされていた……

拳を握りしめ、決意した。売られる運命なら、自分で売り手になってやる。

豪華な車の前に飛び出し、立ち止まる。自分の処女は一体いくらの価値があるのだろう……

*****

デイリー更新