貢いで彼らの夢を叶えてあげたら、私の破滅を企まれていました

貢いで彼らの夢を叶えてあげたら、私の破滅を企まれていました

大宮西幸 · 完結 · 19.5k 文字

664
トレンド
665
閲覧数
0
追加済み
本棚に追加
読み始める
共有:facebooktwitterpinterestwhatsappreddit

紹介

ネットである筆頭開発者のひとりに、実名入りでボロクソに叩かれた。

彼が言うには、私の「育成プロジェクト」は『金の鳥籠』であり、チームを搾取して個人の知的財産を盗むための罠だ、ということらしい。

だけど、事実はどう?

私はあのプロジェクトに、すべて自分のポケットマネーから資金を出していたのよ。

選ばれた候補者には、見返りなしの準備金五十万円が支給され、さらに最高ランクの学費全額返済サポートまでついてくる。100%自由参加で、辞退してもペナルティは一切ない。

それなのにネット民どもが、私のことを「労働者の創造性を独占する有害な資本家」だと決めつけたから、私はその開発者に「お望みのもの」をそっくりそのまま与えてやることにしたの。会社全体に、こんなメモを一斉送信してやった。

「資本家による搾取から皆さんの創造の自由を守るため、五十万円の育成基金は直ちに、かつ永久に廃止します」

「これに代わる措置として、全従業員への月々の教育手当は、基礎的なプログラミング講座に対する千五百円の払い戻しのみとします」

メモが配信された瞬間、その五十万円をあてにして学費を返済しようとしていた人や、人生を変えようとしていた従業員たちは完全にパニックに陥った。

今、彼らは私のガラス張りのオフィスのすぐ外に群がっているわ。目を真っ赤に腫らし、どうかプログラムを復活させてほしいと、必死に泣きついてきているところよ。

チャプター 1

 うちの主任開発者の一人が、ネット上で私を吊し上げた。

 あいつは私の「インキュベーション・プロジェクト」は金ピカの檻――チームを搾取し、個人の知的財産を奪うための罠だ、と言い張ったのだ。

 真実は?

 資金は私の自腹だ。

 選ばれた候補者には、ひもなしの種銭として五百万円。さらに帝都大学の学費を全額補助。参加は完全任意で、辞退してもペナルティは一切なし。

 それなのにネットは、私を創造性を独占する有害な資本家扱いだ。なら、あいつが望んだ通りにしてやった。全社向けメモを叩きつけた。

「資本家による搾取から皆さんの創作の自由を守るため、五百万円のインキュベーション基金、および学費全額補助制度は本日付で即時、恒久的に廃止します」

「代替として、全社員の月次教育手当は、基礎的なコーディング講座の受講料に限り、一律千五百円を支給します」

 メモが投下された瞬間、あの五百万円を当てにして学費ローンを返したり人生を変えたりしようとしていた社員たちは、完全にブチ切れた。

 いま、私のガラス張りの執務室のドアの外に群がっている。目を真っ赤にして、制度を戻してくれと泣きついて。

「五百万円。ひもなしの種銭。加えて帝都大学の上級課程の学費全額補助」

 私は会議室の前に立ち、プレゼンのリモコンをクリックした。画面は、前例のない待遇のスライドで止まっている。

 静まり返った。

 そして次の瞬間、部屋が爆発した。

「マジかよ、本当に五百万!?」

「帝都大学の学費タダ!? 先週まさに支払いで胃が痛かったんだけど!」

 主任UIデザイナーの高橋由美が、同僚たちと興奮した目配せを交わしている。

 私は手を上げて静まるよう促した。

 たちまち、全員の視線が私に突き刺さる。

「だが、投資には境界がある」私はポインターを押した。スライドが切り替わり、白黒の条項がびっしりと並ぶページが表示される。

「これが『IPガードレール』だ。簡単に説明しよう。第一に、この資金を使って開発したプロジェクトの基盤コードは、秘密保持契約の対象になる。第二に、プロジェクトを商用化する場合、株式会社ミライメディアは独占配信に関する優先交渉権と、次回資金調達時における優先出資のオプションを持つ」

「これは、将来の著作権トラブルを防ぐための防壁だ。特に大手配信プラットフォームと組む際、あちらのデューデリジェンスで引っかかると厄介なことになる。会社を守り、最終的には君たちの努力をも守るためだ。――質問は?」

 前列に漂っていた陶酔は、目に見えて冷めた。低いざわめきが生まれ、皆が頭の中で損得勘定を始める。正常な反応だ。大人の世界は、結局取引でできている。

 そのとき、わざとらしい含み笑いが囁きを切り裂いた。

「あの、悪いけどさ。言葉遊びしてるだけじゃない?」

 生田拓也だった。中核のバックエンド開発者で、登録者三十万人の兼業テック動画投稿者でもある。

「どういう意味?」私は真っ直ぐ拓也を見た。

 拓也は立ち上がった。「夢を支援してるように聞こえるけど、ここの文言をよく見ろよ。優先交渉権? つまりさ、この五百万を受け取ったら、将来一千万の価値になるかもしれない俺らの独立IPが、会社にがっちり縛られるってことだろ。秘密保持契約? いつでも差し止め食らわせて、『お前らのコードはウチの権利を侵害してる』って言えるってことじゃん」

 両手を広げ、挑発的な口調で煽る。「インキュベーションじゃない。小銭で合法的に知財を強奪する仕組みだろ。そうだよな、みんな?」

 息を呑む音が部屋の隅々から返ってきた。

 由美の目から光が消えた。若いエンジニアが何人か、目に見えて迷ってから、同調するように頷き始める。拓也は見事に、その場にいる全員のいちばん過敏な神経を逆撫でしてみせた。――現場で汗を流すコーダー対、自分たちの創造性を吸い上げる吸血企業、という対立構造を植え付けるために。

「合法的に強奪?」私は小さく笑った。

「生田さん、『オプトイン』って概念を理解してないのか?」

 声が冷たくなる。「私は誰にも強制していない。罠だと思うなら、署名しなければいい。この五百万円を受け取らなければ、基本給を減らす人間もいない。昇進を塞ぐ人間もいない」

「だが、自分がルールに従いたくないからって、他人が人生を変えられる本物の機会を『搾取』だと貶める権利があるわけじゃない。自由が欲しいなら勝手に持っていろ。だがそれを武器にして、他の全員の未来を潰すな」

 拓也の顔に浮かんでいた薄笑いが、一瞬凍りついた。私が餌に食いついて「搾取」だの何だのと弁明すると思っていたのだろう。

 だが、あいつの頭の回転は速かった。すぐさま、さらに上の「正義のポジション」へと逃げ込み、道徳を振りかざし始める。

「俺はチームの公平さのために戦ってるだけだよ。秘密保持契約に署名した人が五百万と帝都大学のリソースを手に入れたら、参加しない選択をした俺らは、得られるはずの利益を失う被害者になるだろ? 同僚がでかい金を渡されていくのを見ながら、どうやって平穏に働けっていうんだよ」

 その自己愛と権利意識に、私は呆れるのを通り越して少し面白くすらなった。

 制限もリスク分担も拒むくせに、いざ自分の懐に金が入らないとなると、まるで自分の正当な財産を奪われたかのように騒ぐ。

「安心して働きたい? 簡単だ。応募して、選ばれれば、お前も五百万円を持って帰れる」

 これ以上言い争う隙を与えず、私は資料の束を掴んで席を立った。

「応募ポータルの締切は今日の午後六時きっかりだ。時間が来れば、アクセスは完全にシャットアウトされる。以上、解散」

 私はまっすぐ自分のオフィスへ戻った。

 境界のない善意は、契約の精神を買えない。ただ、際限のない恩知らずの寄生虫を育てるだけだ。

 これで終わったと思った。

 三十分後、ドアがノックされた。

 拓也がドアを押し開けて入ってきた。目は赤く、途方もない重圧と被害者意識を背負った人間の顔をしている。

「社長」拓也はため息をつき、わざと脆さをまとわせた声音で言った。「さっきの会議、ちょっと言い方きつかった。悪かったよ。根に持たないでくれ」」

最新チャプター

おすすめ 😍

転生して、家族全員に跪いて懺悔させる

転生して、家族全員に跪いて懺悔させる

321.2k 閲覧数 · 連載中 · 青凪
婚約者が浮気していたなんて、しかもその相手が私の実の妹だったなんて!
婚約者にも妹にも裏切られた私。
さらに悲惨なことに、二人は私の手足を切り落とし、舌を抜き、目の前で体を重ね、そして私を残酷に殺したのです!
骨の髄まで憎い...
しかし幸いなことに、運命の糸が絡み合い、私は蘇ったのです!
二度目の人生、今度は自分のために生き、芸能界の女王になってみせる!
復讐を果たす!
かつて私をいじめ、傷つけた者たちには、十倍の報いを受けさせてやる...
私が彼を滅ぼした――だから、今度はこの命を捧げて守り抜く

私が彼を滅ぼした――だから、今度はこの命を捧げて守り抜く

4k 閲覧数 · 連載中 · 南宮
愛する人を殺めた罪の重さ、その疼きを私は決して忘れない。
二度目の生を得た私は、かつて私が踏みにじった孤独な王のもとへ再び舞い戻った。
「未来」という名の禁断の知恵を、唯一の嫁入り道具として。
彼に差し出される毒も、背後に潜む暗殺の罠も、すべて私の視界の中にある。
これは彼を導くための道標であり、魂の誓い。
彼を闇へ堕としたかつての私は、もういない。
今、私は彼を守り抜くために全てを焼き払う、最も鋭き刃となる。
別人として再会した元夫に、なぜか二度目の熱い誓いを迫られています

別人として再会した元夫に、なぜか二度目の熱い誓いを迫られています

5.5k 閲覧数 · 連載中 · ^野田恵^
顔も知らぬ夫との、跡継ぎを残すためだけの冷酷な「契約結婚」。
3年間、一度も交わることのなかった夫婦関係の中で、夏目千尋は亡き母の遺品を取り戻すため、ある危険な賭けに出る。

会員制クラブで泥酔した男、神崎雅臣。
目的のため、彼をベッドへと誘い、一夜の情熱を共にした。千尋にとっては、それきりの割り切った取引のはずだった。……その男が、実は「自分の夫」であるとも知らずに。

その後、彼女は偽名「アンナ」を名乗り、有能なビジネスパートナーとして彼の前に再び現れる。
大胆で挑発的、自分の思い通りにならない彼女に、雅臣はいつしか狂おしいほどに惹かれ、その心を囚われていく。目の前で自分を翻弄する不敵な美女が、まさか自宅に放置している「自分の妻」だとは夢にも思わずに。

冷え切った関係に終止符を打つべく、テーブルに置かれた離婚届。
しかし、予期せぬ「妊娠」が、二人の隠された関係をすべてひっくり返す。

始まりは、冷徹な利害の契約だった。
裏切りと欺瞞のゲームの果てに、先に愛の底へ堕ちたのは、一体どちらなのか――。
家族の縁を切った日、兄たちはすべてを失った

家族の縁を切った日、兄たちはすべてを失った

368.6k 閲覧数 · 連載中 · 風見リン
前の人生で両親が交通事故で亡くなった後、長兄は世間体を気にして、事故を起こした運転手の娘を家に引き取った。
公平を期すという名目のもと、兄たちは彼女からリソースを根こそぎ奪い、その尊厳を踏みにじってまで、運転手の娘を支えた。
彼女は兄たちのためにすべてを捧げたというのに、家を追い出され、無残に死んだ。

生まれ変わった今、彼女は人助けの精神などかなぐり捨てた。許さない、和解しない。あなたたちはあなたたちで固まっていればいい。私は一人、輝くだけ。

兄たちは皆、彼女がただ意地を張っているだけだと思っていた。三日もすれば泣きついて戻ってくるだろうと高を括っていたのだ。
だが三日経ち、また三日経っても彼女は戻らない。兄たちは次第に焦り始めた。

長兄:「なぜ最近、こんなに体調が悪いんだ?」――彼女がもう滋養強壮剤を届けてくれないからだ。
次兄:「会社のファイアウォールは、なぜこうも問題ばかり起こす?」――彼女がメンテナンスに来なくなったからだ。
三兄:「新薬の開発が遅々として進まないのはなぜだ?」――彼女が治験をしなくなったからだ。
四兄:「どうしてこんなにつまらない脚本しか上がってこない?」――彼女がもう執筆しないからだ。
五兄:「この義肢は、なぜこんなに出来が悪いんだ?」――彼女が製作をやめたからだ。
六兄:「なぜチームが負けた?」――彼女が脱退したからだ。

兄たちは地に膝をついて許しを請うた。「戻ってきてくれ。俺たちこそが、血を分けた本当の家族じゃないか」

彼女は絶縁状を兄たちの顔に叩きつけ、冷ややかに笑った。
「車が壁にぶつかってから、ようやくハンドルを切ることを覚えたのね。株が上がってから、ようやく買うことを覚え、罪を犯して判決が下ってから、ようやく悔い改めることを覚えた。残念だけど、私は――許さない!」
離婚後、奥さんのマスクが外れた

離婚後、奥さんのマスクが外れた

317.4k 閲覧数 · 連載中 · 来世こそは猫
結婚して2年後、佐藤悟は突然離婚を申し立てた。
彼は言った。「彼女が戻ってきた。離婚しよう。君が欲しいものは何でもあげる。」
結婚して2年後、彼女はもはや彼が自分を愛していない現実を無視できなくなり、過去の関係が感情的な苦痛を引き起こすと、現在の関係に影響を与えることが明らかになった。

山本希は口論を避け、このカップルを祝福することを選び、自分の条件を提示した。
「あなたの最も高価な限定版スポーツカーが欲しい。」
「いいよ。」
「郊外の別荘も。」
「わかった。」
「結婚してからの2年間に得た数十億ドルを分け合うこと。」
「?」
離婚後、ママと子供が世界中で大活躍

離婚後、ママと子供が世界中で大活躍

180.4k 閲覧数 · 連載中 · yoake
18歳の彼女は、下半身不随の御曹司と結婚する。
本来の花嫁である義理の妹の身代わりとして。

2年間、彼の人生で最も暗い時期に寄り添い続けた。
しかし――

妹の帰還により、彼らの結婚生活は揺らぎ始める。
共に過ごした日々は、妹の存在の前では何の意味も持たないのか。
伝説の天才、偽りの姿だ

伝説の天才、偽りの姿だ

7k 閲覧数 · 連載中 · ショコラ風味
トップ組織のS級エージェントであり、冷徹無情、そして圧倒的な知性を誇った主人公。しかし、仲間に裏切られ、無残にも殺害されてしまう。

だが、目を覚ますと、知能が低いと見下されている「不細工な女子大生」へと生まれ変わっていた。

容姿を嘲笑われれば、自ら開発したスキンケアクリームで誰もが息をのむ美貌へと変貌を遂げる。

知性を馬鹿にされれば、世界最高峰の大学の総長が自らスカウトに訪れ、医学界の権威は秘密の処方を求めて跪き、国際的なトップスターは楽曲の編曲を求めて彼女を追いかける。

二度目の人生こそは平凡な生活を味わおうとしたものの、隠された正体が次々と暴かれ、気づけばまたしても世界の頂点へと上り詰めてしまう。

背後には無数の配下を従え、その傍らには彼女を守る冷徹な実力者が寄り添うが、この冷徹な男は何かと嫉妬深く、彼女を翻弄してくるのだった。
彼女を誘惑して、一夜で虜になった

彼女を誘惑して、一夜で虜になった

83.8k 閲覧数 · 連載中 · 月見光
結婚して三年——
彼は毎晩、私を抱きながらも、心はいつも“好きな人”にあった。
私は必死に「今泉夫人」としての役目を果たし、
愛のない結婚を繋ぎとめようとしていた。

けれど、妊娠がわかったあの日——
最愛の夫は私を手術台に押しつけて言った。
「小島麻央、子供とお前、どちらかしか生かせない。」
その言葉で、私の世界は雲散霧消した。粉々になった心を抱えて、私はすべてを捨てて去った。
──再会した時、
私はもう、かつての小島麻央ではなかった。
世界を驚かせるほど、美しく、強く、生まれ変わったのだ。跪く元夫が囁く。「麻央、帰ってきてくれ……」私は微笑んで答えた。「ごめんなさい。もう男には興味ないの。」その瞬間、彼は私を抱き寄せ、低く笑った。
「昨夜の君は、そうは言わなかっただろ……?」
偽物令嬢の逆転劇

偽物令嬢の逆転劇

75.2k 閲覧数 · 連載中 · ひかり
「泥棒女め、今すぐこの家から出て行きなさい!」

実の娘が戻ってきたその日、私はゴミのように家を追われた。
病弱な「お嬢様」の生きる輸血パックとして虐げられ、血を搾り取られ続けてきた日々。用済みになった途端、身に覚えのない盗みの罪を着せられ、婚約者からも冷酷に捨てられた。
元家族たちは、私が「貧しい田舎で野垂れ死ぬ」と信じて疑わなかった。

だが、彼らは何も知らなかったのだ。
私が、世界中のVIPが縋る伝説の名医であることも。
私を迎えに来たオンボロトラックが、実は国家機密級の超高級カスタムマシンであることも。
そして、私の本当の実家が、国さえも動かす世界屈指の超巨大財閥だということも!

「今まで苦労をかけたね、私たちの可愛いお姫様」
生き別れていた超過保護な両親と、各界の頂点に君臨する最強の兄たちに狂おしいほど溺愛されるシンデレラライフが幕を開ける!
一方、大切な「命の恩人」を自ら捨てた元家族たちには、破滅へと向かう絶望の後悔タイムが待ち受けていて!?

虐げられた天才少女が本当の愛と富を掴み取る、逆転ファンタジー、ここに開幕!
婚約破棄後、私はヤクザの組長と結婚した

婚約破棄後、私はヤクザの組長と結婚した

63.2k 閲覧数 · 連載中 · やもり
裏切りと陰謀が渦巻く世界で、妃那(えな)は突然の誘拐事件に巻き込まれる。
救いの手を差し伸べたのは謎めいた男・葉夜(かなや)だったが、彼の真意は読めない。
一方、妃那の宿敵であり自信家の祈葉(いのか)は、自らの美貌と魅力を武器に黒社会の頂点を目指すが、
思いもよらぬ残酷な試練に追い込まれていく。
誤解と嫉妬、愛と憎しみが絡み合い、
それぞれの思惑がやがて一つの危険な運命へと収束していく――。
跡継ぎ問題に悩む御曹司様、私がお世継ぎを産んで差し上げます~十代続いた一人っ子家系に、まさかの四つ子が大誕生!~

跡継ぎ問題に悩む御曹司様、私がお世継ぎを産んで差し上げます~十代続いた一人っ子家系に、まさかの四つ子が大誕生!~

389.5k 閲覧数 · 連載中 · 蜜柑
六年前、藤堂光瑠は身覚えのない一夜を過ごした。夫の薄井宴は「貞操観念が足りない」と激怒し、離婚届を突きつけて家から追い出した。
それから六年後——光瑠が子どもたちを連れて帰ってきた。その中に、幼い頃の自分にそっくりの少年の顔を見た瞬間、宴はすべてを悟る。あの夜の“よこしまな男”は、まさに自分自身だったのだ!
後悔と狂喜に押し流され、クールだった社長の仮面は剥がれ落ちた。今や彼は妻の元へ戻るため、ストーカーのようにまとわりつき、「今夜こそは……」とベッドの隙間をうかがう毎日。
しかし、彼女が他人と再婚すると知った時、宴の我慢は限界を超えた。式場に殴り込み、ガシャーン!と宴の席をめちゃくちゃに破壊し、宴の手を握りしめて歯ぎしりしながら咆哮する。「おい、俺という夫が、まだ生きているっていうのに……!」
周りの人々は仰天、「ええっ?!あの薄井さんが!?」
殺されたので戻りましたが、元夫の宿敵に執着されています

殺されたので戻りましたが、元夫の宿敵に執着されています

17.1k 閲覧数 · 連載中 · しらとり ちおり
前世で自分を殺した夫から逃れるため、必死の思いで飛び込んだ部屋。
そこにいたのは、あいつの最大最凶の「宿敵」だった――。

上半身裸の彼に壁へと押し付けられた私は、耳元でその低く甘い声を聴く。
「他の女たち?……どいつもこいつも、もっと優しくしてくれって泣いて縋ってくるがな」

ただの一時しのぎのはずだった。なのにその夜を境に、この危険な男は私に執着し、決して離そうとしない。

前世の夫への復讐を誓い、罠を仕掛けた「復讐劇」の舞台が間近に迫る中。
不敵に微笑む彼は、本当に式場をぶち壊しに現れるつもりなのだろうか――?