夜に沈む

夜に沈む

洛陽柱 · 連載中 · 421.2k 文字

830
トレンド
11.5k
閲覧数
462
追加済み
本棚に追加
読み始める
共有:facebooktwitterpinterestwhatsappreddit

紹介

初恋の相手は、百万ドルと引き換えに私を捨てた。そうして私は、望まぬ政略結婚へと追いやられた。

あれから五年。彼が再び私に会おうとした、その時——夫がそのすべてを知ることになる。

チャプター 1

結婚して何年も経つある日、初恋相手から「会いたい」というメッセージが届いた。白川凰姫は――情けないほど、ためらってしまう。

【凰姫、5年ぶりだね。元気? 一度、会いたい……】

送り主は初恋の彼氏、相良沢弥。

5年もあれば、人も状況も変わる。たとえば彼女はとっくに結婚していて、いまは妊活中だ。

白川凰姫は【もう結婚してる】と打ち込んだ。けれど送信できない。長い逡巡の末、その一文を消して、最後に返したのはたった一文字だった。

【いいよ】

――そろそろ、この実らなかった初恋に終止符を打つべきだ。

あのとき相良沢弥は、芳丸家から渡された2億の小切手を手に、二人の誓いを捨てるように振り返りもせず海外へ行った。

彼女は家の都合の縁談を受け入れるしかなく、愛されもしない男に嫁いだ。

そんなことを考えていると、腰がふいにきゅっと締まる。温かな胸板が背中に密着した。

雪松の香りが、一瞬で彼女を包み込む。

白川凰姫はびくっとして、すぐに画面を消した。スマホを掌の中でぎゅっと握りしめる。

「出張じゃなかったの? いつ戻ったの……?」

いつからいたの。何か、見られた……?

芳丸巡哉は答えない。熱い唇が首筋に落ち、ぞくりと震えが走った。

掠れた、色気のある声が耳元をくすぐる。

「何見てた。そんなにぼーっとして」

白川凰姫の心臓が一拍抜ける。

「な、何でもない……仕事のメールよ」

振り返らない。おかしさを見抜かれたくなかった。

この男が、夫。2億で彼女と相良沢弥の年月を買い切った男だ。

芳丸巡哉は腰を抱えたまま彼女を向き直らせ、唇を乱暴に塞いだ。

逃げ場のない熱に身体がほどけていく。白川凰姫は両手で彼の厚い胸を押し返そうとしたが、キスはさらに荒くなる。

いつもより、ずっと強引だった。寝間着をたくし上げ、彼女が求めているかどうかなど確かめもせず、容赦なく突き入ってくる。

結びつく震えに、二人の身体が甘く痺れた。普段の巡哉なら、凰姫が慣れるまで待ってから動くのに。今夜は違う。粗く、何度も、奥まで。

白川凰姫は初めて、こんなにも激しい行為を知った。巡哉が我を失うことは確かにあったが、たいていは彼女の感覚を優先してくれたはずなのに。

耐えきれず声が漏れる。

「……や、やめ……」

巡哉の瞳に暗い光が走る。止まるどころか、さらに速くなる。

身を屈めて彼女の脚を持ち上げ、押し込むように、もっと深く。

昂りの底で、男が耳元に低く囁いた。

「子どもを産んでくれ」

白川凰姫は、呆けたように固まった。胸の奥がきゅっと締め付けられて痛い。

――彼が自分に熱を注ぐのも、結局は「子ども」という目的のため。

5年前、白川家の事業が失敗し、養父母は資金欲しさに彼女を五十過ぎの禿げ頭の男へ嫁がせようとした。そこに現れて救ったのが芳丸巡哉だった。

群衆の中で、矜持のある空気を纏いながら淡々と言った。

「俺が娶る」

入籍のとき、彼女は勇気を振り絞って訊いた。

「どうして……私なんですか」

巡哉は煙草に火を点け、煙の向こうで端正な輪郭を曖昧にしたまま言う。

「祖母が歳でな。孫が見たい。知り合って長いし、身元も分かってる。芳丸の奥さんとして都合がいい」

彼が欲しかったのは子どもで、彼女は――高い金で買われた、都合のいい器。

狂ったような熱の中、白川凰姫はすぐに頂点に達した。痺れる快感が脳を白く塗りつぶし、脚は力を失って大きな掌に押さえられる。

まだ息も整わないうちに、男は彼女を抱き寄せた。いつもは底の見えない瞳が濃い欲で滲んでいる。

「もう一回」

そう言うと、次の波へと容赦なく引きずり込んだ。

今夜の巡哉は明らかにおかしい。狂気じみた狠さで、彼女を気絶させたいみたいだった。

何度重ねたのかも分からない。終わったころには白川凰姫は指一本すら上げられなかった。

巡哉はベッドヘッドにもたれ、煙草に火を点ける。煙を吐きながらスマホを開き、青みのある深い瞳を伏せて画面を見ていた。

白川凰姫が横目で見ると、一瞬だけ見えた待ち受けは白いワンピースの少女だった。

――これが、彼が何年も想って手に入らなかった女?

結婚前から噂は聞いていた。巡哉には長く想い続けた相手がいて、ずっと身持ちが堅い。けれどその相手には長年付き合っている恋人がいる、と。

上流の圈子では、芳丸巡哉が一途な男だという話は格好の酒の肴だった。

きっと忘れられないのだろう。新婚初夜、巡哉は戻らなかった。白川凰姫は一人寝室で、夜が明けるまで待った。

翌日には出張。二人はそれぞれの生活で、同じ家に住んでいなければ結婚が幻だったと思うほどだった。

ある夜、酔った巡哉が彼女を想い人と勘違いし、関係を持った。それ以降、排卵期の数日だけ、任務をこなすみたいに彼はきっちり帰宅して彼女を抱いた。

惨めだ、と感じることがある。愛した男には捨てられ、今の夫は別の女を愛している。

巡哉がまだスマホを見ている横で、白川凰姫は震える脚を堪えながら起き上がり、客間へ行こうとした。

ところが二歩目で膝がふっと抜け、前へ倒れそうになる。

痛みは来なかった。巡哉の逞しい腕が即座に腰を掬い、彼女を横抱きにする。

白川凰姫は柔らかな大きなベッドへ放られた。

高い影が覆いかぶさり、逃げ場なく押さえ込まれる。

「白川凰姫」

冷たく沈んだ声。

「そんなに俺と同じベッドで寝るのが嫌か」

暗闇の中、白川凰姫の右耳がじんじん鳴る。静寂が濃い。

右耳が聞こえないことを、誰も知らない。子どもの頃、酔った養父に叩かれてから、右では音が曖昧になった。

彼の怒りを押し殺した問いを聞き取れず、ただ冷たい気配から「不機嫌」だけを感じ取る。

怒ってる? まだ続けたいのか、それとも私が台無しにしたのか。

不安と焦りが、一気に喉まで押し寄せた。

白川凰姫は手を伸ばし、彼の腕にそっと触れる。媚びを混ぜた小さな声。

「……怒ってるの?」

男の身体が明らかに硬直した。

効いた、と勘違いした凰姫は、さらに柔らかく言う。

「ごめんなさい……怒らないで……」

彼女が「歩み寄り」だと思ったそれは、巡哉にとっては油を注ぐ行為だった。

彼が欲しいのは、謝罪でも従順でもない。

巡哉の指がきゅっと締まる。身を屈め、熱い息が彼女の頬にかかるのに、言葉は落ちてこない。

長い沈黙の末、巡哉は彼女の隣に横になった。背を向けたまま、硬く冷たい背中だけを見せる。

「寝ろ」

低く、氷のような声。そこに温度はなかった。

白川凰姫の心が底へ沈む。やっぱり怒っている。

彼から立ち上る冷えに押されるように、彼女はベッドの端へ丸まり、遠い距離を空けた。

彼女が重い眠りへ落ちたあと、スマホが光って住所が届いた。

翌朝、その住所を見て白川凰姫はぼんやりしたまま階段を下りた。巡哉はすでに食卓に座っている。

きっちり仕立てられたスーツ。経済紙に目を落とし、金縁眼鏡の奥の瞳は深く、感情が読めない。

昨夜の失控と怒りなど、夢だったかのように。

食後、巡哉は電話を一本受けて出て行った。白川凰姫は行き先も帰宅時間も訊かない。

私生活に干渉しない――それも政略結婚の取り決めで、彼女はこの数年、芳丸の奥さんとしてきちんと守ってきた。

けれど今回は、契約を守らないと決めた……。

最新チャプター

おすすめ 😍

私が囲っている億万長者

私が囲っている億万長者

6.6k 閲覧数 · 連載中 · ほしの ちなつ
私はただ、心の痛みを紛らわせたかっただけ。

彼は息を呑むほど美しく、落ちぶれていた。夫の裏切りがもたらした傷が完全に癒えるまで、彼をそばに置いておくつもりだった。

お金で彼の付き添いを買い、すべてのルールを私が決め、すべてを完全に掌握しているつもりだった。

けれど、私の隣で横たわるこの男の正体は、彼が語ったものとはまるで違っていた。

魅惑的な笑顔と抗いがたい容姿の下に隠されていたのは、仇敵から身を隠す億万長者の素顔だった。

今や彼は、私の生活に、私のベッドに、そして私の心に――完全に絡みついている。

身を引くことは、彼のそばにいることよりも、もっと危険かもしれない。
転生して、家族全員に跪いて懺悔させる

転生して、家族全員に跪いて懺悔させる

331.6k 閲覧数 · 連載中 · 青凪
婚約者が浮気していたなんて、しかもその相手が私の実の妹だったなんて!
婚約者にも妹にも裏切られた私。
さらに悲惨なことに、二人は私の手足を切り落とし、舌を抜き、目の前で体を重ね、そして私を残酷に殺したのです!
骨の髄まで憎い...
しかし幸いなことに、運命の糸が絡み合い、私は蘇ったのです!
二度目の人生、今度は自分のために生き、芸能界の女王になってみせる!
復讐を果たす!
かつて私をいじめ、傷つけた者たちには、十倍の報いを受けさせてやる...
スズメが玉の輿? ――本物の令嬢な私は、木ごと切り倒してやるわ

スズメが玉の輿? ――本物の令嬢な私は、木ごと切り倒してやるわ

4.5k 閲覧数 · 連載中 · 三日月プリン
一度死んだ彼女は、復讐のために地獄から這い上がってきた。

裏切られ、内臓まで奪われ、ゴミのように捨てられた過去。婚約者は彼女を4人の男に差し出し、その惨劇を動画に撮影した。家族はまだ息のある彼女の臓器移植に同意し、妹は人生と子供を奪った上で、国境の売春宿で売り飛ばされた彼女を見殺しにした。

だが、運命は彼女を見捨てなかった。

生まれ変わった彼女が挑むのは、全く別の復讐劇。もはや昔の無知で哀れな令嬢ではない。地獄で鍛え上げられた冷酷で賢しく、危険なほど美しく魅惑的な女。敵に微笑みながら毒を盛り、奴ら全員を焼き尽くすためなら悪魔とさえベッドを共にする。

スポットライトが当たった時、奴らは知ることになる。自らの手で作り上げた『怪物』の恐ろしさを。

彼女を殺したつもり? 残念ね――私、もう地獄を見てきたから、何があっても絶対に折れないの。
未熟

未熟

3.6k 閲覧数 · 連載中 · ほしの なお
結婚3周年の日、見知らぬ相手からのメッセージが私の命を救い、同時に完璧だった結婚生活を木端微塵に砕いた。夫は親友と不倫し、義母は犯罪組織を牛耳る黒幕だった。
嘘の巣窟に囚われた私は、冷徹で権力を持つ弁護士にすがり、復讐を誓う。妊娠の偽装、証拠集め――奴らをすべて破滅させてやる。
だが、私を導く謎の「見知らぬ人」はいったい誰なのか? そして、その弁護士が本当に求めているものとは――?
妻が去り、妊娠を知った俺は、ただ泣き崩れるしかなかった

妻が去り、妊娠を知った俺は、ただ泣き崩れるしかなかった

508.6k 閲覧数 · 連載中 · 蛙坂下道
鈴木七海は、中村健に好きな人がいることをずっと知っていた。それでも、彼との結婚を選んだ。
しかし、結婚して5年後、彼は離婚を切り出した。その時初めて、彼の想い人が私の父の隠し子(私の異母兄弟)だと知った。
離婚を決意した七海だったが、その時にまさかの妊娠が判明した。
追放された偽令嬢、実は超財閥の真の令嬢

追放された偽令嬢、実は超財閥の真の令嬢

113.5k 閲覧数 · 連載中 · あざ鳥
「お前みたいな偽物の令嬢、さっさと山奥に帰れ!」

孤児だと判明した途端、彼女は養父母から冷酷に家を追い出され、婚約者も本物の令嬢へと乗り換えた。
彼らは、彼女がこれからド田舎で悲惨な生活を送るのだとあざ笑っていた。

しかし、彼女を迎えに来た実の家族は、なんと世界を牛耳る超巨大財閥の一族だった!
さらに、彼女自身もただの小娘ではない。その正体は、世界の医学界が平伏す伝説の天才医師だったのだ。

実家に戻るや否や、彼女は神業のようなメス捌きで次々と難病患者を救い、医療界の権威たちを圧倒していく。その圧倒的な実力に、誰もが恐れる冷酷なトップ御曹司でさえも彼女に惹かれ、無限額のブラックカードを差し出す始末。

一方、彼女を追い出した養父母の家業は倒産寸前に陥り、元婚約者も彼女の本当の姿を知って絶望の淵に立たされていた。
彼らが泣きついて許しを乞うても、彼女は冷たく言い放つ。

「今さら後悔しても、もう遅いわ」
舐めるつもり?なら、思い知らせてあげる

舐めるつもり?なら、思い知らせてあげる

39.6k 閲覧数 · 連載中 · 桜井 ゆい​
18年間、自分が実の娘でないとは知らずに生きてきた。ある日、荷物をすべて玄関の外に放り出され、街角に立ち尽くす私の前に現れたのは、噂では極貧だという「生家」から迎えに来た、見たこともない「兄」。

ところが、その兄が乗ってきたのはトラクターだった。

ガタガタと揺れるトラクターがたどり着いた先は、まるで古城のような大邸宅。そこで私は思い知る。本当の家族のもとに引き取られた私は、貧しくなるどころか、前よりずっと裕福になっていたのだ。

……だが、ちょっと待ってほしい。なぜ私には突然、婚約者というものが存在するのか。しかもその相手は、私の大学の教授だという。誰か、説明してくれないだろうか。
二度目はない 動じず咲く

二度目はない 動じず咲く

143.1k 閲覧数 · 完結 · Gloria Fox
結婚式の一ヶ月前、私は一年かけて自らの手で縫い上げたウェディングドレスを燃やした。

婚約者は身ごもった愛人を腕に抱き寄せたままそこに立ち、私を鼻で笑っていた。「俺がいなきゃ、お前なんて何の価値もない」

私はきびすを返し、この街で最も裕福な男の扉を叩いた。「ロック氏、政略結婚にご興味はおありですか? 千億ドル相当の株式――それに加え、未来のビジネス帝国も無料でお付けいたしますわ」
溺愛令嬢の正体は、まさかの霊能界トップ!?

溺愛令嬢の正体は、まさかの霊能界トップ!?

301.5k 閲覧数 · 連載中 · 朝霧祈
原口家に取り違えられた本物のお嬢様・原田麻友は、ようやく本家の原田家に戻された。
──が、彼女は社交界に背を向け、「配信者」として自由気ままに活動を始める。
江城市の上流社会はこぞって彼女の失敗を待ち構えていた。
だが、待てど暮らせど笑い話は聞こえてこない。
代わりに、次々と大物たちが彼女の配信に押しかけてくるのだった。
「マスター、俺の命を救ってくれ!」──某財閥の若社長
「マスター、厄介な女運を断ち切って!」──人気俳優
「マスター、研究所の風水を見てほしい!」──天才科学者
そして、ひときわ怪しい声が囁く。
「……まゆ、俺の嫁だろ? ギュってさせろ。」
視聴者たち:「なんであの人だけ扱いが違うの!?」
原田麻友:「……私も知りたいわ。」
不倫夫を捨て、私は大富豪の妻になる

不倫夫を捨て、私は大富豪の妻になる

313.3k 閲覧数 · 連載中 · 七海
人生最良の日になるはずだった、結婚式当日。
新郎の車から出てきたのは、見知らぬ女の派手なレースの下着だった。

しかも、その布切れにはまだ。生々しい情事の痕跡が残されていた。

吐き気がするほどの裏切り。
幸せの絶頂から地獄へと突き落とされた私。

けれど、泣き寝入りなんてしてやらない。
私はその場でウェディングドレスの裾を翻し、決意した。

「こんな汚らわしい男は捨ててやる」

私が選んだ次の相手は、彼など足元にも及ばない世界的な億万長者で?
「田舎者」と笑われた私、実は裏社会の女帝でした ~冷徹社長に正体がバレて溺愛される~

「田舎者」と笑われた私、実は裏社会の女帝でした ~冷徹社長に正体がバレて溺愛される~

116.7k 閲覧数 · 連載中 · 68拓海
ある名家から「不吉な忌み子」として捨てられ、世間からは「ただの田舎娘」と嘲笑される少女。
しかし、その正体は……
ファッション界を牽引するカリスマであり、香水界の伝説的な始祖。
さらには裏社会と政財界の命脈を握り、大物たちが跪く「影の支配者」だった!

長きにわたる雌伏の時を経て、彼女はついに帰還する。
奪われたすべてを取り戻し、自分を蔑んだ一族や世間を足元にひれ伏させるために。

一方、彼女の前に立ちはだかるのは、商業界の帝王と呼ばれる冷徹な男。
彼は知らなかった。裏でも表でも自分を脅かす最強の宿敵が、目の前で愛らしく微笑むこの少女だということを。

互いに正体を隠したまま、幾度もの交戦を重ねる二人。
そのスリリングな攻防の中で、二人は互いの秘密と脆さを共有し、やがて敵対関係は唯一無二の愛へと変わっていく。

そして危機が訪れた時、二人はついに仮面を脱ぎ捨て、並び立って頂点へと君臨する。

「君の『仮面』はすべて剥がした。次は、その心を裸にする番だ」
偽物令嬢の逆転劇

偽物令嬢の逆転劇

98.8k 閲覧数 · 連載中 · ひかり
「泥棒女め、今すぐこの家から出て行きなさい!」

実の娘が戻ってきたその日、私はゴミのように家を追われた。
病弱な「お嬢様」の生きる輸血パックとして虐げられ、血を搾り取られ続けてきた日々。用済みになった途端、身に覚えのない盗みの罪を着せられ、婚約者からも冷酷に捨てられた。
元家族たちは、私が「貧しい田舎で野垂れ死ぬ」と信じて疑わなかった。

だが、彼らは何も知らなかったのだ。
私が、世界中のVIPが縋る伝説の名医であることも。
私を迎えに来たオンボロトラックが、実は国家機密級の超高級カスタムマシンであることも。
そして、私の本当の実家が、国さえも動かす世界屈指の超巨大財閥だということも!

「今まで苦労をかけたね、私たちの可愛いお姫様」
生き別れていた超過保護な両親と、各界の頂点に君臨する最強の兄たちに狂おしいほど溺愛されるシンデレラライフが幕を開ける!
一方、大切な「命の恩人」を自ら捨てた元家族たちには、破滅へと向かう絶望の後悔タイムが待ち受けていて!?

虐げられた天才少女が本当の愛と富を掴み取る、逆転ファンタジー、ここに開幕!