彼氏の海軍兄に恋して

彼氏の海軍兄に恋して

Harper Rivers · 連載中 · 779.2k 文字

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紹介

「私、どうかしてるの?

どうして彼のそばにいるだけで、肌がきゅうっと窮屈になるんだろう。まるで二つも小さいセーターを無理やり着せられてるみたいに。

ただの慣れない感じよ。私は自分にそう言い聞かせ、きっぱりと心の中で言い切る。

彼はタイラーの兄だ。

ここはタイラーの家族の場所。

たった一度の冷たい視線で、その全部を台無しになんてさせない。

**

バレエダンサーとしての私の人生は、傍から見れば完璧だった――奨学金、主役の座、優しい恋人のタイラー。けれどタイラーが本性を見せ、兄のアッシャーが帰ってきた日から、すべてが揺らぎはじめる。

アッシャーは海軍帰りの退役軍人で、戦場の傷を抱え、我慢というものがまるでない。彼は私を「プリンセス」と呼ぶ――褒め言葉じゃない、侮辱として。私は彼が大嫌いだ。

足首の怪我で療養することになり、彼らの湖畔の別荘で過ごす羽目になった私は、二人の兄弟と逃げ場のない時間を共有することになる。憎み合いから始まったはずのそれは、少しずつ、決して踏み込んではいけないものへと変わっていく。

私は、恋人の兄に恋をしてしまっている。

**

ああいう女が嫌いだ。

甘やかされていて。

か弱くて。

それなのに――

それでも。

玄関口に立ち、細い肩にカーディガンをぎゅっと抱え込むようにして、気まずさをこらえながら笑おうとしていたあの姿が、頭から離れない。

タイラーのことも同じだ。あいつは、彼女をここに置き去りにした。何のためらいもなく。

気にするべきじゃない。

気にしてない。

タイラーが間抜けだろうが、俺の知ったことじゃない。

甘やかされたちっぽけなプリンセスが、暗闇の中を歩いて帰らなきゃならないとしても、それがどうした。

俺は誰かを助けに来たわけじゃない。

まして彼女なんか。

まして、ああいう女なんか。

彼女は俺の問題じゃない。

そして、絶対に――絶対に、俺の問題にさせない。

……なのに、視線が彼女の唇に落ちた瞬間、俺は思ってしまった。

彼女を、俺のものにしたい、と。

チャプター 1

スタジオの照明が頭上でじじっと唸る。鋭く、冷たく——この場所のすべてがそうであるみたいに。壁一面に並んだ鏡は、欠点をひとつ残らず映し出す。迷いが一瞬よぎるのも、着地が半拍遅れるのも、すべて。首筋の後ろはもう湿っていて、トウシューズのピンクのサテンの内側で手のひらがじっとりと汗ばんでいる。

私はグラン・ジュテに入って——着地を誤った。

致命的ではない。けれど。

「もう一度」

ロレット先生の声は、床を打つ杖の音みたいに鋭い。

私は素早く元の位置に戻る。心臓が早すぎるほど強く脈打っている。部屋中の視線が私へと移るのがわかる——控えめな横目、斜めからの薄笑い、他人が血を流しているときに向ける、あれ。自分じゃなくてよかったと胸をなでおろす目。

もう一度、動く。

そして、また外す。

ほんの少し。着地の一瞬のもたつき。音楽からほんのわずかに遅れる。誰にも見えない程度のミス——ロレット先生以外には。

先生が踵を返した瞬間、ピアノが不協和音のようにぶつりと止む。

「ペネロピ・ヴェイル」

疲れ切った調子で言う。「ここは初めて?」

私は踵を揃え、顎を上げ、肩を開く。「いいえ、先生」

「怪我は?」

「いいえ、先生」

「なら怠けているのね」先生は舌を鳴らした。「がっかりだわ」

沈黙が伸びる。呼吸を静かに保とうとする努力のせいで、耳の奥がきんとする。

「三年よ」先生は言い、鏡の前をゆっくり歩く。鏡の中では、その姿が幽霊みたいに遅れてついてくる。「あなたを教えて三年。三年。ここに来たのは……十六だったかしら? そして今は十九。まだここにいる。まだこのスタジオにいられるだけで幸運だということ。あなたはこのクラスで最年少なの、丸四年も。どれほど珍しいことかわかる? この部屋で踊れるだけで、どれほど恵まれているか、わかる?」

「はい、先生」

「それなら、なぜ無駄にするの?」声は大きくならない。ただ鋭さだけが増す。「二歳から踊ってきた。十七年鍛えて、まだ重力が理解できていないみたいな着地をする。スプリング・ガラのトライアルは来週よ。なのに、もう負けたみたいな踊りをしている」

喉がきつく締まる。背骨は、必死に体を支えているせいで、今にも折れそうだ。

「ソロが欲しいの?」先生が言う。「なら、それにふさわしい人間として振る舞いなさい。そうでなければ、あなたの才能の半分しかなくても、規律は倍ある子に渡すわ」

長い沈黙。先生はピアニストの方を向く。

「五分休憩。全員。ペネロピ、座りなさい」

私は床に崩れ落ち、震える手をごまかすように冷たいマリィに掌を押しつけた。

ミラがすぐ隣に座る。膝を胸まで抱えて、声を落とす。「ねえ、今の何?」

私は彼女を見ない。鏡の中の自分をまっすぐ見つめる。顔色が悪くて、表情が硬い。

「あなたがあれをミスるなんてないでしょ」ミラは言う。「絶対に。去年の秋の泊まり込みのとき、寝ながらでもやってたじゃない。どうしたの?」

私は息を吐く。ゆっくり。制御して。「タイが、クラスのあと迎えに来るの忘れた」

ミラが瞬きをする。「タイラー?」

私は頷く。「二十分くらい待ったんだけど、女の子の勉強見てたとかで忘れてた。間に合わせるために六ブロック走って、こっちの廊下で着替えた」

ミラの口元が歪む。「それって……四回目?」

「五回目」

別れなよ、とは言わない。でも顔に書いてある。

「謝ってはくれた」私は付け足す。自分でも、なぜ言うのかわからないのに。「ただ……うっかりしてたって」

「うっかり?」ミラは言う。「ガラのトライアル週に?」

私は首を振り、膝をさらに引き寄せる。「平気。ちょっと調子が狂ってるだけ。直す」

ミラは少し黙ってから、肩を私に軽くぶつけた。「直しなよ。アマンダ、もう受賞スピーチを頭の中でリハしてる」

私はうめき声を漏らし、喉の奥で笑った。

でも胸の締めつけは消えない。

ロレット先生がスタジオに戻ってきても、私を見ようともしない。ただ一言。

「最初から」

私は立ち上がる。

もう一度、鏡に向き直り、ほんの少しだけ呼吸する。自分を見る——頬骨の硬い線、顎の緊張、レオタードの淡い布の下で小刻みに震える筋肉。

私はこの踊りを知っている。ここに住んでいるみたいに。

これは、私のものだ。

音楽が始まる。

私は動く。

すべてが薄れていく——クラスも、背中の痛みも、先生の言葉の刺すような感触も。脚は澄んだ線で伸び、腕は水を切るみたいに空気を彫る。背骨は長く、体幹は固く締まり、指先は柔らかく生きている。音楽の流れが、体の隅々まで満ちていくのを感じる。

回る。着地する。そこを呼吸で通り抜ける。

グラン・ジュテ。ピルエット。ルルヴェ。

完璧。

鏡の中で影が私の横に伸びる。正確で、鋭い。けれど見ない。私は動きの中にいる。正しいと願っているんじゃない——正しいと知っている。すべてのカウント。手首の一振りまで。顔は動かない。読ませない。でも内側では、燃えている。

最後の動きが私をセンターへ運ぶ。アラベスクから最終ポジションへ、ゆっくり、意図的に落としていく。止まる。均衡。気品。重さの消えた身体。

私は息を吐く。

そして……沈黙。

ロレット先生が部屋の端に立っている。表情は読めない。

私は何かを待つ——批判、修正、あるいは、さらなる沈黙。

けれど先生が寄こしたのは、ただ一度きりの、硬い頷きだった。

それだけ。

拍手もない。褒め言葉もない。けれど雷みたいに体に響く。

胸の奥が熱で花開いて、止める前に笑みが弾けた。

あの頷きは、できたということだ。十分だったということだ。

私はもう一度座る。今度はゆっくり。アドレナリンがまだ手足の奥で脈打っている。

ミラがにやりとする。「……ねえ、今のは怖いくらい良かった」

「そう?」私は言い、水を飲むふりをする。手が少し震えているのに気づかれないように。

「別人みたいだった。映画の中の人っていうか……ぶちかましたね」

私はさらに笑う。「わかってる」

傲慢じゃない。安堵でもない。

もっと静かなもの。

勝ち取った、静けさ。

数秒だけ、タイラーのことも、十九歳であることも、ここに間に合うためにどれだけ走ったかも考えない。ただ、最後の音のことだけ。全身がまだ微かに鳴っているまま、そこを叩き込んだことだけ。

褒め言葉はいらない。

拍手もいらない。

私に必要なのは、踊りだけ。

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彼女は兄たちのためにすべてを捧げたというのに、家を追い出され、無残に死んだ。

生まれ変わった今、彼女は人助けの精神などかなぐり捨てた。許さない、和解しない。あなたたちはあなたたちで固まっていればいい。私は一人、輝くだけ。

兄たちは皆、彼女がただ意地を張っているだけだと思っていた。三日もすれば泣きついて戻ってくるだろうと高を括っていたのだ。
だが三日経ち、また三日経っても彼女は戻らない。兄たちは次第に焦り始めた。

長兄:「なぜ最近、こんなに体調が悪いんだ?」――彼女がもう滋養強壮剤を届けてくれないからだ。
次兄:「会社のファイアウォールは、なぜこうも問題ばかり起こす?」――彼女がメンテナンスに来なくなったからだ。
三兄:「新薬の開発が遅々として進まないのはなぜだ?」――彼女が治験をしなくなったからだ。
四兄:「どうしてこんなにつまらない脚本しか上がってこない?」――彼女がもう執筆しないからだ。
五兄:「この義肢は、なぜこんなに出来が悪いんだ?」――彼女が製作をやめたからだ。
六兄:「なぜチームが負けた?」――彼女が脱退したからだ。

兄たちは地に膝をついて許しを請うた。「戻ってきてくれ。俺たちこそが、血を分けた本当の家族じゃないか」

彼女は絶縁状を兄たちの顔に叩きつけ、冷ややかに笑った。
「車が壁にぶつかってから、ようやくハンドルを切ることを覚えたのね。株が上がってから、ようやく買うことを覚え、罪を犯して判決が下ってから、ようやく悔い改めることを覚えた。残念だけど、私は――許さない!」
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その夜、鳴り止まない私のスマホに出たのは、新しい恋人の彼だった。

「知らないのか?」
受話器の向こうで、彼は低く笑った。
「良き元カレというのは、死人のように静かなものだよ?」

「彼女を出せ!」と激昂する元夫に、彼は冷たく言い放つ。

「それは無理だね」
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***

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