半分の魂でも私を永遠に愛してくれる彼
747 閲覧数 · 連載中 · 渡り雨
私は幼いころから「霊視」を持っている。
魔女の末裔として、死者を隔てる薄布の向こう側を覗ける。人の世をさまよう魂も、魔法が残した痕跡も――見えてしまう。
ずっと思っていた。この才能は、痛くも痒くもない秘密にすぎないのだと。
――私たちの結婚五周年、その夜までは。
長い食卓の上。最後の、ベルベットみたいな銀の燭台に火を点した。
ゆらり、と炎が揺れた瞬間。反射的に霊視が開き、暖炉の影へ視線が滑る。
……そこに、魂がいた。
影の奥で身を丸めているのは、私の夫――サイラス・ブラックウッド。
血の気が引いた。
どういうこと? サイラスが、死んだ……?
震える指でスマホを探り、転げるように彼の番号を押そうとする。通話ボタンに触れるより先に。残滓を祓う呪文を紡ぐより先に。
「カチャ」
扉が開いた。
雨の匂いをまるごと連れて、サイラスが入ってくる。
「ごめん、エイリー。遅くなった」
もしサイラスが死んでいるなら。
目の前で、彼の皮を被っているこの男は――いったい、誰?
魔女の末裔として、死者を隔てる薄布の向こう側を覗ける。人の世をさまよう魂も、魔法が残した痕跡も――見えてしまう。
ずっと思っていた。この才能は、痛くも痒くもない秘密にすぎないのだと。
――私たちの結婚五周年、その夜までは。
長い食卓の上。最後の、ベルベットみたいな銀の燭台に火を点した。
ゆらり、と炎が揺れた瞬間。反射的に霊視が開き、暖炉の影へ視線が滑る。
……そこに、魂がいた。
影の奥で身を丸めているのは、私の夫――サイラス・ブラックウッド。
血の気が引いた。
どういうこと? サイラスが、死んだ……?
震える指でスマホを探り、転げるように彼の番号を押そうとする。通話ボタンに触れるより先に。残滓を祓う呪文を紡ぐより先に。
「カチャ」
扉が開いた。
雨の匂いをまるごと連れて、サイラスが入ってくる。
「ごめん、エイリー。遅くなった」
もしサイラスが死んでいるなら。
目の前で、彼の皮を被っているこの男は――いったい、誰?


















































